HOME、もくじ   樹木名一覧  葉の図鑑  花の図鑑  実の図鑑
 画面の文字が小さいときは、メニューバー>表示>文字のサイズ、で文字
 を大きくしたり、または拡大レベルを125%にあげるなどしてご覧ください。


ホオノキ  朴の木

モクレン科モクレン属
学名:Magnolia obovata
別名:ホガシワ   
花は白く大きい 葉は枝先に集まる
  属名のMagnoliaはフランス人の植物学者P.Magnolの名から。種小名のobovataはさかさまのを意味する。

  山道を歩いていると靴と同じぐらいの大きさの落ち葉を見ることがあるが、それがホオノキの葉だ。ホオノキの花と葉は日本の樹木のなかで最も大きいとされる。
  別名ホオガシワのカシワは、古来葉を「かしわ」(食物を盛る葉)として使ってきたことに由来している。現在も端午の節句にホオノキの葉で柏餅をつくる地方も多いという。
  万葉集には保宝我之波(婆とも)(ほほがしわ)が登場する歌として、2首がある。また単に葉に食物を盛るだけでなく、民俗的には田植えのときに田の神様の木としてホオノキが登場することがある。(山田宗睦 花の文化史 読売新聞社 1977 / 週刊朝日百科・世界の植物 朝日新聞社 1975)

  ホオノキといえば岐阜県高山地方の朴葉味噌が有名だ。他には朴歯の下駄もあれば、自分がこどもの頃図工の時間に版画を彫った板はホオノキだと聞いたものだ。その他にも材は軽く柔らかいので多方面に利用される。樹皮は漢方薬になり、古く延喜式巻37典薬寮に諸国からの年貢のひとつとして厚朴(ホオノキを指す)の名が記されている。

  岸和田市では和泉山脈の麓にあたる塔原町、大沢町、相川町、河合町の山地で見ることができる。しかし、花をつける個体はかなり樹高があるので花や果実を間近に見る機会はなかなかない。


  雌雄同株。

クリックすると、写真と説明にジャンプします。

樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。高さ30m、直径1mになる。
成木の樹形

北海道帯広市で  2019.6月
幹は真っ直ぐに伸びる

和泉市父鬼町
白川谷で
2007.6月
樹形
新葉の展開時

和泉市大野町で
2010.5月
春の樹形
   環境  山地
   雌雄同株。 花期:5〜6月    
枝先に直径15cmほどの花をつける。花は黄白色、上向きに開く。芳香がある。花被片は全部で9〜12枚。外側の3枚は短く、萼状。内側の6〜9枚は花弁状。


河内長野市
滝畑ダムで
2006.5月
花
中心部でタワーのような花床の周りに雌しべと雄しべが多数つく

雌しべは上部につく
雌しべの下部につくのが雄しべ
花糸は赤色
葯は黄白色

雄しべは開花後すぐに落ちる
右写真の花の雄しべも落ちて花被片の上にたまっている
花
横から見ると

北海道帯広市で  2019.6月
  互生。枝先に集まってつくので、輪生のように見える。
葉身の長さは20〜40cm、倒卵形〜倒卵状長楕円形。先はやや鈍頭、ふちは全縁。葉柄の長さは3cmほど。
      枝先に集まる葉      熊本県南小国町で  2012.6月
紅葉
      紅葉        和泉市父鬼町の山地で   2013.11月
新葉の表
樹高1m余の若い木

和泉市大野町で
2011.4月
新葉の表
新葉の裏
樹高1m余の若い木

和泉市大野町で
2011.4月
新葉の裏
新葉の裏
脈上に長い絹毛が多い

和泉市大野町で
2011.4月
新葉の裏
新葉の展開

和泉市大野町で
2011.4月
新葉の展開
新葉の展開

和泉市大野町で
2011.4月
新葉の展開
新葉の間から托葉がぶら下がるがすぐに落ちる

島根県の山地で
2004.5月
新葉の間から下がる托葉
成葉の表

熊本県
南小国町で
2012.6月
成葉の表
成葉の裏面

熊本県
南小国町で
2012.6月
成葉の裏面
落ち葉

3月
落ち葉
落ち葉

和泉市
父鬼町の山地で
2013.11月
落ち葉
果実   袋果が集まった集合果。
長さ10〜15cmの長楕円形、秋に赤く熟す。
1個の袋果にふつう2個の種子が入る。
    若い果実     北海道帯広市で  2017.7月
若い果実

北海道帯広市で
2017.7月

種子    赤色の仮種皮状の外種皮に包まれる。
長さ1cmほど ( 画像 準備中 )
樹皮  灰白色。なめらかで、まるい小さな皮目が多い。
枝は太く無毛

和泉市
大野町で
2011.3月
枝は無毛
枝を一周する托葉痕がある

托葉痕はハチマキと呼ばれモクレン科に共通する特徴である
托葉痕
若い木の樹皮 古木の樹皮
  樹皮  直径1cmほど     古木の樹皮 直径25cm
冬芽  頂芽は大きく、長さ4cmほどある。
芽鱗は1枚で無毛、革質。
2個の托葉と葉柄が合着したキャップ状。
混芽

河内長野市
滝畑ダムで
2009.12月
混芽
葉芽


和泉市
大野町で
2011.3月
葉芽
葉痕は扁円形〜ハート形
維管束痕は多数

枝を一周するすじはハチマキと呼ばれる托葉痕だ

和泉市
大野町で
2011.3月
葉痕と托葉痕
同属の仲間の樹木  
タムシバ  ハクモクレン  シデコブシ  コブシ  モクレン
オオヤマレンゲ
常緑の外国種としてタイサンボクがある

HOME、もくじ   樹木名一覧  葉の図鑑  花の図鑑  実の図鑑


         このホームページ内の文章、画像の転載は禁止です。
         Copyright(c) 2010  Kigi@Kishiwada  All rights reserved.

inserted by FC2 system