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コブシ    辛夷

モクレン科モクレン属
学名:Magnolia kobus
    
花弁は6枚 果実はこぶしを握ったようにでこぼこになる
  属名のMagnoliaはフランス人の植物学者P.Magnolの名から。種小名のkobusは日本語のこぶしから。

  コブシの名は種子が生長して果実の表面が盛りあがり、人のこぶしのように見えるところからついた名とされる。私がはじめてコブシの樹を知ったのも、このゴツゴツした果実はなんだろうということからであった。
  日本ではコブシに辛夷の漢字を当てるが、中国では辛夷はモクレン(シモクレン)を指すそうである。早春に咲くコブシの花は田打ち桜、芋植え花などの農作業の目安となる地方名がある。

  コブシは大阪市などでもよく街路樹として植えられているのを見るが、岸和田市ではその例は少ないようだ。岸和田市では三ヶ山町とんぼ池公園の花木園で見ることができるほか、公園前の
府道230号には街路樹として多数植えられている。また西之内町の春木川緑道にも10株ほど植えられている。
 

  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。高さ15m、直径50cmになる。
花期の樹形

西之内町
春木川緑道で
2010.4月
花期の樹形
樹形

和泉市いぶき野で
2011.10月
樹形
冬の樹形

下野町
春木川緑道で
花期の樹冠

西之内町
春木川緑道で
2010.4月
花期の樹冠
果実をつけた枝

三ヶ山町
とんぼ池公園で
2005.10月
果実をつけた枝
  環境  山野、公園、街路樹、庭木
  雌雄同株。 花期:3〜4月  葉が展開する前に開花する。    
直径約8cmの白い花をつける。花弁は6枚、萼は3枚。芳香がある。
雌性先熟。


西之内町
春木川緑道で
2010.4月
花
花弁の幅が広い花

西之内町
春木川緑道で
2010.4月
花
花弁の幅がせまい花

三ヶ山町
とんぼ池公園で
2007.4月
花
花の中心部

雌しべは緑色の花床の周りにつく
雄しべに比べ細い

雄しべは下部につき淡黄色で幅がひろい

4月
雌しべと雄しべ
時間が経過し雄しべの色が変化した

西之内町
春木川緑道で
2010.4月
変化した雄しべの色
萼は3枚あり小さい

同じモクレン属のハクモクレンシデコブシは萼と花弁の区別がなく花被片と呼ぶが、コブシは花弁と萼の区別がある。
萼
花の下には1枚の小型の葉がある 花の下には小さい葉がある
  互生。
葉身の長さは約10cmで倒卵形〜狭倒卵形。先は急にとがり、ふちは全縁で波打つ感じがある。枝や葉を傷つけると強い香りがある。葉を噛めば辛い。
枝葉
先のほうで葉幅が最大になる

下野町
春木川緑道で
2010.5月
枝葉
葉の表

下野町
春木川緑道で
2010.5月
葉の表
葉の裏

下野町
春木川緑道で
2010.5月
葉の裏
果実  袋果の集合果。      
長さ約8cmで、秋に赤く熟すと裂開し種子をだす。
  若い果実

  6月
若い果実
種子が生長して果皮がもりあがってきた

7月
若い果実
果皮が赤く色づいてきた

10月
色づいた果実
裂開した果実

果皮が割れて種子が出てきた
熟した果実
裂開した果実

果皮が割れて種子が出てきた

西之内町
春木川緑道で
2012.10月
裂開した果実

種子

種子を解剖してみると最外層は朱色の薄い膜状のもの、その内側がやわらかい肉質の層、その内側が黒くてかたい種皮だった。
これらの種皮を外種皮、中種皮、内種皮と呼んでよいのかわからず調べてみると、筑波大学のサイト内 BotanyWEB にモクレン科の種子の解説があった。それによればモクレン科は2種皮性で、外種皮は肉質化してやわらかくこのような種皮を肉質種皮と呼ぶとある。

種子は白い糸状のものに
ぶら下がる

この糸状のものは珠柄、
種糸などと呼ばれる

これは種子を手で引き出して撮影したもの

9月
ぶら下がる種子
種子が出た後

白い糸状のもの(珠柄、種糸などと呼ばれる)を引っ張ると細く伸びてくる
種子が出たあとの種糸
種子は朱色 種子
外側の朱色の部分を取り去った種子

10月
種子の内種皮は黒い
種子はハート型
まん中がへこむ

へこんだ白い部分が種糸につながる
内種皮は黒くかたい
種子の横断面

朱色の外種皮は肉質化してやわらかい
種子を包む肉質の外種皮
樹皮    灰白色でなめらか、皮目がある。
枝を一周する托葉痕がある

托葉痕はハチマキと呼ばれモクレン科に共通する特徴である
托葉痕は枝を一周する
成木の樹皮 老木の樹皮
       成木の樹皮        老木の樹皮
冬芽  花芽は長さ約2cmの長卵形、軟毛におおわれる。
花芽を保護する毛皮のコート(芽鱗)は複数枚あるようだ。 芽鱗が何重にあるのかまだよくわからないが、これまでに撮ったハクモクレン、シモクレンなどの冬芽画像を見ると3重または4重になっているようにみえる。
夏以降に特定の花芽を継続観察してこのことを追究してみたいと思っている。
花芽
前年の9月にはもう花の準備ができている

港緑町で
2011.9月
花芽
花芽
寒い間は暖かいコートを着てすごす

1月
花芽
中のつぼみが大きくなってきた

西之内町
春木川緑道で
2012.3月
葉芽

西之内町
春木川緑道で
2012.3月
頂芽の基部に副芽がつく

西之内町
春木川緑道で
2012.3月
葉痕

西之内町
春木川緑道で
2012.3月
葉痕
葉痕

西之内町
春木川緑道で
2012.3月
葉痕
同属の仲間の樹木  
タムシバ  ハクモクレン  シデコブシ  ホオノキ
オオヤマレンゲ   モクレン
常緑の外国種としてタイサンボクがある

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