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イチョウ   銀杏、公孫樹
イチョウ科イチョウ属  
学名:Ginkgo biloba
別名:ギンギョウ   
黄葉 果実はギンナンと呼ばれる

  属名のGinkgoは銀杏のこと。種小名のbilobaは、2つに裂けたの意。

  紅葉、黄葉で秋を彩る樹は多いが、黄葉する樹の代表格はイチョウであろう。イチョウと聞けば、フランク永井さんが歌った「公園の手品師」を思い出すのだが、最近はこの歌を耳にすることがなくなってしまったことは寂しい。
  イチョウは恐竜がいた時代(約1億5千万年前ごろのジュラ紀)にさかえた樹木で、氷河期に絶滅したと思われていたが、中国で1種だけが生き残っていたことがわかった。その点からメタセコイアと同じように「生きている化石」と呼ばれる。ふつうの植物では、雄花の花粉が花粉管を伸ばして受精がおこるのだが、イチョウには運動性のある精虫が存在することが日本人研究者により発見されている。(1895年) その時研究に使われたイチョウは現在も東京の小石川植物園にある。平瀬作五郎さんによる精虫の発見は世界的に認められ、ドイツの分類学者エングラーによりイチョウ科が新設された。
 イチョウは葉の形から広葉樹のように見えるが、裸子植物で導管がなく針葉樹とされる。
  日本には6世紀に中国から渡来し国内各地に植えられたが、その当時以来の古木と思われる巨樹も現存する。長崎県対馬市にある「琴の大銀杏」がそれで、樹齢1500年といわれる。

  燃えにくいところから、防火のために社寺に植えられることが多く寿命も長いために大木があり、天然記念物に指定されているものも多い。燃えにくいことは、1945年に被爆した広島市で、黒こげになりながらも再び芽吹いて復活したイチョウがあることからもうなずけることである。
  また街路樹としても適しており、国土交通省の全国街路樹調査
(2002年)では、高木の部でイチョウが1位で約62万本と2位のサクラよりも10万本近く多いことが報告されている。ちなみにこの調査で中低木の部ではツツジ類が断然トップで6千万本を超えている。
  材は良質で碁盤、彫刻材、家具材、木魚などに利用される。まな板にも適し、昔から福井県産のものが知られている。

  岸和田市では西之内町中央公園、牛滝の大威徳寺、岸和田城の周囲などでイチョウを見ることができる。牛滝山大威徳寺のものは周囲3m余もあるといわれる。その他、寺院の境内や公園でもよく、見かける。

  雌雄異株。


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樹形 環境  種子 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。
高さ30m、直径2mになる。老木の枝では突起物がたれ下がることがあり、その形から乳イチョウと呼ばれるものがある。
   夏の樹形
         
   大沢町牛滝で
   2008年8月
夏の樹形
黄葉したイチョウ

並松町で 
2006年11月      
イチョウの黄葉
冬の樹形
(中央の背の高い樹)

大沢町牛滝で
2008年2月
冬の樹形
老木の冬姿

奈良県長谷寺で
2009.3月
老木の樹形
秋の並木道

大阪市大阪城で
2012t11月
黄葉のイチョウ並木
    環境  社寺の境内、街路樹、公園。
   雌雄異株。 花期:4〜5月 
葉の展開と同時に開花する。雌花、雄花とも短枝に束生する。
雌花は長さ2〜3cmの柄の先に2個の胚珠がつく。
雄花は長さ約2cmの円柱形、多数の雄しべがつく。。
   雌花 
           ( 画像 準備中 )

   雄花 
伸展前の雄花

西之内町
中央公園で
2010.4月はじめ
雄花序
雄花

西之内町
中央公園で
2010.4月中旬
雄花序
雄花をつけた枝

上野町東で
2010.4月
雄花序をつけた枝
雄花
多数の雄しべが尾状花序状につく

堺市三宝公園で
2005.4月
雄花序
雄花

上野町東で
2010.4月
雄花序
雄しべ
2葯室がある

上野町東で
2010.4月
雄花
  互生。
短枝では束生し、長枝では互生する。葉身は扇形で、長い柄がある。葉の裂けかたはさまざまで切れ込みのないもの、3つに裂けるもの、基部まで裂けるものなどがある。葉のふちが合着してラッパ状になるものがあるという。また葉のふちにギンナンがつくものがあり、お葉つきイチョウと呼ばれる。
新葉の展開
短枝に束生した葉

西之内町
中央公園で
2010.4月       
新葉の展開
葉の裏
整然と平行に走る葉脈

10月
葉脈
1本の木から落ちた葉にもいろいろな形がある

12月
葉のいろいろな形
種子 
ギンナン(銀杏)と呼ばれるもの。核果に似るがイチョウは裸子植物であるから果実ではなく種子である。秋に黄色く熟す。外側の悪臭のある果肉のようなものが外種皮、白い殻が中種皮である。食用にする部分は胚で、それを包むうすい膜が内種皮である。
裸子植物とは
種子が果実に包まれる被子植物と違い、種子はむきだしである。
たくさんの銀杏をつけた枝

重くて枝がたれ下がっている

堺市西区で
2008.10月
銀杏をつけた枝
銀杏はほぼ球形

これぐらいの色に
なると落下する

堺市西区で
2008.10月
球形の銀杏
地面に落ちた銀杏

この木の銀杏は少し長い形

このように舗道に落ちた銀杏が踏まれるとひどい悪臭が漂うが、これを拾って持ち帰り食用にする人も多い

堺市西区で
2008.10月
落ちた銀杏
外種皮を取り除くと店で売っているぎんなんの状態になる

かたく白い殻は中種皮
2〜3稜(紙の折り目のような線状の隆起)がある
下の左2つが3稜のもの

2009.2月
ぎんなんの中種皮
かたい中種皮を取り除くと内種皮に包まれた種子が現れる

2013.12月
上部の茶色の種皮が内種皮

2013.12月
種子
上の写真にある内種皮を除くと胚があらわれる
食用にする部分だ

年を越して時間がたっているので表面にしわがよった

2014.2月
胚は食べることができる
樹皮  灰白色。コルク層が発達し、たてにあらく裂ける。
若い樹の樹皮 成木の樹皮
            若い樹の樹皮        成木の樹皮
冬芽  半球形。 葉痕は半円形。
     頂芽

     12月
頂芽
短枝につく冬芽

葉痕がいくつも見える
12月                             
短枝につく冬芽
冬芽の展開
新葉と雄花序がみえる

西之内町
中央公園で
2010.3月
冬芽が展開し始めた
葉痕は半円形

12月
 葉痕
同属の仲間の樹木   1属1種で仲間はない 

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