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イヌザクラ   犬桜 

バラ科サクラ属
(新しい分類体系APGVではバラ科ウワミズザクラ属とされる)
学名:Prunus buergeriana

別名:シロザクラ、クソザクラ、ヤマモモ   
樹皮は白い 冬芽はルビーのように紅い

 学名のPrunusはスモモのラテン古名。種小名のbuergerianaは、幕末にシーボルトの助手として日本の生物を収集したビュルゲルの名から。

  和泉山脈の山地ではじめてイヌザクラを見たのは和泉市父鬼川上流の鍋谷であるが、遠目で一瞬シラカバかと見まがうほどの樹幹の白さであった。別名のシロザクラの名のとおり樹皮が白っぽい。他にクソザクラなどの臭いに関連する別名があるのは、枝や樹皮を傷つけると悪臭があるからという。
  材はやわらかく建築、細工物、版木などに利用される。

  岸和田市では牛滝から葛城山に至る林道のわきで数個体を見ることができる。仲間であるウワミズザクラにくらべて個体数が少ないとされるが、たしかにウワミズザクラをふつうに見かけるのに対しイヌザクラはどこにでもある樹種ではない。

 雌雄同株。


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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。高さ10m余、直径30cmになる。
冬の樹形

牛滝一の滝の近くで
2008.2月
冬の樹形
   
    環境      山地の谷間
   雌雄同株。 花期:4〜5月
葉の展開後に開花する。前年の枝から長さ約8cmの総状花序を数個だす。花序の軸に葉はつかない。花の直径は約6mm。ウワミズザクラの花と似るが、ウワミズザクラの樹皮は紫褐色で花序の基部に葉がつくことで区別できる。葉の鋸歯も異なる。
( 画像 準備中 )
 互生。
葉身の長さは5〜10cmで長楕円形〜狭長楕円形。質はうすい。
先は尾状にとがり、ふちに低い鋸歯があり波打つことが多い。他のサクラ類の葉にくらべて細長く、モモの葉に似た感じがする。別名のヤマモモの名は、モモの葉に似るところからであろうか。
( 画像 準備中 )
果実  核果。      
直径8mmほどの卵円形で、6〜7月に黒紫色に熟す。
( 画像 準備中 )
ウワミズザクラの果実と似るが、イヌザクラでは果実の基部に萼片が残るのに対し、ウワミズザクラでは萼片は残らない。

    
   
扁平な円形で、先はとがる。 ( 画像 準備中 )
樹皮  灰白色で光沢がある。横長の皮目がある。
白い樹皮 樹皮
シラカバに間違えるほどの白い樹皮          牛滝で
冬芽  長さ約4mmの卵形で先はとがる。     
紅紫色で光沢があり、色彩の乏しい冬の山では非常に美しく感じる。
冬芽

11月
晩秋の冬芽
         冬芽

2月
2月の冬芽
   樹木観察で私淑している「葉で見分ける樹木」 小学館 2004 などの
   著者である林将之さんは、これを「冬芽のルビー」と呼んでいる。
  
同属の仲間の樹木 
ウワミズザクラ    シウリザクラは中部地方より北に分布する

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