ハナノキ

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ハナノキ　　花の木

カエデ科カエデ属
（新しい分類体系APGⅢではムクロジ科とされる）
学名：Acer pycnanthum
別名：ハナカエデ　　　　

　属名のAcerはカエデの１種のラテン名で裂けるの意味がある。種小名のpycnanthumは密に花があるの意。

　葉が出る前に樹冠が赤い花でいっぱいになる姿はハナノキの名のままである。ひとつひとつの花自体は小さいが、属名が密に花があることを表すように花がかたまってつくので見栄えがする。秋の紅葉もまた非常に美しい。樹下に紅い落ち葉が積もっているようすは見事である。
　自生地は恵那山を中心とした半径30ｋｍ以内の岐阜県、長野県、愛知県の一部と長野県大町市の山間湿地だけとされる。絶滅が危惧される樹種であるが、姿の美しいことと絶滅を防ぐねらいもあるのだろうか、挿し木で増やしたものを公園などに植裁したものを見ることも少なくない。園芸ショップでも一般向けに苗を扱っているようだ。私がはじめてハナノキを見たのも中央自動車道恵那サービスエリア内である。

　岸和田市では西之内町中央公園に数本、三ヶ山町とんぼ池公園の花木園に２本植えられている。

　 雌雄異株。

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樹形 環境花葉果実樹皮冬芽仲間の樹木

樹形　　落葉高木。

大きいものは高さ25ｍほど、直径１ｍ余になる。

	樹形　　西之内町　　中央公園で　　2007．10月
	花時の樹形　西之内町　中央公園で　2007．4月
	葉が展開する前に紅い花が枝を飾る西之内町中央公園で 2007．4月
	紅葉愛知県岡崎市で 2011．11月

　　環境　　　公園樹、庭木、街路樹、　（自生地は前文を参照）

花　　 雌雄異株。　花期：４月　　葉が展開する前に開花する。　　　　

前年枝の葉のわきに数個の花が束生する。萼片と花冠は赤色で平開しない。

	葉に先立って赤い花が枝にびっしりとつく西之内町中央公園で 2007．4月

　　　雌花　

	花弁は4～5枚花柄は2～3ｃｍで紅い花柱は4ｍｍほど西之内町中央公園で 2007．4月
	枝先の雌花西之内町中央公園で 2007．4月

　　　雄花　


	花弁は0～5枚花柄は5ミリほどで短い雄しべは5～6本葯は黒紫色	（　画像　準備中　）

葉　　対生。

葉身の長さは3～10ｃｍで、広卵形、３行脈（基部で分岐する３本の太い脈）がある。先は浅く３裂するが切れ込みがないものもある。先は鋭くとがり、ふちに重鋸歯がある。新葉は紅いが、しだいに緑色になる。葉柄の長さは1．5～8ｃｍ。　

	左ー表　　　右ー裏　　　5月
	卵形の葉の表
	卵形の葉の裏
	新葉三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	新葉西之内町中央公園で 2010．4月
	紅葉がはじまった葉中央自動車道恵那サービスエリアで 2005．10月

果実　　　翼果。

開花から１ヶ月ほどで成熟し、５月には熟す。分果は長さ約2．5ｃｍ、直角～鋭角に開く。ほとんど平行するものもある。花後花柄は長さ6ｃｍほどに伸び、熟すと果序ごと落ちる。

	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月新葉はほとんど緑色に変わってきた
	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	若い果実西之内町中央公園で 2010．4月


	種子
		（　画像　準備中　）

樹皮　　灰白色。

成木ではたてに裂ける。若い枝は紅色を帯び無毛、稜（紙の折り目のような線状の隆起）がある。楕円形の皮目が多い。


	なめらかな樹皮	裂けはじめた樹皮


	裂けはじめた樹皮	樹皮が裂けた成木

冬芽　　芽鱗は濃紅色。

	冬芽　　　　　1月
	枝先に頂芽がつき頂生側芽を伴う 10月

　　　　葉痕

	葉痕はV字形またはU字形 1月

同属の仲間の樹木　　

カエデ属は種類が多いのでここでは葉が手のひら形でない仲間を挙げる

ウリカエデ　　ホソカエデ　　カラコギカエデ　　　イタヤカエデ　　　トウカエデ
チドリノキ　　テツカエデ　　ウリハダカエデ　　　ヒトツバカエデ


	カラコギカエデの葉	ウリカエデの葉

	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月新葉はほとんど緑色に変わってきた
	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	若い果実三ヶ山町とんぼ池公園で 2007．4月
	若い果実西之内町中央公園で 2010．4月