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クスノキ 楠木、楠、樟 クスノキ科クスノキ属 学名:Cinnamomum camphora 別名:クス |
属名のCinnamomumはシナモン、肉桂の木を指す。種小名のcamphoraは樟脳の意。 属名のシナモンが表すように、クスノキの葉をちぎると独特の匂いがする。これが樟脳の匂いである。同属のヤブニッケイもよく似た匂いがあるので、葉だけでは区別しにくいことがあるが、そんな時には果実や樹皮を観察すれば容易に区別できる。(下記の各項を参照) クスノキは丈夫な樹で樹齢1000年以上のものもあるという。国内最大のクスノキは鹿児島県の「蒲生の大クス」として知られるもので、樹齢800年以上、高さ30m、直径7m余といわれる。 葉には光沢があり照葉樹林の主な構成樹種である。5月頃のクスノキの新緑は、まぶしいほどに輝いて生命力に満ち溢れている。 クスノキは国内に自生するか否かで諸説があるが、朝日新聞社発行の週刊朝日百科「世界の植物」(1977)に興味深い記事があるので、紹介しておこう。『日本に古くからクスノキがあったことは、徳島県で2万5千年前のクスノキ材の遺体が発見されていることから明らかである。』 岸和田市では、1968年市制施行45周年を記念してクスノキを市の木に選定した(岸和田市公式ホームページより)。 稲葉町菅原神社のクスノキが市の天然記念物に指定されており高さ30m、幹回り5m、樹齢100年以上とされる。積川神社(積川町)、朝陽小学校(上野町西)、弥栄神社(八幡町)にも大木がある。北町中央保育所の裏にも大きい樹があったが、一帯が駐車場に整備される際に太い枝を伐られてしまい元の樹形が失われてしまった。しかし駐車場になったおかげでその幹周りを測ることができ、周囲3.8m、直径1.2mの大木であることがわかった。 クスノキの野生のものは山野でもふつうに見るが、市街地でも舗道脇の緑地の植え込みのなかに芽生えてきた幼木を見ることも珍しくない。 雌雄同株。 |
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樹形 常緑高木。 |
高さ20m以上、直径2mになる。巨木では高さ30m以上、直径3m以上になる。 |
樹冠のようす 和歌山市で 2008.5月 |
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老木の根元 大阪市 住吉神社で 2005.2月 |
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幼木の枝は紅紫色を帯びる 流木町の丘陵で 2009.2月 |
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高さ10cmほどの幼木 このような幼木は以外にクスノキの下にはみられない 兵庫県姫路城で 2009.3月 |
環境 山野、社寺の境内、公園、街路樹 |
花 雌雄同株。 花期:5〜6月 |
新葉のわきに円錐花序を出し、小さい花をつける。 花は直径約5mmで黄白色、花被片は6枚。 |
花をつけた枝 臨海町で 2007.5月 |
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花序のようす 臨海町で 2007.5月 |
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花 花被片は6枚 臨海町で 2007.5月 |
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葉 互生。 |
葉身の長さは約8cmで、卵形〜楕円形。幼木では長楕円形もある。 先は鋭くとがり、ふちは全縁。うすい革質で、両面無毛。表面は光沢があり、裏面は灰白色。基部から伸びる3行脈(主脈と左右の2本の支脈)が目立つ。葉をちぎると樟脳の匂いがする。 |
葉の表 光沢がある 西之内町 中央公園で 2008.9月 |
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葉の裏 西之内町 中央公園で 2008.9月 |
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表から見たダニ部 屋 支脈が分岐するところにふつうダニ部屋と呼ばれるものがあり、なかにダニが住み着く ごく若い木にはまだダニが住んでいない葉が見られる |
裏から見たダニ部屋 |
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幼木の葉にはダニ部屋がない 地蔵浜町 浜工業公園で 2010.8月 |
常緑樹だが、葉は紅葉することもある 地蔵浜町 浜工業公園で 2005.11月 |
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新葉は赤っぽいものと緑のものがある 伐採された株から芽吹いたひこばえ 西之内町 中央公園で 2009.1月 |
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赤い新葉 滋賀県 甲賀市信楽町で 2010.5月 |
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葉の寿命は1年 新葉が展開する時期に落葉する |
( 画像 準備中 ) | |
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葉によるクスノキとヤブニッケイの区別 |
クスノキとヤブニッケイの葉はどちらも3行脈があり匂いも似るので、 区別が難しい時があるが、ダニ部屋の有無で区別できることが多い。 |
クスノキ | ヤブニッケイ | |
支脈が分岐するところにダニ部屋 と呼ばれるものがある |
ダニ部屋がない |
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果実 液果。 |
直径約8mmの球形で光沢があり、夏は緑色で秋に黒紫色に熟す。果床は鐘形。 |
若い果実 三ヶ山町 とんぼ池公園で 2006.9月 |
果床は鐘形 三ヶ山町 とんぼ池公園で 2006.9月 |
果実は黒紫色に 熟す 1月 |
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果実によるクスノキとヤブニッケイの区別 |
クスノキとヤブニッケイの葉はどちらも3行脈があり、匂いもよく似るが 果実を比較すると容易に区別できる。 |
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クスノキ 果実は球形 果床は鐘形 果床につづく柄は肥厚する |
ヤブニッケイ 果実は楕円形が多い 果床は杯形 果床につづく柄は肥厚しない |
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種子 |
果実(左)と種子(右) 種子は球形で突起がある 11月 |
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種子 10月 |
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樹皮 暗褐色で、たてに割れる。 |
若い枝は緑色 | 直径20cmの木 | 直径40cmの木 |
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樹皮によるクスノキとヤブニッケイの区別 |
クスノキとヤブニッケイの葉はどちらも3行脈があり、匂いも似ているが 樹皮を比較すると容易に区別できる。 |
クスノキ たてに割れる |
ヤブニッケイ 平滑でなめらか |
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冬芽 |
長卵形で先はとがり、鱗片は瓦を重ねた状態。赤味を帯びる。 |
冬芽は赤味を帯びる 12月 |
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芽が動きだした 3月 |
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同属の仲間の樹木 |
ヤブニッケイ マルバニッケイは九州、沖縄県に分布する ニッケイ、シバニッケイは南西諸島に分布する |
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