HOME、もくじ   樹木名一覧  葉の図鑑  花の図鑑  実の図鑑
 画面の文字が小さいときは、メニューバー>表示>文字のサイズ、で文字
 を大きくしたり、または拡大レベルを125%にあげるなどしてご覧ください。


アベマキ  d

ブナ科コナラ属
学名:Quercus variabilis
別名:アベ、オクヌギ、コルククヌギ、
    ワタクヌギ、クリガシワ   
 
葉の裏は星状毛でまっ白にみえる クヌギのどんぐりによく似る
  属名のQuercusは良質の材の意。種小名のvariabilisは変化の多いの意。

  アベマキにはじめて出会ったのは兵庫県の山地でキャンプした時に近くの林にコナラ属の木があり、樹皮をさわると柔らかく押せばへこみそうな感じがあって、初見ではあったがこれはアベマキだと確信したものだった。
  岸和田市内で見るアベマキの樹皮はそれほど柔らかくなくクヌギとの交雑をうかがわせる個体が多いが、葉裏に星状毛が密生する点でアベマキとして扱った。
  アベマキの樹皮は1年ごとに成長したあとが年輪のように見えるが、この年輪のような樹皮の層の有無がクヌギとの区別点になるかといえばそうではないようだ。時には
クヌギの樹皮にもこのような年輪にみえる層が現れるからである。ということはそういったクヌギはアベマキの血が混ざっているのかもわからないが、素人ではそれ以上の詳しいことは不明である。

  岸和田市では西之内町兵主神社の社叢、中井町夜疑神社でかなりの大木を見ることができる。最初は両者ともクヌギと思い込んでいたのだが、愛知県岡崎市の上地八幡でアベマキを観察する機会がありアベマキとクヌギの葉裏の違いを理解できたのでこれらが実はアベマキだとわかったのだ。両者の葉裏の毛の差異を掴めば、葉だけで両者を区別することができる。
  岸和田市ホームページにも土生滝町意賀美神社のアベマキのことが記載されている。意賀美神社は数回訪れたことがあるが、純血種のアベマキであるかどうかまだ観察したことはない。


  雌雄同株、雌雄異花。

クリックすると、写真と説明にジャンプします。

樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

葉の裏面によるアベマキとクヌギの区別

樹形  落葉高木。
高さ15m、直径40cmほどになる。
樹形
紅葉がはじまった

西之内町
兵主神社で
2009.12月
秋の樹形
若い木の樹形

愛知県
岡崎市の山地で
2011.11月
若い木の樹形
枝葉
葉柄が長いので葉はたれ下がりやすい

西之内町
兵主神社で
2010.10月
葉はたれ下がりやすい
新枝の葉

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
新枝の葉
 環境  丘陵〜山地、公園
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:4〜5月    
葉の展開と同時に開花する。
雌花は新枝の上部の輪のわきにふつう単生する。明らかな柄があり、花柱は3個。
雄花序は新枝の下部からたれ下がる。長さ約10cmで、ひとつの花序に40〜70個の雄花がつく。
花序

枝先に雌花がつく
枝の下部から雄花序がたれ下がる

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月

   雌花 
雌花

西之内町
兵主神社で
2010.4月
雌花
雌花

西之内町
兵主神社で
2010.4月
雌花
雌花
黄白色の花柱がみえる

西之内町
兵主神社で
2010.4月
雌花

   雄花序 
雄花序

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
雄花序
開花前の雄花序

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
雄花序
  互生。
葉身の長さは約15cm、卵状狭楕円形〜披針形。質は紙質。先はとがり、ふちに浅い鋸歯がある。鋸歯の先は針になる。葉柄の長さは3cm内外と長いので、葉はたれ下がりやすい。      
   枝葉 
新枝

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
新枝
新枝

西之内町
兵主神社で
2010.4月
新枝
枝葉
葉柄が長いので葉はたれ下がりやすい

西之内町
兵主神社で
2010.10月
葉はたれ下がりやすい
幼木の葉
幅がせまく表からだとクヌギの葉と間違えそうだ

愛知県
岡崎市の山地で
2011.11月
幅がせまい葉

   新葉 
新葉

西之内町
兵主神社で
2010.4月
新葉
新葉

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
新葉
新葉の裏面
星状毛が密生し白くみえる

西之内町
兵主神社で
2010.4月
新葉の裏面は白くみえる
新葉の表
はじめ軟毛があるがのち無毛になる

西之内町
兵主神社で
2010.4月
新葉の表
新葉の裏面
星状毛が密生し白くみえる

西之内町
兵主神社で
2010.4月
新葉の裏面は白くみえる
托葉は線形
早期に落ちる

西之内町
兵主神社で
2010.4月
托葉は早落性

   成葉 
葉の表

西之内町
兵主神社で
2010.10月
葉の表
葉の裏
星状毛が密生し灰白色

西之内町
兵主神社で
2010.10月
葉の裏
幅が狭いアベマキの葉
クヌギの葉とあまり変わらない

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
幅がせまい葉
成葉の表
新葉にみられた軟毛は落ちて無毛になりやや光沢がある

