HOME、もくじ | 樹木名一覧 | 葉の図鑑 | 花の図鑑 | 実の図鑑 |
画面の文字が小さいときは、メニューバー>表示>文字のサイズ、で文字 を大きくしたり、または拡大レベルを125%にあげるなどしてご覧ください。 |
コミノネズミモチ 小実鼠黐 モクセイ科イボタノキ属 学名:Ligustrum sinense 別名:シナイボタ、ノウコウイボタ、チャイニーズ・プリベット |
属名のLigustrumはイボタノキ属の1種につけられた古名から。 種小名のsinenseは中国のを意味する。 コミノネズミモチとは聞き慣れない名前だが、小さい実のネズミモチということだろう。種小名にあるように原産地は中国、台湾などである。 コミノネズミモチの和名は通称「YList」と呼ばれる「植物和名−学名インデックス YList」に拠った。 本種は園芸ショップでセイヨウイボタ(ヨウシュイボタとも)やプリベットPrivet(誤ってプリペットとも)と誤った名で売られている。植物学ではセイヨウイボタ(ヨウシュイボタとも)はLigustrum vulgareのことであって、園芸界でLigustrum sinenseをセイヨウイボタと呼ぶのは誤りであり、学名どおりに別名のシナイボタとするほうが妥当といえよう。Ligustrum vulgareの葉は本種よりも幅がせまく、果実に光沢があることが特徴で、日本ではあまり見られないという。Ligustrum vulgare についてはDISCOVER LIFEのサイトで画像を参照することができる。 国内でセイヨウイボタの名前で呼ばれている木が本来のLigustrum vulgareではなく、誤ってLigustrum sinenseを指していると理解する人はまだ多くはない。それは園芸業界で長い間Ligustrum sinenseがセイヨウイボタの名で流通してきた背景があり、それが定着してしまったからだ。 植物に関するたくさんのホームページで本種をセイヨウイボタやヨウシュイボタとしているが、間違った情報であるから注意が必要である。 アメリカでは以前本種を生け垣や造園に導入したが、それらが野生化して繁殖し現在は南東部の州で侵略的植物に指定されているそうだ。 岸和田市では公園、施設などの緑地帯、民家の生け垣などでしばしば見かける。 雌雄同株。 |
|
ノウコウイボタの名前 本種の別名ノウコウイボタのノウコウとはなにか興味があり、地名ではないかと推測し調べてみた。 ノウコウイボタは日本が台湾を統治していた時代に台北帝国大学で植物学を研究した正宗厳敬博士が命名したものである。そのことから、台湾に標高3,000m余の能高山(のうこうざん)を含む能高連峰と呼ばれる山域があり、ノウコウとはこれに由来する名前ではないか、というのが私の推測である。 |
|
クリックすると、写真と説明にジャンプします。
樹形 半落葉性低木。高さ7mになる。 |
半落葉性としたが、岸和田市の市街地では常緑で経過する。 |
花期の樹形 港緑町で 2007.5月 |
||
緑のまま越冬した 港緑町で 2013.3月はじめ |
||
花 港緑町で 2006.5月 |
||
実生の幼木 2年生 臨海町で 2006.5月 |
環境 公園樹、庭木、生け垣 |
花 雌雄同株。 花期:6月 |
新枝の先に円錐花序を出し、白い小さな花を多数つける。花冠は長さ5mmほどの筒状ろうと形、中程まで4裂し裂片は平開する。 |
↑ 花をつけた枝 臨海町で 2007.5月 | |
↑ 花序 港緑町で 2006.5月 | |
花 港緑町で 2006.5月 |
||
雌しべは花冠から少し突き出る 雄しべ2本は花冠から長く突き出る 別所町で 2011.5月 |
||
葉 対生。 |
葉身の長さは5cm内外、楕円形~広卵状楕円形。先はにぶく、ふちは全縁。葉柄の長さは1cm以下で紫褐色をおびることが多い。 |
↑ 新しい枝葉 港緑町で 2007.5月 | |
↑ 枝葉 堺市大阪府立大学で 2010.11月 | |
表面 港緑町で 2008.12月 |
||
裏面 港緑町で 2012.2月 |
||
裏面の基部 港緑町で 2012.2月 |
||
果実 核果様。 |
直径約6mmほどの球形、秋に黒紫色に熟す。 |
↑ 果序 堺市大阪府立大学で 2010.11月 | |
↑ 果実 港緑町で 2008.12月 |
黒くなりはじめた 堺市 大阪府立大学で 2010.11月 |
||
熟した果実 港緑町で 2008.12月 |
||
|
||
種子 |
( 画像 準備中 ) | ||
樹皮 灰褐色でなめらか。 |
横に長い皮目がある。新枝には毛が多い。 |
毛が密生する新枝 港緑町で 2012.2月 |
||
成木の樹皮 直径10cm 横長の皮目が多い 大阪市住吉区で 2006.11月 |
||
冬芽 芽鱗に毛が密生する。 |
冬芽 港緑町で 2008.12月 |
||
同属の仲間の樹木 |
イボタノキ ミヤマイボタ オオバイボタ ヤナギイボタ トウネズミモチ ネズミモチ |
園芸店で斑入りプリベットの名で販売されているものは本種の品種である。 |
|
HOME、もくじ | 樹木名一覧 | 葉の図鑑 | 花の図鑑 | 実の図鑑 |
このホームページ内の文章、画像の転載は禁止です。
Copyright(c) 2010 Kigi@Kishiwada All rights reserved.