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シャシャンボ  

ツツジ科スノキ属
学名:Vaccinium bracteatum

別名:サシブ(ノキ)、ワクラバ  
葉はツバキの葉に似る
  属名のVacciniumはコケモモを指す。種小名のbracteatumは苞葉があるの意。

  シャシャンボは小々ん坊である。古名はサシブで、古典に烏草樹とあるものがシャシャンボだと考えられている。庭木として植えられることも多く、造園業界ではワクラ、ワクラバという名前で呼ばれることがある。ワクラバは病葉のことで、新葉が紅くなることからワクラバと呼ばれるという説がある。また、果実を食べることができるので昔の暮らしに密着した植物だからであろう、地域によってさまざまな呼び方がある。
  シャシャンボはツツジ科だがツバキ科のヤブツバキの葉によく似ている場合がある。そんな時は、葉裏の主脈を葉先からつけねのほうにむかって指先でなでてみるとよい、とげのようなひっかかりがあればシャシャンボである。ひっかかりがなければツバキかあるいはヒサカキなどの別の樹木である。このとげのような突起は密腺が変化したものらしい。

  シャシャンボの果実を野山で見たことがなくても、食品としてブル−べリーの実を見たことがある人は多いであろう。ブル−べリーはシャシャンボの仲間で、北アメリカの野生種を改良したものだそうだ。
  シャシャンボの果実はブル−べリーほど大きくはないが、よく熟したものはけっこう美味しいといえる。もっとも食べ物が豊富ないまのこどもたちは、野山に入ってこんなものを口に入れることはないだろう。

  岸和田市では和泉山脈の麓にあたる相川町、塔原町、大沢町の林縁などでふつうに見ることができる。
  同じような場所にツバキ科のヒサカキサカキも多いが、枝先の冬芽を見ればかんたんに区別することができる。シャシャンボの冬芽は丸くて小さいが、ヒサカキサカキの冬芽は長くて先がとがり、かぎ形に曲がっている。
冬芽の項を参照)
 
また、西之内町兵主神社でも観察することができる。境内の真ん中に高さ5mほどもある古木があり、その幹は樹皮がはがれてつるつるになっている。境内東側の入口のところにも成木がある。こちらの個体は枝が低いところにあるから、花や果実をよく観察できるはずである。

  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑低木〜小高木。高さ5mになる。
樹高1mほどの若い木の樹形

流木墓地公園で
2006.11月
若い木の樹形
樹高5mの古木

西之内町
兵主神社で
2007.4月
樹高5mの古木
林縁の若い木はなよなよしていて枝がたれ下がる

大沢町シガ谷で
2007.10月
枝がたれ下がる
果実をつけた枝

流木墓地公園で
2011.10月
果実をつけた枝
   環境    山野
   雌雄同株。 花期:5〜7月          
前年枝の葉のわきから長さ約5cmの総状花序を出し、白い花を多数つける。花は赤みを帯びることがある。
花序

西之内町
兵主神社で
2007.7月
花序
花は下向きにつく

花の基部にある葉のようなものは苞葉

三ヶ山町
とんぼ池公園池で
2006.7月
花序
長さ約6mmのつぼ形で先は5裂しそり返る

花柱がすこし突き出る


三ヶ山町
とんぼ池公園池で
2006.7月
花
若い果実がみえる

流木墓地公園で
2016.7月
   互生。
葉身の長さは約5cmで、長楕円形〜卵形。先はとがり、ふちに浅い鋸歯がある。質は厚い革質、日陰のものはうすい革質。葉柄は短く、赤味を帯びることが多い。
   赤みをおびた新葉      流木墓地公園で  2016.5月
葉の表
光沢がある

流木墓地公園で
2008.4月
倒卵形の葉
日当たりのよい乾燥地の葉は厚い

和歌山県
白浜町で
2008.2月
卵形の葉
葉の裏は淡緑色

大沢町シガ谷で
2007.10月
葉の裏
新葉は赤い

土生滝町
神於山で
2006.1月
新葉
鋸歯は浅い

右が葉先
鋸歯のようす
葉裏の種脈には
数個の突起があり
指でなでるとひっかかりを感じる
これはシャシャンボの特徴である
葉裏主脈の突起
葉裏主脈の突起

密点であるらしい
葉裏主脈の突起
果実  液果。
直径約5mmの球形で、秋に黒紫色に熟す。先端に萼片がのこり、粉白をおびる。表面に微細毛がある。甘酸っぱくて食べられる。
           ↑ 果実をつけた枝     流木墓地公園で  2011.10月
若い果実

土生滝町
神於山で
2006.8月
若い果実
若い果実
果実の先にみえるのは花冠のなごり

三ヶ山町
とんぼ池公園で
2006.9月
若い果実
たくさんの果実をつけた枝

流木墓地公園で
2006.11月
鈴なりの果実
果実の先に萼片がのこる

流木墓地公園で
2006.11月
果実
果実の先端
紋所のように見えるのは残っていた萼片が落ちた痕

愛知県岡崎市で
2011.11月
果実の先端
年を越した果実
まだ花冠のなごりがのこる

表面は粉白をおびる

西之内町
兵主神社で
2009.1月
果実

   種子           
種子は楕円形で淡褐色
種皮に細長い網目模様がある
大きさは1mm×2mm         
種子
樹皮  灰色。
たてに細くさけてはがれ、あとが褐色〜赤褐色になる。
若い枝には稜(紙の折り目のような線状の隆起)がある

愛知県
岡崎市で
2012.2月
小枝の稜
はがれていない樹皮 はがれた樹皮
      はがれていない樹皮     はがれた樹皮
はがれたあとが赤い 老木の樹皮
     はがれたあとが赤い 老木の樹皮 西之内町兵主神社で
冬芽  球形で小さい。
まだ小さい冬芽

10月
小さい冬芽
冬芽

3月
冬芽
動きだした冬芽

4月
春先の冬芽

     冬芽によるヒサカキサカキとの区別
上ーヒサカキの冬芽
下ーサカキの冬芽

シャシャンボの冬芽にくらべると長く、鎌のようにカーブする
ヒサカキとサカキの冬芽

同属の仲間の樹木  
スノキ   ウスノキ(カクミノスノキ)   ナツハゼ
ブルーベリーは北アメリカの野生種を改良したもの

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