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カゴノキ    鹿子の木

クスノキ科ハマビワ属
学名:Litsea coreana
別名:カゴ、カゴガシ、カノコガ、コガノキ    
葉 樹皮の鹿の子模様
  属名のLitseaは小さいの意の中国語から。種小名のcoreanaは朝鮮のを意味する。

  カゴノキの名前は「鹿子の木」の意味で、樹皮が鹿のこどものまだら模様に似るところからついたものである。カゴノキの成木は樹皮に特徴があるので山中でひと目でそれとわかる。樹皮がまだら模様になった成木はこれまでのところ塔原から葛城山頂に至る登山道のわき、牛滝山周辺、河合町の鎌谷で出会ったぐらいであるが、神於山にもあるそうだ。
  樹皮がまだ鹿の子模様になっていない若い木や幼木はカゴノキとはわかりにくいが、相川町、大沢町、塔原町などの和泉山脈の山麓に入ればふつうに見ることができる。それらしい若木に出会って私がカゴノキとする決め手は、葉裏の白さと色白の細長い冬芽、葉のふちに鋸歯がないことである。クスノキヤブニッケイのクスノキ属にみられる樟脳の匂いはなく、ただ青臭いような匂いがするだけなので葉の匂いからはカゴノキに絞ることはできない。
 
 
  雌雄異株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑高木。高さ20m、直径60cmになる。
樹形

塔原から葛城山頂に至る登山道で
2005.8月
樹形
独立樹の樹形

カゴノキは照葉樹林内に多く、全体を撮影することは難しいがこれは姫路城の濠の土手に独立していた

兵庫県姫路城で
2009.3月
樹形
独立樹の樹形
上の個体の遠景

兵庫県姫路城で
2009.3月
樹冠のようす
太い枝にも独特の模様がみられる

兵庫県姫路城で
2009.3月
枝張り
幼木
葉は枝先に集まってつく

相川町の山地で
2008.3月
枝葉
雌花の枝

河合町鎌谷で
2012.9月
雌花の枝
果実をつけた枝

河合町鎌谷で
2011.8月
果実をつけた枝
   環境   照葉樹林
   雌雄異株。 花期:夏      
枝の下の方に花序が数個つく。花序はほとんど無柄。花は淡黄色。雌花序は3〜4個の花をつける。雄花序は雌花序より大きく花の数も多い。雄花は長い雄しべが目立つ。
つぼみ

河合町鎌谷で
2011.8月
つぼみ
つぼみ
数個の総苞片に包まれる

河合町鎌谷で
2011.8月
つぼみ

   雌花 
      雌花の枝         河合町鎌谷で   2012.9月
雌花序
ひとつの花序に3〜4個の雌花がつく

河合町鎌谷で
2011.9月
雌花
雌花
黒く変色した雌しべと棒状の仮雄しべがみえる

河合町鎌谷で
2011.9月
雌花
花序には柄がなく枝に直接つく

河合町鎌谷で
2012.9月
花序は無柄

   雄花 
雄花の枝

河合町鎌谷で
2012.9月
雄花
雄花の雄しべは花の外に長く突き出る

開花から少し時間がたち葯が変色している

河合町鎌谷で
2012.9月
雄花
  互生。    
葉身の長さは約7cmで、倒卵披針形〜倒卵状長楕円形。うすい革質で、ふちは全縁。葉柄は1cmほど。表面は光沢があり、裏面は灰白色〜粉白色。 クスノキ科の葉によく見られる3行脈ではなく、クスノキヤブニッケイのような匂いもないので、クスノキ科とわかりにくいところがある。
葉は枝先に集まってつく

相川町で
2008.3月
枝葉
葉の表
若い木

8月
葉の表
成木では葉の先が鈍頭になる

3月
  
成木の葉
葉の裏

8月
葉の裏
裏面の基部
葉柄の長さは1cmほどで無毛

河合町鎌谷で
2011.8月
葉柄は無毛
果実  液果。長さ約7mmの倒卵状球形で、翌年の秋に熟す。      
果実
                ↑   果実     河合町鎌谷で  2011.8月
果実

河合町鎌谷で
2011.8月
果実
果実
   
河合町鎌谷で
2011.8月   
果実
果実

河合町鎌谷で
2011.8月
果実
果実

河合町鎌谷で
2011.8月
果実
果実

河合町鎌谷で
2011.8月
果実
小果柄は先のほうが肥厚して先端はギザギザになるが、このギザギザは花被片の名残である。

河合町鎌谷で
2011.8月
果実

種子     球形〜卵状球形、淡褐色。      
種子の上半部に黒褐色のまだら模様がある

大きさは4.5mm×
6mm
種子
樹皮   灰黒色。
樹皮の一部が点々とはがれ落ちたあとが、鹿の子斑(かのこまだら)になる。
  幼木の樹皮  まだはがれず鹿の子模様がない
幼木の樹皮 若い木の樹皮
  直径2cmの幼木の樹皮   直径8cmの若い木の樹皮

   若い木の樹皮
樹皮がはがれはじめた若い木
直径15cm

流木町の雑木林で
2009.3月  
はがれはじめた樹皮

    成木の樹皮
果実をつける成木だがはがれる模様が大きく樹皮だけだとリョウブと間違えそうだ
直径15cmほど

河合町鎌谷で
2011.9月
リョウブに似たカゴノキの樹皮
成木の樹皮
雨上がりのために色が鮮やか

三重県松阪市
飯高町の水屋神社で
2004.9月
成木の樹皮
成木の樹皮

兵庫県姫路城で
2009.3月
樹皮
太い枝の樹皮

兵庫県姫路城で
2009.3月
太い枝の樹皮

    枝の樹皮
小枝の樹皮は無毛で小さい皮目がある

河合町
鎌谷で
2011.8月
小枝の樹皮
冬芽  
葉芽は細長く、披針形。花芽は丸く、数個ずつかたまってつく。
葉芽

10月
葉芽
葉芽

3月
葉芽
葉痕

河合町
鎌谷で
2011.8月
同属の仲間の樹木  
ハマビワ、バリバリノキは常緑樹       アオモジは落葉樹      
ハマビワ

堺市
大阪府立大学で
2010.11月
ハマビワ
アオモジ

もとは九州、沖縄県に分布するが分布域が次第に北上している

最近は岸和田市でも観察される
アオモジの花

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