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ブナ  

ブナ科ブナ属
学名:Fagus crenata
別名:シロブナ、コハブナ、ホンブナ、ソバ、
    ソバノキ、ソバグリ、ソバグルミ   
 
枝葉 葉脈は整った平行脈
  属名のFagusは食べるの意でギリシア語から。種小名のcrenataはホタテ貝の貝殻のふちのような波形のを意味する。

  別名シロブナとも呼ばれるのはイヌブナにくらべ樹皮が白っぽいことによる。別名のソバはもののかどを意味する。(広辞苑、岩波古語辞典より) 堅果に稜(紙の折り目のような線状の隆起)があるところからついた名であろう。
  ブナは水分が多く加工がしにくいので役に立たない木といわれ戦後に大量に伐採されてきたが、近年はブナ林の高い保水力が「緑のダム」として見直されている。
  2014年TV番組で世界自然遺産として有名な白神山地ビジターセンター館長の話を聞いたが、ブナは1本の木に20万枚の葉をつけるそうだ。

  樹齢50年にならないと果実をつけないといわれる。堅果は炒って食べたり、しぼって油をとったりしたというが、現在はあまり食用にはしないらしい。しかし栄養が豊富で野生動物にとっては重要な食糧である。ブナは5、6年に一度豊作となるが、それは動物が食べ切れないほどたくさんの果実をつけて子孫を残す戦略であるそうだ。

材は器具や家具のほか多くの用途に利用される。

  岸和田市には国の天然記念物に指定されている和泉葛城山のブナ林がある(岸和田市公式HPを参照)。和泉葛城山は標高866mだが、ブナは標高800mぐらいから現れる。以前は標高700mから見られたといい、個体数は天然記念物に指定された当時の1割ほどしか残っていないそうだ。岸和田市と貝塚市でブナの保護増殖のため、発芽育苗、環境整備などに取り組んでいる。樹形の項4枚目の写真はそうして植えられた若い木だと思われる。この木の周辺にはそのような若木がたくさん見られる。
  ブナ林の林床にはササが群生することが多いが、和泉葛城山のブナ林ではスズダケが豊富だ。中部地方などのブナ林ではチシマザサなどが見られるそうだ。


  雌雄異株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。高さ30m、直径1.5mになる。
樹形

和泉葛城山で
2005.8月
樹形
樹形

和泉葛城山で
2005.8月
樹形
冬の樹形

和泉葛城山で
2014.1月
冬姿
若い木

和泉葛城山で
2013.8月
若い木
環境  山地、冷涼な平地。
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:5月    
葉の展開と同時に開花する。
新枝上部に雌花序が、下部に雄花序がつく。
( 画像 準備中 )

   雌花序       上向きにつく。 
雌花は直径1cmほどの総苞のなかに2個入る
花柱は赤い
( 画像 準備中 )

   雄花序   たれ下がり、6~15個の雄花が頭状につく。 
花序柄は長さ1~3cm

花被は長い軟毛におおわれる

和泉葛城山で   2015.4月
遊歩道に落ちた雄花

和泉葛城山で   2015.4月
  2列に互生する。
葉身の長さは4~9cm、卵形~菱状卵形。やや厚い洋紙質。先はとがり、縁に波状の鋸歯がある。側脈の先は鋸歯凹部に達する。はじめ両面に長い軟毛があるが、のち葉脈以外はほとんど無毛になる。托葉は膜質の倒披針形。
枝葉
     枝葉は整った印象だ     和泉葛城山で   2013.8月
  ↑ 新葉が展開した枝先     和泉葛城山で   2015.4月
葉の表

和泉葛城山で
2013.8月
葉の表
葉の裏

和泉葛城山で
2013.8月
葉の裏
葉柄は長さ5~10mm

和泉葛城山で
2013.8月
葉柄
側脈の先は鋸歯凹部に達する

和泉葛城山で
2013.8月
鋸歯
果実   堅果。
殻斗というかたい殻に包まれる。殻斗の外面はトゲ状の突起におおわれる。秋に熟すと殻斗は4裂し、堅果が2個出てくる。
( 画像 準備中 )

堅果    長さ約1.5cmの3稜狭卵形、赤褐色。 
   ( 画像 準備中 )
樹皮  灰白色~暗灰色。
地衣類や蘚苔類が付着することが多い。
若い枝ははじめ軟毛があるがのち無毛

和泉葛城山で
2013.8月
若い木の樹皮 成木の樹皮
   若い木の樹皮          成木の樹皮
冬芽  
長楕円形、先は鋭くとがる。
混芽は花と葉が入る。葉芽は細い。
冬芽

和泉葛城山で
2013.8月
葉芽
夏からずいぶん伸びた

和泉葛城山で
2014.1月
冬芽
展開し始めた新葉

和泉葛城山で
2015.4月
たれさがっている茶色のものは前年の冬芽の芽鱗だ

和泉葛城山で
2013.8月
同属の仲間の樹木    イヌブナ

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