西之内町
兵主神社で
2010.10月
成葉の裏面
小星状毛が全面に密生し灰白色にみえる

西之内町
兵主神社で
2010.10月

   落ち葉 
落ち葉の表面
やや光沢がある

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
落ち葉はやや光沢がある
落ち葉の裏面

枯れても裏面の星状毛は残り白っぽくみえる

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
落ち葉の裏面は白っぽくみえる
葉の形の変化

右端の葉はクヌギのように幅がせまい

愛知県
額田郡幸田町で
2010.11月
葉の形の変化
落ち葉の裏面

星状毛はそのまま残る

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.11月
落ち葉の表面
やや光沢がある

西之内町
兵主神社で
2009.11月
落ち葉はやや光沢がある
落ち葉の裏面

枯れても裏面の星状毛は残り白っぽくみえる

西之内町
兵主神社で
2009.11月
落ち葉の裏面は白っぽくみえる
落ち葉の裏面の
星状毛

西之内町
兵主神社で
201009.2月
落ち葉の裏の星状毛
 葉の裏面によるアベマキとクヌギの区別 
    新葉の裏面








アベマキの新葉の裏

星状毛が密生し白くみえる
新葉の裏面の比較
クヌギの新葉の裏

はじめ軟毛がはえるがしだいに落ちて少なくなる





   落ち葉の裏面 
クヌギの葉裏にくらべてアベマキの葉裏はつや消しのような感じがある アベマキとクヌギの葉裏







アベマキの落ち葉

枯れても裏面の星状毛はそのまま残り白っぽくみえる
落ち葉の裏面の比較
クヌギの落ち葉

落葉時には無毛になり光沢がある





果実   堅果(どんぐり)。
直径2cm弱の球形。開花から翌年の秋に熟す。1年目はほとんど成長せず2年目の夏から急に大きくなる。
殻斗は直径3cm
ほど
上部の総苞片は
立つ

西之内町
兵主神社で
殻斗
どんぐりの上半部は殻斗から出る

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
果実

堅果(どんぐり)
どんぐり

西之内町
兵主神社で
2009.12月
どんぐり
どんぐり

西之内町
兵主神社で
2009.12月
どんぐり
どんぐり

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.11月
どんぐり
樹皮  灰黒色〜灰褐色。
コルク層が発達し、縦に深く割れる。
若い木の樹皮 成木の樹皮
 若い木の樹皮(上地八幡宮)   成木の樹皮(大阪市長居植物園)
樹皮

愛知県岡崎市
上地八幡宮で
2009.4月
樹皮は深く割れる
1年ごとに樹皮が成長したあとがちょうど年輪のようにみえる

西之内町
兵主神社で
2010.2月
樹皮の成長のあとが年輪のようになる
若い枝ははじめ白い軟毛が密生するがのち無毛

西之内町
兵主神社で
2010.4月
新枝の樹皮は有毛
2年枝にはまるい皮目が散生する

西之内町
兵主神社で
2010.10月
2年枝の樹皮
冬芽  長さ6mmほどの長卵形。
冬芽

西之内町
兵主神社で
2010.10月
冬芽
芽鱗は20〜30枚

落ちていた枝の冬芽

西之内町
兵主神社で
2010.2月
冬芽
葉痕は半円形

西之内町
兵主神社で
2010.2月
葉痕は半円形
同属の仲間の樹木   コナラ属のなかで、殻斗の鱗片が瓦重ね状に並ぶコナラ亜属を下に挙げた。
クヌギ   ウバメガシ   コナラ   
ナラガシワ、カシワ、ミズナラ
(下の画像参照)
カシワ、ミズナラは冷涼地の樹木だが、ミズナラは最近とんぼ池公園内の花木園に植えられたようだ。(2008.8月)
ナラガシワ

奈良県宇陀市で
2006年6月
ナラガシワ
カシワ

岡山県蒜山高原で
2010.7月
カシワ
ミズナラ

鳥取県江府町
奥大山で
2010.7月
ミズナラ
ミズナラの葉柄はごく短い

岸和田市三ヶ山町
とんぼ池公園で
2010.11月
ミズナラの葉柄はごく短い

HOME、もくじ   樹木名一覧  葉の図鑑  花の図鑑  実の図鑑


         このホームページ内の文章、画像の転載は禁止です。
         Copyright(c) 2010 Kigi@Kishiwada All rights reserved.

inserted by FC2 system