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ネズミモチ  鼠黐

モクセイ科イボタノキ属
学名:Ligustrum japonicum
別名:タマツバキ   
    
果実は熟すと黒くなる
  属名のLigustrumはイボタノキ属の1種につけられた古名から。種小名のjaponicumは日本産の意。
  別名のタマツバキは地域によってマサキモッコクアオキなどを指しており、ネズミモチがタマツバキと呼ばれる由来はいろいろ調べてみたが不明である。

  ネズミモチの名は果実がネズミの糞に似て、葉がモチ(モチノキ)に似るところからついたといわれる。古くはネズミモチノキと呼ばれ、平安時に編纂された事典である和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)にその名がみえるという。今どきネズミの糞を見ることはなかなかないと思うが、自分がこどもの頃には見たことがあるように思う。それで 「ネズミの糞に似て・・」 と書かれているのを読んで納得できたのだろう。
  花には芳香があり円錐花序にたくさんの花をつけるので、道を歩いていても風にのってその香りが漂ってくることがある。花時には多くの昆虫が集まる。また果実は鳥がよく食べるため、種子が運ばれてあちこちで実生の木が育つ。民家の庭でもいつの間にか生えてきて、なんの木だろうという話をよく聞く。
  材は緻密で道具の柄、杖などに利用する。樹皮と葉を民間で傷薬、腹薬にするというが、現在ではそんな利用の仕方をする人もいないのではないだろうか。

  岸和田市では丘陵から山地でふつうに見かける。林内の暗い場所でもよく育つようである。市街地では別所町宮の池公園、地蔵浜町浜工業公園などに植えられている。


  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

葉によるネズミモチとトウネズミモチの区別
果実によるネズミモチとトウネズミモチの区別

樹形  常緑小高木。
高さ5mほどになる。よく分枝する。
樹形
下枝が払われて本来の樹形とは異なる

地蔵浜町
浜工業公園で
2007.6月
樹形
果実をつけた枝

大阪市天王寺区で
2008.2月
果実をつけた枝
   環境  山地、公園、庭木、生け垣
   雌雄同株。 花期:6月    
新枝の先に長さ8cmほどの円錐花序を出し、白い小さな花を多数つける。花冠は長さ5mmほどの筒状ろうと形、中程まで4裂し裂片は平開する。
   つぼみ

   西之内町
   兵主神社で
   2007.4月
つぼみ
   花序

   相川町で
   2009.6月
花序は円錐形になる
 花

 別所町
 宮の池公園で
 2005.5月
花序は白い小さな花が多数つく
   花

   相川町で
   2009.6月
花
  花

  別所町
  宮の池公園で
  2005.5月
花
雌しべと雄しべ2本は花筒から少し突き出る

相川町で
2009.6月
雌しべと雄しべは花冠から突き出る
  対生。
葉身の長さは約6cm、楕円形〜広卵状楕円形で厚い革質。先はとがりふちは全縁。両面無毛。葉柄の長さは8mmほど、紫褐色をおびることが多い。 
枝葉
自生種

和泉市大野町の
山地で
2010.1月
枝葉
葉の表
光沢がある

10月
葉は厚い
葉の表

1月
葉の表
葉の裏
淡緑色で側脈ははっきりしない

10月
葉の裏は側脈がはっきりしない
葉の裏

1月
葉の裏

  葉によるネズミモチと トウネズミモチの区別
上―ネズミモチ
下―トウネズミモチ

両者の葉はよく似るので、どちらであるか迷う時は葉を明るいほうへかざしてみるとよい。
ネズミモチはほとんど光をとおさず葉脈が見えない。
トウネズミモチの葉脈は光を透しやすいので、この透けかたを覚えておくと両者を並べて比較しなくても、どちらの葉であるかを判断できる。
ネズミモチの葉は光を透さない
果実  核果様。 
長さ1cmほどの楕円形、10〜12月に黒紫色に熟す。
果実をつけた枝

大阪市天王寺区で
2008.2月
果実をつけた枝
若い果実
花柱が残る

別所町
宮の池公園で
2009.7月
若い果実
一部が黒紫色に変わってきた果実

別所町
宮の池公園で
2007.10月
若い果実
  熟した果実

  西之内町
  兵主神社で
  2007.1月
黒く熟した果実
  果実は細長い

  1月
果実は細長くネズミの糞に似る

   果実によるネズミモチと トウネズミモチの区別
右―ネズミモチ
左―トウネズミモチ

ネズミモチのほうが花期が1月ほど早いので果実もそれだけはやく大きくなる

8月
若い果実の比較
左―ネズミモチ
右―トウネズミモチ

ネズミモチの果実はトウネズミモチに比べ形が細長く色が黒っぽい
トウネズミモチの果実は青味がありやや光沢がある
ネズミモチとトウネズミモチの果実の比較

種子
長さ8mmほどの楕円形

表面に細かい粒々がある
ネズミモチの種子
樹皮  灰褐色でなめらか。
楕円形の皮目がある。古木ではたてに割れる。枝は小さな皮目がある。
樹皮 樹皮
       直径3cm        直径6cm 
新枝の樹皮

1月
新枝の樹皮
冬芽  芽鱗は紫褐色で光沢がある。
    冬芽

    1月      
冬芽
   冬芽

   2月
冬芽
動きだした冬芽

2月
冬芽
同属の仲間の樹木  
イボタノキ     ミヤマイボタ     オオバイボタ  
ヤナギイボタ    トウネズミモチ
    コミノネズミモチ 

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