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アベマキ d ブナ科コナラ属 学名:Quercus variabilis 別名:アベ、オクヌギ、コルククヌギ、 ワタクヌギ、クリガシワ |
属名のQuercusは良質の材の意。種小名のvariabilisは変化の多いの意。 アベマキにはじめて出会ったのは兵庫県の山地でキャンプした時に近くの林にコナラ属の木があり、樹皮をさわると柔らかく押せばへこみそうな感じがあって、初見ではあったがこれはアベマキだと確信したものだった。 岸和田市内で見るアベマキの樹皮はそれほど柔らかくなくクヌギとの交雑をうかがわせる個体が多いが、葉裏に星状毛が密生する点でアベマキとして扱った。 アベマキの樹皮は1年ごとに成長したあとが年輪のように見えるが、この年輪のような樹皮の層の有無がクヌギとの区別点になるかといえばそうではないようだ。時にはクヌギの樹皮にもこのような年輪にみえる層が現れるからである。ということはそういったクヌギはアベマキの血が混ざっているのかもわからないが、素人ではそれ以上の詳しいことは不明である。 岸和田市では西之内町兵主神社の社叢、中井町夜疑神社でかなりの大木を見ることができる。最初は両者ともクヌギと思い込んでいたのだが、愛知県岡崎市の上地八幡でアベマキを観察する機会がありアベマキとクヌギの葉裏の違いを理解できたのでこれらが実はアベマキだとわかったのだ。両者の葉裏の毛の差異を掴めば、葉だけで両者を区別することができる。 岸和田市ホームページにも土生滝町意賀美神社のアベマキのことが記載されている。意賀美神社は数回訪れたことがあるが、純血種のアベマキであるかどうかまだ観察したことはない。 雌雄同株、雌雄異花。 |
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樹形 環境 花 葉 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木
葉の裏面によるアベマキとクヌギの区別
樹形 落葉高木。 |
高さ15m、直径40cmほどになる。 |
樹形 紅葉がはじまった 西之内町 兵主神社で 2009.12月 |
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若い木の樹形 愛知県 岡崎市の山地で 2011.11月 |
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枝葉 葉柄が長いので葉はたれ下がりやすい 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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新枝の葉 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
環境 丘陵〜山地、公園 |
花 雌雄同株、雌雄異花。 花期:4〜5月 |
葉の展開と同時に開花する。 雌花は新枝の上部の輪のわきにふつう単生する。明らかな柄があり、花柱は3個。 雄花序は新枝の下部からたれ下がる。長さ約10cmで、ひとつの花序に40〜70個の雄花がつく。 |
花序 枝先に雌花がつく 枝の下部から雄花序がたれ下がる 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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雌花 |
雌花 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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雌花 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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雌花 黄白色の花柱がみえる 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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雄花序 |
雄花序 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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開花前の雄花序 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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葉 互生。 |
葉身の長さは約15cm、卵状狭楕円形〜披針形。質は紙質。先はとがり、ふちに浅い鋸歯がある。鋸歯の先は針になる。葉柄の長さは3cm内外と長いので、葉はたれ下がりやすい。 |
枝葉 |
新枝 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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新枝 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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枝葉 葉柄が長いので葉はたれ下がりやすい 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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幼木の葉 幅がせまく表からだとクヌギの葉と間違えそうだ 愛知県 岡崎市の山地で 2011.11月 |
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新葉 |
新葉 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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新葉 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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新葉の裏面 星状毛が密生し白くみえる 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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新葉の表 はじめ軟毛があるがのち無毛になる 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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新葉の裏面 星状毛が密生し白くみえる 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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托葉は線形 早期に落ちる 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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成葉 |
葉の表 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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葉の裏 星状毛が密生し灰白色 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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幅が狭いアベマキの葉 クヌギの葉とあまり変わらない 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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成葉の表 新葉にみられた軟毛は落ちて無毛になりやや光沢がある 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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成葉の裏面 小星状毛が全面に密生し灰白色にみえる 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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落ち葉 |
落ち葉の表面 やや光沢がある 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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落ち葉の裏面 枯れても裏面の星状毛は残り白っぽくみえる 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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葉の形の変化 右端の葉はクヌギのように幅がせまい 愛知県 額田郡幸田町で 2010.11月 |
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落ち葉の裏面 星状毛はそのまま残る 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.11月 |
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落ち葉の表面 やや光沢がある 西之内町 兵主神社で 2009.11月 |
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落ち葉の裏面 枯れても裏面の星状毛は残り白っぽくみえる 西之内町 兵主神社で 2009.11月 |
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落ち葉の裏面の 星状毛 西之内町 兵主神社で 201009.2月 |
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葉の裏面によるアベマキとクヌギの区別 |
新葉の裏面 |
アベマキの新葉の裏 星状毛が密生し白くみえる |
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クヌギの新葉の裏 はじめ軟毛がはえるがしだいに落ちて少なくなる |
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落ち葉の裏面 |
クヌギの葉裏にくらべてアベマキの葉裏はつや消しのような感じがある |
アベマキの落ち葉 枯れても裏面の星状毛はそのまま残り白っぽくみえる |
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クヌギの落ち葉 落葉時には無毛になり光沢がある |
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果実 堅果(どんぐり)。 |
直径2cm弱の球形。開花から翌年の秋に熟す。1年目はほとんど成長せず2年目の夏から急に大きくなる。 |
殻斗は直径3cm ほど 上部の総苞片は 立つ 西之内町 兵主神社で |
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どんぐりの上半部は殻斗から出る 愛知県岡崎市 上地八幡宮で |
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堅果(どんぐり) | ||
どんぐり 西之内町 兵主神社で 2009.12月 |
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どんぐり 西之内町 兵主神社で 2009.12月 |
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どんぐり 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.11月 |
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樹皮 灰黒色〜灰褐色。 |
コルク層が発達し、縦に深く割れる。 |
若い木の樹皮(上地八幡宮) | 成木の樹皮(大阪市長居植物園) | |
樹皮 愛知県岡崎市 上地八幡宮で 2009.4月 |
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1年ごとに樹皮が成長したあとがちょうど年輪のようにみえる 西之内町 兵主神社で 2010.2月 |
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若い枝ははじめ白い軟毛が密生するがのち無毛 西之内町 兵主神社で 2010.4月 |
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2年枝にはまるい皮目が散生する 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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冬芽 長さ6mmほどの長卵形。 |
冬芽 西之内町 兵主神社で 2010.10月 |
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芽鱗は20〜30枚 落ちていた枝の冬芽 西之内町 兵主神社で 2010.2月 |
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葉痕は半円形 西之内町 兵主神社で 2010.2月 |
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同属の仲間の樹木 | コナラ属のなかで、殻斗の鱗片が瓦重ね状に並ぶコナラ亜属を下に挙げた。 |
クヌギ ウバメガシ コナラ ナラガシワ、カシワ、ミズナラ(下の画像参照) カシワ、ミズナラは冷涼地の樹木だが、ミズナラは最近とんぼ池公園内の花木園に植えられたようだ。(2008.8月) |
ナラガシワ 奈良県宇陀市で 2006年6月 |
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カシワ 岡山県蒜山高原で 2010.7月 |
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ミズナラ 鳥取県江府町 奥大山で 2010.7月 |
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ミズナラの葉柄はごく短い 岸和田市三ヶ山町 とんぼ池公園で 2010.11月 |
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