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テイカカズラ  定家葛

キョウチクトウ科テイカカズラ属
学名:Trachelospermum asiaticum

別名:マサキノカズラ   
花冠はプロペラに似る 花は集散花序につく
  属名のTrachelospermumは種子がくびれるを意味するというが実際にはくびれない。種小名のasiaticumはアジアのを意味する。

  はじめてテイカカズラの花を見たのは高野山にむけて西高野街道(国道480号)を車で走っている時だった。道ばたに白い花をたくさんつけた藪のような緑が目に入り、車を止めて観察するとテイカカズラであった。ツバキなどの木に登り、アケビなどともからんで大きな壁のように茂った個体である。その後はここを通る度に車を止めて観察することにしている。
  一方、あちこちの林内でよく目にする小さなつる植物が何のつるなのかわからなかったのが、樹木専門のネット掲示板 「このきなんのき掲示板」 をROMしていて本種の幼木であることがわかった。それほど成木と幼木では葉のようすが異なるのだ。(葉の項を参照

  岸和田市では和泉山脈の麓にあたる山地や丘陵地の林内、林縁でふつうに見ることができる。とくに地面を這ったり、木に登りはじめた幼木は目につきやすい。成木では、牛滝街道を内畑町から阪和自動車道をくぐり大沢町に入るあたりの杉の植林地に大きな個体が多く、かなり樹高のあるスギの樹冠がテイカカズラの花でまっ白になっていた。(2009.6月)
  その他大沢町シガ谷、大沢町牛滝山周辺、神於山などで、他の樹木の高い位置までよじ登った成木をふつうに観察することができる。

  茎を切ると白い汁液が出るが、これに触れると人によってはかぶれることがある。キョウチクトウ科に共通の特徴である。
  雌雄同株。

クリックすると、写真と説明にジャンプします。

樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑つる性木本。
長く伸びて、直径4cmになる。茎から付着根を出し、他の樹木や岩を這い登る。
樹形
サクラの樹に登った樹形

土生滝町
神於山で
2006.1月
サクラの木に登った樹形
大きな岩をおおってしまった樹形

大沢町東風谷で
2006.3月
岩をおおった樹形
スギの木に登る樹形

大沢町
シガ谷で
2007.10月
木に登る樹形
花期の樹形
ヒノキに登った

和泉市父鬼町で
2009.6月
花時の樹形

 幼木の樹形
種子が林床で発芽すると、這い登る樹木などに行き当たるまで地面を這って伸びる。 地面を這う幼木
他の木に登りはじめた

テイカカズラのほかにキヅタ(ウコギ科)のつるも見える(ハート形の葉)

奈良県天理市で
2006.1月
他の木を登りはじめた
 環境  山野の林内
   雌雄同株。 花期:5〜6月    
枝先や葉のわきに集散花序を出し、白い花をつける。花はしだいに淡黄色に変わる。花には芳香がある。花冠は直径2〜3cmの高坏形、筒部の長さは約7mm、先は5裂する。裂片はプロペラのような片巻き状。萼は5枚。

高坏形とは   サクラソウの花のように細長い花筒の先に大きな裂片が皿状に開く。真横から見るとTの字形にみえる。高盆状ともいう。
たれ下がった枝の花

和泉市
松尾寺で
2008.6月
花をつけた枝
花序のようす 花は集散花序につく
裂片の形には変化がある

裂片の幅がせまい個体
裂片の幅がせまい花
裂片の幅がひろい個体 裂片の幅がひろい花
扇風機の羽根のような形

葉はテイカカズラの葉ではない
扇風機の羽根に似る花冠
  対生。
葉身の長さは生育状況により異なる。
他物に登る個体の葉は、長さ3〜7cmの楕円形〜長楕円形。先は鈍端で全縁。革質。
地面を這う個体の葉は、長さ2cmほどで波状の浅い鋸歯がある。脈にそって斑入りのような模様がある。この模様は他物に登るようになると消える。
葉の幅が狭い個体

内畑町三山谷で
2010.1月
幅が狭い葉
枝先の葉

和歌山県
有田市の山地で
2005.3月
枝先の葉
葉の表

光沢がある
葉の表
裏面は無毛

ときに短毛がある
葉の裏
細い葉の裏面

内畑町三山谷で
2010.1月
細い葉の裏面
左ー地面を這う個体の葉は小さい

右ーよじ登る個体の葉は大きい
地面を這う幼木の葉は小さい
地面を這う個体
の葉

脈のあたりが斑入りのようにみえる
地面を這う個体の葉
葉をちぎると繊維がみえる特徴がある 葉をちぎると繊維がみえる
葉のふちは裏側に巻く特徴がある
(見えているのは裏面)
葉のふちは裏側に巻く
茎を切ると白い液が出る
これに触れるとかぶれることがあるが、この特徴はキョウチクトウ科に共通

内畑町三山谷で
2010.1月
茎を切ると白い液が出る
果実   袋果。
長さ約20cmの細い円柱形で、2個が対になって湾曲した形でぶら下がる。ときに1個のことがある。秋に熟すと裂開して種子を出す。
果実

土生滝町
神於山で
2006.8月
果実
7.5個の果実がみえる

河合町鎌谷で
2011.9月
果実
若い果実

大沢町牛滝
いよやかの郷で
2005.8月
この果実は外側にカーブする
若い果実

土生滝町
神於山で
2006.8月
この果実は内側にカーブする
湾曲しない果実

内畑町三山谷で
2007.11月
カーブしない果実もある
果実

南町
天性寺(蛸地蔵)で
2009.12月
果実
萼片は宿存する

南町天性寺(蛸地蔵)で
2009.12月
宿存する萼片
裂開した果実

奈良県明日香村で
2006.1月
裂開した果実
飛んでいく種子


奈良県明日香村で
2006.1月
種子を出す
種子を出したあとの
果皮

和歌山県
有田市の山地で
2005.3月
種子を出してしまった果実

種子   長さ1cm余、少し扁平で細長い。
先に2.5cmほどの白い冠毛が多数つく
風で散布される

奈良県
明日香村で
2006.1月
種子には長い冠毛がある
樹皮    灰褐色。他物に登る個体は気根を出す。
若い枝は毛が多い。
若い枝の樹皮 幹の気根
  前年枝の樹皮   成木の樹皮  直径2cm
冬芽  
冬芽
紫褐色の毛におおわれる

2月     
冬芽
上と同じ個体の
別枝の冬芽

2月
冬芽
同属の仲間の樹木  
ケテイカカズラ
園芸種のハツユキカズラは葉が小さく斑入り

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