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| ナナミノキ 七実の木 モチノキ科モチノキ属 学名：Ilex chinensis 別名：ナナメノキ |
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| 属名のIlexは西洋ヒイラギの古名。種小名のchinensisは中国のを意味する。 ナナミノキにはじめて出会ったのは河内長野市にある府立花の文化園であったが、別名のナナメノキと表示された名札が幹に斜めに掛かっていたので思わず笑ってしまったことがある。 梅雨のころに咲く紫色の花か、または冬にクロガネモチに似た赤い果実をつけるナナミノキは山地でも目立つ樹だが、それらのない時期にはあまり目立たないものの、厚みのある葉の特徴を覚えてからは常緑樹林でもわりあい見わけやすいように思う。クロガネモチと同じで葉柄が紫色をおびることが多く、低い鋸歯があること、葉先が欠けていることが多い点などが特徴である。 岸和田市では流木町などの丘陵地から和泉山脈の麓にあたる相川町、塔原町、大沢町の山地で見かける。河合町の中の谷にも多い。観察しやすいのは市の天然記念物である稲葉町菅原神社の社叢だ。神社に沿う道路わきに2本の雌株があり、道路からも観察できる。塔原町モツ谷では雄花を撮影した雄株の成木がある。 市街地でナナミノキを見つけた時は驚いたが、上野町東にある岸和田拘置支所駐車場の西の隅に雌株の成木がある。初めてこの樹を見たときはぽつぽつと果実が認められた。手近なところで雌花を観察できると思うと非常に有り難い。 雌雄異株。 |
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| 樹形 常緑高木。 |
| 幹は直立し、高さ10ｍ、直径30ｃｍほどになる。 |
| 樹形 流木町の里山で 2006．1月 |
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| 若い個体 大沢町シガ谷で 2007．10月 |
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| 果期の樹形 稲葉町 菅原神社で 2014．2月 |
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| 果実をつけた枝 稲葉町 菅原神社で 2014．2月 |
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| 花期の新枝 塔原町モツ谷で 2008．6月 |
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| 開花直前の枝 雌株 熊取町煉瓦館で 2014．5月 |
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| 環境 常緑樹林内 |
| 花 雌雄異株。 花期：６月 |
| 新枝の葉のわきに集散花序を出し、淡紫色の花をつける。雌花序は少数、雄花序は多数の花がつく。花は直径5ｍｍほど、花弁は4〜5枚。 まれに両性花があるという。 |
| 雌花 |
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| ↑ 開花がはじまった 熊取町煉瓦館で 2014．5月 | |
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| ↑ 雌花 熊取町煉瓦館で 2014．5月 | |
| 雌しべと退化した雄しべがある 花柱がなく柱頭は１個 熊取町煉瓦館で 2014．5月 |
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| 雌花 熊取町煉瓦館で 2014．5月 |
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| 雄花 |
| 雄花序 塔原町モツ谷で 2008．6月 |
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| 雄花序 塔原町モツ谷で 2008．6月 |
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| 雄花 雄しべは４本 退化した雌しべが ある |
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| 雄花 葯は花粉を出して いる |
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| 葉 互生。 |
| 葉身の長さは約８ｃｍで、長楕円形〜長卵形。先はやや尾状に伸びて、ふちに浅い鋸歯がある。やや革質で両面無毛。葉柄は長さ１ｃｍ余で紅紫色をおびることが多い。 |
| 枝葉 大沢町シガ谷で 2007．10月 |
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| 枝先に集まった葉 熊取町で 2013．1月 |
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| 新葉の表 ６月 |
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| 葉の表 深緑色で光沢が ある 葉の先を欠くことが多い １月 |
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| 葉の裏 主脈が隆起する |
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| 幼木の葉 樹林内で暗いために葉が大きい 鋸歯が大きい |
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| 上の写真の葉の鋸歯 |  |
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| 果実 液果。 |
| 長さ約１ｃｍの広楕円形で秋に赤く熟す。なかに４〜５個の核が入る。 |
| 果実をつけた枝 この年は隔年結実の生り年にあたるようだ 奈良県天理市 大和神社で 2006．1月 |
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| 果実は集散状に かたまってつく 奈良県天理市 大和神社で 2006．1月 |
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| 枝ごと落ちた果実 貝塚市 水間寺で 2008．3月 |
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| 若い果実をつけた枝 貝塚市 水間寺で 2011．6月 |
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| 若い果実をつけた枝 貝塚市 水間寺で 2011．6月 |
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| 若い果実 貝塚市 水間寺で 2011．6月 |
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| 核 | ||
| 長さ8mmほどの 三角状長楕円形 縦の稜（紙の折り目のような線状の隆起）が１本ある |
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| 樹皮 灰褐色でなめらか。 |
| 新枝は無毛、灰緑色で稜（紙の折り目のような線状の隆起）がある。 |
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| 若い木の樹皮 直径12ｃｍ | 成木の樹皮 直径15ｃｍ | |
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| 成木の樹皮 直径20ｃｍ | 成木の樹皮 直径25ｃｍ | |
| 冬芽 円錐形で紅紫色。芽鱗は２〜３枚で肉質。 |
| 若い木の冬芽 ３月 |
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| 成木の冬芽 ３月 |
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| 同属の仲間の樹木 モチノキ属のなかで常緑のものを下に挙げた |
| ソヨゴ クロソヨゴ クロガネモチ モチノキ イヌツゲ ツゲモチ タラヨウ |
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