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アカシデ   赤四手

カバノキ科クマシデ属
学名:Carpinus laxiflora
別名:シデノキ、コシデ、(コ)ソロ、ソロ(ノキ)、
    アカゾロ、ソヤ、ソノ   
果穂 葉柄は赤い

  属名のCarpinusはシデを意味するラテン古語。種小名のlaxifloraは花がまばらなの意。

  同属であるイヌシデとは区別しにくいが、果実のある時期に観察すると容易に区別できる。また、アカシデは秋に紅葉するが、イヌシデは黄葉することが多い。
  シデとは、たれ下がった花穂がしめ縄に下げられた四手に似ることからの名前といわれる。地方名としての別名が多いことは、アカシデが人里近くの雑木林などに豊富で、薪炭などによく利用されてきたことを物語るものであろう。
  林業界で、シデ類の樹皮にある縦じま模様をシデ目という。材は固く櫛や器具に加工され、椎茸栽培の榾木
(ほだぎ)とされる。

  岸和田市大沢町牛滝の大威徳寺境内をぬけ滝をめぐる遊歩道をすすむと、一の滝の真横にあたる斜面にアカシデの樹がある。遊歩道のほうが高いので枝先を近くから観察することができる。和泉葛城山に至る林道の周辺でもいくつかの個体を見る。
  その他に岸和田市で本種を見ることが多いのは、塔原町モツ谷である。バス道路の府道39号から谷に入ってすぐの所、林道を遡るわき、またヘアピンカーブを曲がって少し上ると樹形の項4枚目の個体に出会う。この樹は低い枝に手が届くので花、果実を観察しやすい。
  また神於山では三ヶ山町から入る1号園路で、国見の森の近くにアカシデの森がある。
 
  なお、牛滝山一帯はシラカシを主体とする鬱蒼とした常緑樹林にイイギリイヌザクライタヤカエデウリハダカエデなどの落葉樹が混生していて、樹木の観察にはうってつけの場所である。

  雌雄同株、 雌雄異花。


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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

葉によるアカシデとイヌシデの区別
果実によるアカシデとイヌシデの区別

樹形  落葉高木。高さ15mになる。
落葉前の樹形

大沢町
牛滝一の滝で
2007.11月
落葉前の樹形
冬の樹形

大沢町
牛滝一の滝で
2008.2月
落葉後
花期の樹形
赤っぽい色は雄花序の色
葉はまだ出ていない

大沢町牛滝で
2011.3月
花期の樹形
新緑の樹形

塔原町の山地で
2008.5月
樹形
雄花がいっぱいの
春の樹形

塔原町の山地で
2009.4月
花時の枝
枝葉
   
塔原町の山地で
2009.4月   
枝葉
紅葉

塔原町の山地で
2008.11月
秋の樹形
枝葉

大沢町牛滝で
8月
枝葉のようす
  環境  山地の適湿の地
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:4〜5月         
葉の展開と同時に開花する。
多数の雄花序が
さがった枝

塔原町の山地で
2009.4月
花時の枝
雌花序は紅い
雄花序は黄褐色で長い

塔原町で
2009.4月
       
雌花序と雄花序
枝の先に雌花序が枝の下部に雄花序がつく

塔原町で
2009.4月
雌花序と雄花序

  雌花 雌花序は新しい枝の先につく。長さ2cmの柄がある。
雌花は苞に1個ずつつく。
雌花序

苞が紅い
柱頭は2個で糸状に伸び帯紅色

塔原町で
2009.4月
雌花

   雄花 雄花序は黄褐色で長さ約5cm、前年枝からたれ下がる。雄花を密生する。雄花は苞に1個ずつつく。
     雄花序

    塔原町で
     2009.4月
雄花序
  雄花序の上部

  4月
雄花序の上部
   雄花序の下部

   4月
雄花序の下部
   互生。    
若葉は赤みをおびる。葉身の長さは約6cmで卵形〜卵状長楕円形、質はやや薄い。先は尾状にとがる。ふちに鋭く細かい重鋸歯がある。裏面は脈上と脈のわきに粗い毛がある。葉柄ははじめ有毛、しだいに脱落する。
    葉の表

    5月
葉の表
    葉の表

    8月
葉の表
    葉の裏

    5月
葉の裏
  新葉の展開

  4月
新葉の展開
新枝はふつう帯紅褐色ではじめ長い毛がある

葉柄にすこし毛が
あるがのち無毛
になる

5月
新枝と葉柄の毛
まっ赤に紅葉した葉

塔原町で
2008.11月
紅葉

  葉によるアカシデとイヌシデの区別
アカシデ

・葉の先は尾状に長く伸びる
・葉柄はイヌシデより長い
・葉柄の基部が赤い
・葉柄にはじめ少し毛が
 あるがのち無毛になる
アカシデの葉
イヌシデ

・葉の先は尾状に伸びない
・葉柄はアカシデより短い
・葉柄に毛が密生し、落葉時
 まで残る
イヌシデの葉
果実   堅果。8〜9月に熟す。
果序の長さは約7cm。果苞は長さ10〜18mmで、基部に1個の堅果をつける。果苞は基部で3裂する。
イヌシデとは、苞の基部の形と大きさが異なるので区別できる。
  若い果序

塔原町の山地で
2009.5月
若い果序
若い果序

塔原町の山地で
2009.5月 
若い果序
若い果序

塔原町の山地で
2009.5月
果序は長い柄にぶら下がる
若い果序

塔原町の山地で
2009.5月
若い果序
果序に近づいて

5月
果実は苞のなかに隠れて見えない
果序を下から見る

果苞は2個ずつ対になる

5月
下からのぞくと堅果が見える
果苞の基部に包まれるように堅果がつく

5月
苞に包まれる堅果

  果実によるアカシデとイヌシデの区別
   アカシデの果苞
   基部で3裂する
アカシデの果苞
左のイヌシデの果苞に比べ右のアカシデの果苞は小さい
苞の基部の形も異なる   
左イヌシデ、右アカシデの果苞


      堅果
          長さ約3.5mm
           表面に縦の筋が
           入る
堅果
    
樹皮  暗灰色でなめらか。      
隆起した皮目が多く、老木では筋状のくぼみが目立つ。
小枝は横に長い皮目がある。
  塔原町山地の個体    牛滝一の滝横の個体
冬芽 
長さ約8mmの紡錘形、4稜がある。稜は、冬芽を上から見たときにまるくなくて角があるように見えること。
葉芽の先は鋭くとがる。芽鱗は16〜18個。
この冬芽は
長さ7mm

2月
冬芽は褐色
冬芽

3月
冬芽
花芽の展開

和泉葛城山頂で
2014.4月
花芽
同属の仲間の樹木   イヌシデ   クマシデ  サワシバ
           クマシデの果穂

             龍神スカイラインで
             2005.6月
クマシデの果穂

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