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ヒメコウゾ  姫楮

クワ科コウゾ属
学名:Broussonetia kazinoki
別名:コウゾ   
 
成木の葉は切れ込みがない 果実は赤くなり食べられる
  属名のBroussonetiaは18世紀フランスの自然科学者の名から。種小名のkazinokiは同属のカジノキと間違えてつけられた名。

  ヒメコウゾはもともと日本に自生するものでこれをコウゾと呼んでいたのが、中国からコウゾが渡来して栽培されるようになったのでわが国自生のコウゾをヒメコウゾと名づけて区別したのは江戸時代とされる。古代には本種を製紙に用いたが現在はコウゾを用いる。

  岸和田市では神於山や河合町、大沢町、相川町、塔原町の低山地でごくふつうに見ることができる。谷や斜面に多く、乾燥した尾根では見ないように思う。ところが2005年に下野町の臨海道路に面した事業所のフェンス内でヒメコウゾが元気に枝葉を茂らせているのを発見したのだ。この場所は夏にはかなり乾燥すると思える環境だが、葉を厚くして適応し年々大きく成長している。造園業者が植裁した植木の土に幼いヒメコウゾが交じっていたのだろうか。
  流木墓地公園でもヒメコウゾが群生している。墓地公園南西部に湿地があるが、その周囲に茂っている。
  市街地では、2011年10月宮本町古城川のそばを歩いていて野生のヒメコウゾを見つけた。古城川斜面の笹藪のなかに1本のヒメコウゾが枝を伸ばしていたが、そのようすからまだ若い個体のようであった。クワ科の種子は鳥散布されるからおそらく鳥が運んだものであろう。


  雌雄同株、雌雄異花。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉低木。
大きいものでは高さ5mになる。細い枝が開出する。勢いのよい枝はつるのように長く伸びる。
樹形

流木墓地公園で
2011.10月
樹形
黄葉した樹形

大沢町シガ谷で
2007.11月
秋の樹形
若い果実をつけた枝

和泉市大野町で
2007.5月
果実をつけた枝
果実をつけた枝

熊取町の山地で
2007.7月
果実をつけた枝
熟した果実の枝

大沢町牛滝
いよやかの郷で
2011.7月
熟した果実の枝
   環境  丘陵〜低山地
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:4〜5月    
新枝の上部に雌花序、下部に雄花序をつける。
雌花は花柱をのぞいて直径5mmほどの球形、花柱は長さ5mmほどで赤紫色。花被は袋状。
雄花序は直径1cmほどの球形、多数の雄花がつく。
左の緑色の球形のものが雄花序
右の赤い花柱が放射状につくものが雌花

河合町中ノ谷で
2008.5月
雌花と雄花序

   雌花   
雌花
赤紫色の花柱が
放射状につく

5月
雌花
受精直後の雌花

5月
受精直後の雌花

   雄花 
  まだ若い雄花序

  5月                                 
雄花序
雄花序
すでに花粉を出しきった

熊本県南小国町で
2012.6月
雄花序
  互生。
葉身の長さは4〜15cm、ゆがんだ卵形。切れ込みのないものから2、3裂するものまで葉の形は変化がある。幼木では切れ込みは著しい。質はうすい。先はやや尾状にとがり、縁に細かい鈍鋸歯がある。
枝葉

和泉市大野町で
2007.5月
枝葉
左ー表、右ー裏

7月
左ー表、右ー裏
葉の表
短毛が散生しざらつく
側脈の先はカーブし隣の脈と合流して室をつくる
葉の表
若い葉の表
側脈の先のカーブがよく見える
若い葉の表
日当たりのよい乾燥する環境では葉は厚くなる

下野町で
2005.11月
乾燥する環境の葉は厚い
葉の裏
脈上に短毛が散生する

河合町中ノ谷で
2008.5月
葉の裏
葉身基部に腺体のようなものがいくつか見られる

河合町鎌谷で
2012.9月
葉身基部の腺体
葉身基部の腺体と思われるもの

河合町鎌谷で
2012.9月
葉身基部の腺体

   葉の形の変化 
ひとつの枝にいろいろな形がみえる

塔原町モツ谷で
2008.6月
いろいろな葉の形
葉の一方に切れ込みがある 切れ込んだ葉
あちこちに切れ込みがある葉 切れ込んだ葉
複雑に切れ込んだ葉

幼木ではこのような形をよく見る
幼木の葉
幼木の葉 幼木の葉
果実   集合果。
直径1cm余の球形、6〜7月に橙赤色に熟す。熟してくると花被が肥大して液状になり、赤くなる。先に花柱が残る。
甘くて食べられるが、宿存した花柱で口当たりは悪い。
熟した果実をつけた枝

熊取町の山地で
2007.7月
熟した果実をつけた枝
若い果実

和泉市大野町で
2007.5月
若い果実
色づいてきた果実

和泉市大野町で
2008.6月
若い果実
花被が肥大して
きている

和泉市大野町で
2008.6月
若い果実
橙赤色に熟した
果実

大沢町シガ谷で
2007.6月
熟した果実
橙赤色に熟した
果実

熊取町の山地で
2007.7月
熟した果実
ツンツンと突き出る黒いものは花柱の名残
食べることはできるが花柱のせいで口当たりが悪い

大沢町牛滝
いよやかの郷で
2011.7月
熟した果実

種子
長さ2mmの卵形
淡褐色、小さい凸点が多い
   ( 画像 準備中 )
樹皮  褐色。皮目が多い。
新枝にははじめ短毛が密生するが、のち少なくなる。皮目がある。
若い木の樹皮 若い木の樹皮 成木の樹皮
 若い木の樹皮 若い木の樹皮      成木の樹皮
冬芽  褐色の卵状三角形。        
芽鱗は2枚で無毛。側芽は枝に合着してつく。
   冬芽

   11月
冬芽
   冬芽

   11月
冬芽
側芽と葉痕

葉痕は扁円形で隆起する
左右の肩に托葉痕がある

2月
側芽と葉痕
同属の仲間の樹木   カジノキ   コウゾ   ツルコウゾ

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