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マツグミ  松茱萸

ヤドリギ科マツグミ属
(新しい分類体系APGVではオオバヤドリギ科とされる)
学名:Taxillus kaempferi
果実 葉はへら形
  属名のTaxillusの意味を調べると a small die とする海外のサイトがあった。ヤドリギが寄生する木の樹皮に食い込んだ状態を指すのかと推測したのだが確証は得ていない。種小名のkaempferiは19世紀ドイツの植物学者 E.Kaempferの名から。日本にも滞在して植物を研究し、カラマツ、ヤマツツジなどに名を残している。

  名前の由来はマツに寄生して果実がグミに似るからとされる。図鑑やウェブページでマツグミの写真を見ることはあっても、フィールドではなかなか出会えなかった。大阪南部では和泉市槙尾山、泉佐野市犬鳴山などの尾根筋でマツに寄生したものがあるとは聞いていたが、わざわざマツグミを探しに行くこともせずにいた。
  ところが岸和田市内で偶然マツグミに出会うことができた。2009年2月にイチイガシを観察しに内畑町の山直神社に出かけた時のことだ。神社の境内に見たこともない小さな果実が落ちていた。前日に吹いた強風のせいで落果したと思え、どの木から落ちたのか上を見上げるのだがそれらしい樹木は見あたらない。落ちていた緑色の果実と、そばに落ちていたこれも見たことがない葉を持ち帰った。2月という厳寒期に緑色の果実をつける樹を思いつかず、帰宅後図鑑で調べてもわからなかった。「このきなんのき掲示板」で果実の写真を添えて尋ねるとすぐに教えてくださるかたがあった。マツグミだったのだ。

  マツやモミ、ツガなどのマツ科の樹木に寄生するとされるが、これらの樹は高木になるから双眼鏡を手にしてその気で探せば別だがふつうはマツグミの存在に気づくことはないだろう。山直神社のマツグミも偶然強風が吹き荒れた翌日に行ったから落果を見ることができたが、そうでなければ今でも図鑑上の樹木であったろう。

  岸和田市ではまだ山直神社のものしか見ていない。


  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  半寄生の常緑小低木。高さ5mになり、よく分枝する。
ツガの木に寄生した樹形

内畑町
山直神社で
2009.5月
樹形
   環境  マツ、モミ、ツガなどの針葉樹に寄生する
   雌雄同株。 花期:7〜8月    
葉のわきに短い散形花序を出し、赤い筒形の花が数個つく。
( 画像 準備中 )
  ふつう対生、一部互生する
葉身の長さは約3cm、倒披針形〜狭長楕円形のへら形。革質でやや多肉質。先はまるく、ふちは全縁。基部はしだいに狭くなり葉柄に流れる。葉柄の長さは1mmほど。
   葉の表

   5月
葉の表
   葉の表

   2月
葉の表
葉の裏
はじめ濃褐色の毛があるがすぐに無毛になる

5月
葉の裏
葉表の基部

5月
葉表の基部
葉裏の基部
地面に落ちて時間が経過し乾燥している

5月
葉裏の基部
果実   液果。
直径約5mmの楕円状球形、翌年の春に赤く熟す。種子が1個入る。種子のまわりに粘液質があり、他物に付着する。
地面に落ちていた果実
このあと春には赤く熟す

内畑町
山直神社で
2009.2月
落ちていた果実
果実の表面

2月
果実の表面
果実の先端には花被の落ちたあとが残る

2月
果実の先端
果実の基部

2月
果実の基部
果実の横断面
中心部の白いところが種子でそのまわりの透明にみえる部分が粘液質

2月
果実の横断面

種子
長さ3mmほどの卵形
白色 
( 画像 準備中 )
樹皮  褐色。
若い枝ははじめ褐色の短毛が密生するが、のち無毛になる。
( 画像 準備中 )
冬芽  
( 画像 準備中 )
同属の仲間の樹木  日本ではマツグミ属はマツグミだけが知られる

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