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オニグルミ  鬼胡桃

クルミ科クルミ属
学名:Juglans mandshurica var. sieboldiana
 
果皮を除いたオニグルミ 冬芽は大きい
  属名のJuglansはジュピターの木の実の意。種小名のmandshuricaは満州のを意味する。変種名のsieboldianaはシーボルトの名から。シーボルトは1823年オランダ商館の医員として来日したドイツの医学者、博物学者。日本の動植物を研究し「日本植物誌」などを著した。

  オニグルミは水分を好む木で、山地で実った果実が川の流れにのって散布され河川の下流域にも多数生育する例が少なくない。寒冷地の樹木であるが、大阪府では金剛山、岩湧山周辺の山地でオニグルミが確認されるから、その下流域である富田林市域の石川河川敷に複数の成木がみられ、また以前は堺市域の大和川の堤にもはえていたことが「大阪百樹」のサイトで紹介されている。
  同属の仲間であるテウチグルミの木は枝葉に甘く良い香りがあり、落葉したあとも枯葉を踏めば甘いような匂いが周辺に漂うが、オニグルミの枝葉にはそのような香りはない。

  オニグルミの鬼は殻の表面がゴツゴツしているためだという。食べる部分は子葉であり、脂肪に富み栄養価が高くおいしい。果実がたくさん採れる地域では和え物などの料理に使われる。核を炒ると縫合線で割れて開くので、なかの子葉を取り出しやすいという。

  岸和田市では
春木川河口にある春木川緑道(下野町)に植えられた1個体を確認できている。果実を実らせる成木である。その後内畑町の畑地で栽培されているものを見ることができた。
  大阪府野生生物目録(2000)では泉南地域で確認されているということだが、岸和田市の山域に野生の個体があるかどうかは不明である。
 

  雌雄同株、雌雄異花。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。
高さ10mになる。大きいものでは20mになるという。
樹冠は横に広いまるい形。新枝は太く、枝葉まばら。
春木川緑道のオニグルミ

下野町で
2007.7月
夏の樹形
上の写真の木の
冬姿

下野町で
2008.1月
冬の樹形
樹形

群馬県嬬恋村で
2018.8月
枝葉

下野町で
2007.7月
枝葉
 環境  寒冷地に多い。
川沿いや山地の谷沿いなどの湿り気の多いところ。
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:5月    
葉の展開と同時か、少し遅れて開花する。
    雌花序        内畑町で    2018.4月      
    雄花序が目立つ        内畑町で    2018.4月 

 雌花  雌花序は新枝の先に直立する。
長さ6〜13cm、7〜10個の雌花がまばらにつく。
子房は筒状の花床に包まれる。柱頭は濃赤色。
雌花序

下野町
春木川緑道で
2012.5.6
雌花序
雌花
紅い柱頭が目立つ

子房は筒状の花床に包まれる

下野町
春木川緑道で
2012.5.6
雌花

 雄花  前年枝の葉のわきから尾状花序がたれ下がる。
10〜22cm、小さい雄花が密生する。
雄花序

内畑町で
2018.4月
  互生。長さ40〜60cmの奇数羽状複葉。
小葉は5〜9対、葉柄。小葉は長さ8〜18cmの楕円形〜長楕円形、ほとんど無柄。先は短くとがり、ふちに細かい鋸歯がある。
奇数羽状複葉の葉

下野町
春木川緑道で
2009.9月
葉は複葉
小葉の基部はゆがんで左右不相称

下野町で
2009.9月
小葉の基部
葉の一部

下野町で
2009.9月
葉
小葉の表
はじめ星状毛を散生しのちほとんど無毛
細脈はくぼむ

下野町で
2009.9月
小葉の表
小葉の裏
星状毛が密生する
さわるとざらつく

下野町で
2009.9月
小葉の裏
葉柄の基部は稜(紙の折り目のような線状の隆起)が目立つ
基部のふくらんだところで冬芽を抱く

下野町
春木川緑道で
2011.12月
葉柄の基部
葉軸に褐色の軟毛や腺毛が密生しやや粘る

下野町
春木川緑道で
2011.12月
葉軸は毛が密生する
小葉裏面の主脈にも褐色の毛が密生する

下野町
春木川緑道で
2011.12月
小葉裏面の主脈の毛
果実   核果状の堅果。
長さ3〜4cmの卵球形、秋に熟し暗緑色になる。種子を食用にする。種子は大きな2枚の子葉から成る。
果実
   果実              下野町で  2009.9月
ごく若い果実

下野町で
2010.5月
若い果実
ごく若い果実
花柱の赤色がまだ少し残る

下野町で
2010.5月
若い果実
若い果実

下野町で
2007.7月
若い果実
若い果実

内畑町で
2017.6月
地面に落ちた果実

下野町で
2007.9月
果実
果実の表面は褐色の毛が密生する

下野町で
2007.9月
表面の毛

  核     長さ3cmほど、先はとがり表面に複雑な溝がある。
果肉を取り除いた状態
下野町のオニグルミの樹下で拾ったもの

2008.12月
核
右ーオニグルミ
左ーテウチグルミ
右ーオニグルミ、左ーテウチグルミ
オニグルミの縦断面

種皮が破れ白くみえる部分が子葉だ
核の断面
固い殻を除き取り出した種子
種子の表面もでこぼこしている

褐色のうすい種皮のなかに白色の子葉がある
種子
樹皮  暗灰色。縦に割れ目が入る。
若い枝には短毛、軟毛がある。腺毛があることもある。
樹皮 樹皮
     割れ目が浅い樹皮      割れ目がある樹皮
冬芽  裸芽。
円錐形で先はとがり、褐色の短毛が密生する。頂芽は特に大きい。葉柄の基部はひろがって冬芽を抱く。雄花序の冬芽も裸芽。
   頂芽は大きい

   下野町で
   2010.2月
冬芽
葉痕は大きく隆起する
維管束痕は3つのグループに分かれる

下野町で
2010.2月
冬芽
同属の仲間の樹木     カシグルミ    ヒメグルミ



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