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ムクノキ  椋の木

ニレ科ムクノキ属
(新しい分類体系APGVではアサ科とされる)
学名:Aphananthe aspera

別名:ムク、ムクエノキ、モク、モクエノキ    
葉は2列に互生する 果実は黒紫色に熟す
  属名のAphanantheは目立たない花の意。種小名のasperaはざらついたの意。

  ムクノキはエノキと同じように神社の境内や人里近くの雑木林に多い樹木で、果実が甘く食べられることも共通している。私がまだこどもの頃、母からムクノキの実は干し柿の味がすると聞いたが、口に入れると非常に甘い。エノキの果実に比べて糖度はかなり高いようだ。ハトがよく食べているが、ご馳走の部類にはいるのではないだろうか。こうして鳥に食べられることで種子が散布され、市街地でも民家の庭や空き地でひとりでに生えてきたムクノキを見ることがある。
  葉をさわると両面とも非常にざらつくが、以前はこのざらつきをヤスリとして漆器の木地やべっ甲などを研磨するのに用いたという。ざらざらするのは葉の表面に主成分である珪酸を含むからだそうで、珪酸はガラスの主成分だからかたいのも道理である。ススキなどのイネ科の葉の表面がかたくてざらつくのも同じことであるらしい。

  岸和田市では丘陵から山地で野生のものをふつうに見ることができる。市街地では西之内町兵主神社境内のバス道路寄り、地蔵浜町浜工業公園、三ヶ山町とんぼ池公園、別所町宮の池公園などで見ることができる。岸野町いながわ療育園横の小さな公園では根元が板根状に広がった例を見る。沼町の小さなお堂では老木といってもよい大きな個体を見た。市街地の思わぬところで成木を見かけることがあるが、宮本町古城川そばの斜面にかなり大きい個体が数本並んでいてこれらはおそらく野生だと思われる。
  また阿間河滝町奥家のムクノキ、積川町積川神社のムクノキが市の天然記念物に指定されている。積川神社のムクノキは樹齢800年ともいわれる。
(下記写真)


  雌雄同株、雌雄異花。

クリックすると、写真と説明にジャンプします。

樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉高木。
高さ20m、直径1mほどになる。幹は直立する。
樹形

岸野町
いながわ療育園横の公園で
2005.8月
樹形
冬の樹形

別所町
宮の池公園で
2014.3月
冬の樹形
樹形
市の天然記念物

積川町
積川神社で
2007.5月
積川神社の古木
老木

三重県松阪市
飯高町の水屋神社で
2004.9月
古木の樹形
枝葉

流木墓地公園で
2011.10月
枝葉
枝葉は2列に互生する

流木町
今池の近くで
2009.7月
枝葉
2年生の幼木

地蔵浜町
浜工業公園で
2010.8月
2年生の幼木
 環境  山野の日当たりのよい適湿地、公園、
       神社の境内、雑木林
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:4〜5月    
葉の展開と同時に開花する。新枝の上部に1〜2個の雌花が、下部に雄花が集散状につく。
枝の先に雌花
その下部に雄花序がつく

別所町
宮ノ池公園で
2014.4月
雌花と雄花の位置

    雌花  雌花の花被は長さ3mmほどの筒形、花被片は5枚。
花柱は2裂し柱頭に白い毛が密生する。
新枝の先につく

近寄ってよく見ないと気づきにくい

別所町
宮ノ池公園で
2014.4月
雌花の位置
花柱は2裂する

別所町
宮ノ池公園で
2014.4月
花柱は2裂する

   雄花  花被片は長さ2mmほどの楕円形、5枚。
雄しべは5本。
雄花

別所町
宮ノ池公園で
2014.4月
雄花
雄花序

別所町
宮ノ池公園で
2014.4月
雄花序
開きはじめた雄花

地蔵浜町
浜工業公園で
2006.4月
雄花
雄花

地蔵浜町
浜工業公園で
2006.4月
雄花の葯
雄花の雄しべは5本

地蔵浜町
浜工業公園で
2006.5月
雄花
時間が経過した雄花

地蔵浜町
浜工業公園で
2010.4月
雄花
  2列に互生する。
葉身の長さは7cm内外、卵状披針形〜卵状長楕円形。質は紙質。両面とも短い伏毛があり非常にざらつく。先は尾状に長くとがり、ふちは基部を除いて鋭い鋸歯がある。3行脈(葉の基部から伸びる3本の脈)が目立つ。側脈は平行して伸び、鋸歯の先に達する。                
2列に互生する枝葉

流木町
今池の近くで
2009.7月
枝葉
葉の表

別所町で
2008.11月
葉の表
葉の表

流木町で
2009.7月
葉の表
葉の裏

8月
葉の裏
葉の裏

流木墓地公園で
2011.10月
葉の裏
表面の伏毛

流木町
今池の近くで
2009.7月
表面の毛
裏面の伏毛

流木町
今池の近くで
2009.7月
裏面の毛
側脈の先は鋸歯に達する 側脈の先は鋸歯に達する
  葉柄の毛

  7月
葉柄と葉裏の毛
   新葉

   4月
新葉
 新葉の鋸歯

 4月
新葉の鋸歯
果実   核果。
直径約1cmの卵状球形、10月に黒紫色に熟す。表面に微毛がある。花柱は宿存する。果肉は甘く、食べられる。干し柿に似た味がするといわれる。
果実をつけた枝
        ↑ 果実をつけた枝      流木墓地公園で 2011.10月
若い果実

地蔵浜町
浜工業公園で
2008.6月
若い果実をつけた枝
若い果実
柱頭が残る

地蔵浜町
浜工業公園で
2008.6月
若い果実
若い果実
表面に微毛がはえる

高石市高砂公園で
2005.6月
若い果実
若い果実

地蔵浜町
浜工業公園で
2006.7月
若い果実
色づいてきた果実

三ヶ山町
とんぼ池公園で
2005.10月
色が変わってきた
熟した果実

西之内町
兵主神社で
2008.11月
熟した果実をつけた枝
熟した果実

西之内町
兵主神社で
2008.11月
熟した果実

  核
長さ8mmほどの球形先端に白い種枕がある
表面は珪酸におおわれ堅い

子葉はうず巻状
核
樹皮  灰褐色でなめらか。
小さい皮目がたてに並び、すじになる。老木になると短冊状にはがれそり返る。幹の基部は板根状に広がることがある。
皮目がたてに並びすじになる なめらかな樹皮
  若い木の樹皮       成木の樹皮
若い木の樹皮 割れてきた樹皮
  比較的若い木の樹皮       成木の樹皮
老木でははがれる 古木の樹皮
    はがれる樹皮       老木の樹皮
新枝は葉柄とともに毛が密生する 新枝の毛
板根状にひろがった根元

岸野町
いながわ療育園横の公園で
2005.8月
板根状に広がった根元
冬芽  
長さ5mmほどのやや扁平な長卵形。枝に密着する。芽鱗は6〜10枚、伏毛がある。
冬芽

1月
冬芽
側芽は枝に密着する

1月
側芽
頂芽

1月
頂芽
動き出した冬芽

3月
動き出した冬芽
葉痕は三角形

維管束痕は3個

地蔵浜町
浜工業公園で

2014.12月
      
同属の仲間の樹木   
日本ではムクノキ属はムクノキだけが知られる

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