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クロバイ    黒灰 

ハイノキ科ハイノキ属
学名:Symplocos prunifolia

別名:トチシバ、ソメシバ、ハイノキ  
枝先
  属名のSymplocosは雄しべの基部が合着するの意。種小名のprunifoliaは葉がサクラに似ているの意。

  5月のゴールデン・ウィークの頃に阪南市の山あいを車で走っていて、山腹のあちこちで樹冠が花でまっ白になったクロバイの木を見たことがあるが、葉の色も見えないほどの花盛りであった。
  クロバイの名は灰を染色の触媒としたところからの名であり、同属のハイノキにくらべて葉の色が濃く、木全体の感じが暗く見えるからという。
  別名のトチシバの名の由来は次のように考えられる。
週刊朝日百科「世界の植物」1977 のクロバイの項に、「貝原益軒の『大和本草』に、クロバイの煎汁で淡黄色に染めて四角に切った餅は博多でトチモチといっておいしいものだと書いている(倉田悟)」とある。そのトチモチをつくる際に使う柴
(背の低い雑木)だからトチシバと呼んだのであろう。
  ソメシバの名は、布を染めるのに利用したからであろう。ハイノキの別名は、別にその名の樹木があるのだがクロバイとクロキを区別せずに呼んだ名のようである。

  岸和田市では和泉山脈の麓にあたる相川町、塔原町、大沢町 の山地で見ることができる。神於山や内畑町山直神社の森にも多い。樹形の項、3枚目の写真は流木町今池で撮影したものであるが、丘陵地の常緑樹林でもよく見る。手近なところでは流木墓地公園にも多いので観察しやすい。


  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑中高木。高さ約10m、直径30cmになる。
樹形

流木墓地公園で
2008.4月
樹形
樹形
うしろのクスノキにくらべ木全体がたしかに暗く見える

流木墓地公園で
2006.12月
樹形
花期には樹冠がまっ白になる

流木町今池で
2009.4月
花期の樹形
花で白くなった樹冠
上方にみえる木もクロバイ

泉南市で
2009.4月
花期の樹形

   枝
若い木の枝葉

岬町みさき公園で
2007.10月
若い木の枝葉
乾燥地の個体

和歌山県白浜町で
2007.2月
乾燥地の個体
花をつけた枝

流木墓地公園で
2008.4月
花をつけた枝
花つきのよい枝

泉南市で
2009.4月
花でまっ白な枝
果期の枝

流木墓地公園で
2011.10月
果期の枝
  環境  低山地の照葉樹林
   雌雄同株。 花期:4〜5月      
葉のわきから長さ約5cmの総状花序を出し、白い花を多数つける。
花には芳香がある。花冠は直径約8mmで、5深裂する合弁花。
花芽
まるいのが花芽で花序が入っている

先のとがっている
のは葉芽

12月
花芽
花序が伸びてきた

米つぶのようなもの
がひとつの花である

4月  
花序の伸長
開花がはじまった花序

4月
開花
花ざかりの枝

流木墓地公園で
4月
花ざかりの枝
葉がみえないほどの花

4月
      花序

      4月
雄しべは多数
雌しべは花の中心にみえる先が緑色のもの

4月
花のアップ
  互生。     
葉身の長さは約6cmで、長楕円形。革質で、先は尾状に短くとがる。ふちに低い鈍鋸歯がある。表面は光沢があり、両面無毛。葉柄は赤味を帯びることが多い。
枝先
葉柄があかい

10月
枝先
若い木の枝先

内畑町
山直神社で
2月
若い木の枝先
葉の表

低い鋸歯は波状にみえる

9月
葉の表
葉の裏

主脈が隆起する

2月
葉の裏
幼木では幅が広い葉もある

内畑町
山直神社で
2月
幅がひろい葉
鋸歯は波状で低い 鋸歯のようす
側脈の先は鋸歯に届かずとなりの側脈と室をつくる 側脈のようす
果実  核果。
長さ約7mmの楕円形で、寒くなると黒く熟す。先に萼片がのこる。
若い果実

和歌山県白浜町で2007.6月
若い果実
果実がすこしふとってきた

流木墓地公園で
2007.9月
若い果実
熟してきた果実

流木墓地公園で
2011.10月
果実
黒い果実は熟したもの
緑色のものは未熟な果実

流木墓地公園で
2011.10月
果実
地面に落ちていた果実
奥のものは熟して
黒くなっている

土生滝町
神於山で
2006.1月
熟してきた果実
果実の先に萼片が残りその内部がへこんだようすはウスノキの果実に似ている

流木墓地公園で
2011.10月
果実の先端

種子   長さ約6mmで細長い
大きさは2×6.5mmだった 種子
樹皮  黒褐色で皮目が多い。
若い枝の樹皮

流木墓地公園で
2012.3月
枝の樹皮
幼木の樹皮 若い木の樹皮
            幼木の樹皮  直径2cm     若い木の樹皮  直径8cm
成木の樹皮 成木の樹皮
     成木の樹皮        成木の樹皮
冬芽  
葉芽は細長くとがり、あかい。枝の先につく。
花芽はまるく、葉のわきにつく。
冬芽

流木墓地公園で
2011.10月
冬芽
葉芽
葉柄は紫褐色

土生町神於山で
2006.1月
葉芽
花芽はまるく花序が入る
先のとがったものは葉芽

和歌山県白浜町で2007.2月
花芽と葉芽
同属の仲間の樹木 
シロバイ   ハイノキ   カンザブロウノキ   ミミズバイ
クロキ
は山口県以西の西日本にはふつうだが近畿地方には分布しない
クロキの枝葉

福岡県
北九州市で
2012.11月
クロキ

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