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タブノキ  椨の木

クスノキ科タブノキ属
学名:Machilus thunbergii

別名:イヌグス、ダマ、タモ、ダモ、クスダモ   
冬芽は赤みをおびる 果実
  属名のMachilusはインドネシアでのタブノキの名前をラテン語化したもの。種小名のthunbergiiはツンベルグの名から。スウェーデンの植物学者カール・ツンベルグ(トゥンベリーとも)は1775年に長崎出島のオランダ商館付医師として来日し、日本の植物を調査して「日本植物誌」を著した。


  日本ではタブノキに椨の字をあてるが、これは国字で中国ではこの樹を表す字は楠だとされる。保育社 「原色日本植物図鑑・木本」では中国名を紅楠としている。
  クスノキ科だがクスノキ属のような匂いはなく、青臭い匂いでそれもさほど強くはない。


  タブノキは日本の照葉樹林を構成する代表的な樹とされるが、岸和田市の山地では野生のものを見たことがなかった。が、2016年に岡山町の丘陵で竹林に分け入ったとき、タブノキの幼木を発見した。2株が生えていた。その竹林には他に
ミミズバイも多かったので、このタブノキは野生と考えてよいのではないかと思った。
  植栽としては、三ヶ山町とんぼ池公園、別所町宮の池公園などに植えられている。西之内町中央公園では春木川より南西側の場所、市民プールの北西にある時計塔のそばと春木川より南のエリアで見ることができる。

  なお、三重県鳥羽市の海岸沿いの樹林にはふつうに自生していた。同じく三重県亀山市の海岸から20km離れた内陸部でも道路沿いにふつうに自生しているのを見た経験がある。

  雌雄同株。

クリックすると、写真と説明にジャンプします。

樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑大高木。
高さ20m、直径1mになる。仮軸分枝をくり返し枝葉が階段状になる。
樹形

階段状に枝葉が茂る

別所町
宮の池公園で
2008.4月
階段状に枝葉がひろがる
樹形

樹冠は傘状に広がるが下部は剪定を受けている

並松町リバティで
2005.9月
樹冠は大きい傘状
果期の枝

別所町
宮の池公園で
2012.5月
果期の枝
芽の展開

別所町
宮の池公園で
2010.4月
芽の展開
幼木
樹高70cm

岡山町で
2016.3月
 環境  海岸近くの樹林、公園樹、庭木
   雌雄同株。 花期:4〜5月    
新枝の下部に長い柄のある円錐花序を出し、淡黄緑色の小さな花を多数つける。花序の軸は赤味をおびることが多い。花は直径約1cm。6枚の花被片は基部まで裂けて花後も残る。
花序をつけた枝

別所町
宮の池公園で
2010.4月
花序をつけた枝
芽鱗の下から花序のつぼみが顔を出してきた

別所町
宮の池公園で
2012.4月
冬芽が伸展して花序がみえてきた
芽鱗が開いて花序が伸び出してきた
右に葉芽がみえる

別所町
宮の池公園で
2012.4月
伸びてきた花序
さらに伸びてきた花序

別所町
宮の池公園で
2010.4月
伸展をはじめた花序
花序をつけた枝

西之内町
中央公園で
2010.4月
花序をつけた枝
円錐花序

西之内町
中央公園で
2010.4月  
円錐花序
花は直径約1cm

雌しべは1本
雄しべは9本
花は小さい
  互生。
葉身の長さは約10cmで倒卵状長楕円形。葉の先のほうで幅が最大になる。質は革質。先は短くとがり鈍頭、ふちは全縁。
両面無毛。新葉は赤い。葉柄は長さ約2cm。
枝葉
    枝葉          別所町宮の池公園で   2009.1月
新葉
    新葉は赤っぽい     貝塚市津田北町で  2014.5月
葉の表
深緑色で光沢がある

1月
葉の表
  葉の表

  幅が広い葉
葉の表
  葉の裏
  灰白色の葉

  1月
葉裏
  葉の裏

  灰緑色の葉
葉裏
葉の裏
主脈が紅い
裏面の主脈が紅い葉
葉の透視

細脈がみえる
葉の透視
灰白色の葉の裏面  葉裏
細脈がはっきりみえる裏面 葉裏
果実   液果。
直径約1cmの扁球形で、夏に黒紫色に熟す。基部に6個の花被片が残る。
果柄は赤くなることが多く、果期には離れた所からもよく目立つ。
熟した果実
     ↑ 熟した果実         別所町宮の池公園で 2012.8月
果実をつけた枝
赤い果柄が目立つ

別所町
宮の池公園で
2012.5月
果実をつけた枝
果実
基部に6個の花被片が残る

広島県尾道市で
2005.5月
果実
黒紫色に熟す

別所町
宮の池公園で
2012.8月
果実は黒く熟す

   種子    
扁球形

大きいものは10mm×12mm
小さいものは9mm×11mm
樹皮  灰白色でまるい皮目が多い。
若い枝は楕円形の皮目がある。
新枝には稜がある

稜(紙の折り目のような線状の隆起)
新枝の稜
自生の木の樹皮
直径20cm

三重県鳥羽市で
2010.4月
野生の木の樹皮
若い木の樹皮 成木の樹皮
     若い木の樹皮       成木の樹皮
冬芽  葉芽は長卵形、花と葉が入る混芽は卵形。
芽鱗は多数、芽鱗のふちには黄褐色の光沢のある毛がある。
   
   混芽
芽鱗のふちには黄褐色の光沢のある毛がある

内側の芽鱗はふちだけでなく外面にも同じ毛がある

別所町
宮の池公園で
2012.1月
芽鱗のふちには毛が多い
混芽
赤味をおびて美しい

1月
混芽
展開し始めた混芽

4月
展開し始めた混芽

   葉芽
葉芽
混芽に比べるとスリム

2月
葉芽は細長い
   葉芽の展開

   4月
葉芽の展開

   葉痕
葉痕はU字形

別所町
宮の池公園で
2012.11月
葉痕
同属の仲間の樹木  
ホソバタブは新葉が赤くならない。

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