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ナワシログミ  苗代茱萸

グミ科グミ属
学名:Elaeagnus pungens   
白い花がたれ下がる 果実は春先から赤くなる
  属名のElaeagnusは果実がオリーブに似るの意。種小名のpungensはとげがあるの意。

  ナワシログミの名は、農事で苗代をつくるころに熟して食べられるのでついた名前だとされる。海岸近くに多い樹である。こどもの頃春休みに従姉妹の家に泊まりに行き海のそばの林でこのナワシログミの果実をたくさん食べた思い出があるが、4月の初めにはもう赤くなった果実もあったのである。
  グミ属の多くは落葉樹であるが、本種は3種ある常緑グミのひとつである。あとの2種はツルグミオオバグミ(マルバグミ)である。
  秋に開花し翌年の初夏に果実が熟すが、10月末に港緑町の公園で見たナワシログミは枝という枝に白い花をいっぱいつけていた。写真を撮ろうと木に近づくと香りがする。けっこう強い匂いである。花を接写しようと枝に顔を寄せると、きついぐらいに感じる香りだ。

  岸和田市では丘陵地から山地でふつうに見るが、港緑町の港湾局横の公園に数株植えられておりそこで手軽に観察することができる。その他、民家の生け垣でほかの木といっしょに植えられているものを見ることがある。


  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑低木。
高さ3mほどになる。密に分枝して全体が藪のようになる。徒長枝(勢いよく長く伸びる枝)は柔らかく折れにくい。
   樹形

   港緑町で
   2005.8月
樹形
樹形
崖の上から幹が斜めに伸びた

河合町本谷で
2007.3月
山地の古木
枝は密に分枝する

港緑町で
2007.3月
やぶのように茂る枝葉
勢いよく伸びる枝

大阪市住吉区で
2005.1月
徒長枝は非常に長く伸びる
花をつけた枝

港緑町で
2009.10月
花をつけた枝
果実をつけた枝

港緑町で
2005.3月
果実をつけた枝
   環境  海岸近く、丘陵地〜山地
   雌雄同株。 花期:10〜11月    
葉のわきに淡黄褐色の花が数個つく。花弁はなく、萼筒の先が4裂し花弁のようにみえる。萼筒の長さは約6mm、4個の稜(紙の折り目のような線状の隆起)があり基部はくびれる。

萼筒の先が開ききる前

港緑町で
2007.11月
花
開きはじめの花は萼筒の内側が淡黄色

港緑町で
2007.11月
萼筒の内側は黄色い
花はたれ下がる

萼筒の外面に銀色の鱗状毛が密生し褐色の鱗状毛がまじる
花はたれ下がる
雄しべは4本

港緑町で
2009.10月
花
雌しべの柱頭がみえる
花柱は細く長い

10月
雌しべの柱頭がみえる
雌しべと4本の雄しべがみえる

兵庫県篠山市で
2011.10月
雌しべと雄しべ
  互生。
葉身の長さは約7cm、楕円形〜狭披針形で形は変化が多い。質は革質でかたい。先は円頭または鋭頭、ふちは強く波打ち鋸歯があるようにみえる。ふちは裏側に巻く。葉柄は長さ1cmほどで褐色の鱗状毛が密生する。
枝葉

港緑町で
2009.7月
枝葉
葉の表
はじめ銀色の鱗状毛が密生する
葉表ははじめ銀色の鱗状毛が密生する
葉の表
鱗状毛はしだいに落ちる
鱗状毛がしだいに落ちてきた
葉の表
鱗状毛はほとんど落ちて光沢のある深緑色になる
葉表の鱗状毛が落ちると深緑色になる
葉の裏
銀色の鱗状毛が密生し褐色の鱗状毛がまじる
主脈は褐色の鱗状毛が密生する
葉の裏は銀色にみえる
葉の表面の鱗状毛 葉の表面の鱗状毛
葉の表面の鱗状毛 葉の表面の鱗状毛
葉の表面の鱗状毛 葉の表面の鱗状毛
果実   核果のような偽果。
長さ1.5cmほどの長楕円形で、5〜6月に赤く熟す。
熟した果実は甘味があり、食べることができる。
偽果とは−−がく筒の下部が肥厚して液質多肉となりここを食べることができる。内にある種子のような核が果実である。
若い果実をつけた枝

港緑町で
2007.3月
若い果実をつけた枝
少し赤くなってきた

港緑町で
2007.3月
色づき始めた果実
果皮に褐色の鱗状毛が残る
先端に萼筒の上部が残る

3月はじめ
若い果実
大きくなってきた

3月下旬
大きくなってきた果実
赤く色づいてきた

4月はじめ
色づき始めた果実
かなり赤くなった
これぐらい熟すと食べられる

4月
赤くなった果実
果実の横断面

内部は白い2個の子葉が向きあっている

果肉の一部がないのは切断する時に圧が加わってつぶれてしまった
果実の横断面

 果実    種子のようにみえるが、グミ類はこれが果実である。
長さ1cm余の紡錘形
たてに8個の溝が
ある

右のもので大きさは5mm×12mm
種子
樹皮  灰褐色。
まるい小さな皮目が多い。古木ではたてに割れてはがれる。
若い枝は褐色の鱗状毛におおわれる 若い枝の鱗状毛
小枝はトゲのようになることが多い トゲ状の小枝
成木の樹皮 樹皮の皮目
     成木の樹皮       まるい皮目が多い
古木の樹皮
  古木の樹皮はたてに割れる
冬芽  裸芽。
3枚の幼葉が向かいあってつく。褐色の鱗状毛におおわれる。
冬芽

3月
冬芽
同属の仲間の樹木  グミ属のなかで常緑のものを下に挙げた
ツルグミ   オオバグミ(マルバグミ)

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