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イイギリ    飯桐

イイギリ科イイギリ属
新しい分類体系APGVではヤナギ科とされる)
学名:Idesia polycarpa

別名:ナンテンギリ、ケロ 
葉の基部ははっきりしたハート形 紅い果実をつけた枝
  属名のIdesiaはオランダの植物収集家の人名から。種小名のpolycarpaはたくさんの果実の意。

  山地でこの樹に出会うことはなかなかないと聞いていたが、牛滝の森を歩いていて偶然見ることができた。梢に赤い果実がついていたから本種とわかったのだが、果実が色づく前であったら見逃していただろう。また果実のつく雌株だったのも幸運だった。
  この個体は牛滝の森のなかで周りの樹と競って樹高をのばしているので枝が高いところにしかなく、撮影できるのは落ち葉、落果、樹皮ぐらいである。
  岸和田市では上記のように、牛滝から葛城山頂に通じる林道わきで(大威徳寺の上にあたるところ)2本見ることができる。

  昔この葉でご飯を包んだことからイイギリと呼ばれるという。赤い果実がナンテンに似るのでナンテンギリとも呼ばれる。
  材は軽く、桐の代用として下駄や箱を作るのに利用されるという。

  雌雄異株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形   落葉高木。高さ10m以上になる。      
太い枝が放射状にやや水平に伸びる。
若い木の樹形

和泉市
父鬼町の山地で
2013.11月
若い木の樹形
冬の樹形

牛滝林道で
2008.2月
冬の樹形
冬姿
果柄がのこる

牛滝林道で
2008.2月
冬姿
枝葉のようす

牛滝林道で
2008.8月
 環境    山地のやや湿った所
   雌雄異株、まれに同株。 花期:4〜5月    
枝先に長さ20〜30cmの円錐花序がたれ下がり、芳香のある黄緑色の花が多数つく。花には花弁がない。雌花の子房は球形。小花柄の基部に関節がある。
前述のように牛滝のイイギリの花を撮影することは無理なので、花の写真を載せることは諦めていたが、あるとき「このきなんのき掲示板」 に山口県防府市在住のりんどうさんから素晴らしい雌花の画像が寄せられた。掲示板の常連回答者で、私もお世話になっているかたである。そこで自分のホームページに画像を使わせていただけないかとお願いしたところ、快諾してくださった。下の2枚の写真がそうである。りんどうさんには改めてお礼申し上げます。
雌花

山口県防府市在住のりんどうさん撮影
 
雌花序
上の写真のトリミング

山口県防府市在住のりんどうさん撮影 
雌花
  互生。
葉身の長さは10〜20cmで、ハート形。先は鋭く尖り、ふちに粗く低い鋸歯がある。基部はハート形でふつう5行脈がある。表面は光沢があり、裏面は粉白色で脈のわきに毛が多い。葉柄が長く約15cm、上端に2個と途中に1〜3個の密腺がある。葉は乾くと黒ずむ。
葉は集まってつく
   葉は集まってつく      和泉市父鬼町の山地で  2013.11月
落ちていた葉

和泉市
父鬼町の山地で
2013.11月
落ちていた葉
葉の表

和泉市
父鬼町の山地で
2013.11月
葉の表
裏面
葉の裏面
葉柄上端に2個の密腺がある

和泉市
父鬼町の山地で
2013.11月
葉柄上端に2個の密腺がある
裏面基部の脈わきに毛が多い       葉裏の脈わきには毛が多い
果実  液果。ぶどうの房のようにかたまってつく。      
直径約9mmの球形。秋に赤く熟し、落葉後も翌年まで枝に残ることが多い。
   果実  兵庫県西宮市甲山森林公園で 2018.11月
果実

兵庫県西宮市
甲山森林公園で
2018.11月
枝が高すぎて果実の撮影は難しい

落下したものを集めて撮影した

大沢町牛滝で
2008.2月
落ちていた果実

種子    卵状楕円形、1個の果実に多数の種子が入る。
大きさは1.5×2mm   種子
樹皮  灰白色でなめらか、褐色の皮目が多い。
                 色白の幹にそばかすで
すぐにイイギリとわかる

牛滝林道で
2008.2月
樹皮
冬芽  頂芽は赤褐色で長さ約7mmの半球形。
      樹脂で表面に
光沢がある。
頂芽は赤褐色
光沢がある

和泉市
父鬼町の山地で
2013.11月
葉痕は大きくて
まるい

兵庫県香美町で
2020.12月
同属の仲間の樹木  果実が白いものをシロミイイギリという。

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