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ツルグミ 蔓茱萸 グミ科グミ属 学名:Elaeagnus glabra 別名:なし |
属名のElaeagnusは果実がオリーブに似るの意。種小名のglabraは無毛のを意味する。 ツルグミの大きな特徴はつるで枝が伸びることの他に、葉裏が赤く見えることである。ときに赤くなく銀色にみえるものがあるというが、岸和田市の山地ではまだ見ない。多くのグミの果実が甘くて食べられるのに反しツルグミの果実は美味しくないとされるが、まだ試す機会がない。 グミ属の多くは落葉樹であるが、本種は3種ある常緑グミのひとつである。あとの2種はナワシログミ、オオバグミ(マルバグミ)である。 岸和田市ではじめてツルグミに出会ったのは大沢町シガ谷を遡り、塔原町から伸びる塔原林道が合流する地点である。他の樹からたれ下がる樹形と葉裏が赤っぽいことですぐにツルグミとわかった。山地にふつうというほど多くはないが、塔原町モツ谷、大沢町牛滝の周辺で見ることができる。 以前は樹皮と根を風邪、心臓病、黄疸などの民間薬にしたというが、現在では化粧品に利用しているらしい。 雌雄同株。 |
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樹形 常緑つる性低木。 |
他の樹木に巻きつくことはなく、下向きにでる小枝で他の木に引っかかり、まとわりつく。 |
他の樹にまとわりつきそこからたれ下がる 大沢町シガ谷で 2007.11月 |
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たれ下がって伸びるつる 大沢町シガ谷で 2011.6月 |
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枝葉 塔原町モツ谷で 2010.3月 |
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トゲのような小枝を出した幹 左端の枝からは枝が伸びる方向と逆向きに小枝が出る 愛知県岡崎市で 2011.11月 |
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下向きに出る小枝 たれ下がった幹から出ているので上向きのように見えるが、上下を反対にして考えると他の樹木の枝葉にひっかかる姿がイメージできる。 大沢町シガ谷で 2011.6月 |
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下向きに出る小枝 左が根元になる 下向きに根元に向かって小枝を出し、他の植物にひっかかって伸びる。 和泉市松尾寺で 2011.11月 |
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環境 海岸近くの丘陵、丘陵地の林縁 |
花 雌雄同株。 花期:10〜11月 |
葉のわきに淡褐色の花が数個束生し、たれ下がる。花弁がなく、花弁のように見えるのは萼片である。萼筒は長さ約5mmで細くほとんどくびれない。萼筒と萼片の外面に赤褐色の鱗状毛が密生する。 |
葉のわきからたれ下がる花 大沢町シガ谷で 2007.11月 |
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萼片は萼筒の約半分の長さ 大沢町シガ谷で 2007.11月 |
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雌しべの花柱は糸状で長い 花の中心にみえる半透明のものが柱頭 雄しべは4本 萼片の基部につく |
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葉 互生。 |
葉身の長さは約6cmで、長楕円形〜卵状長楕円形。 質はうすい革質、全縁。葉柄の長さは1cm弱。 |
枝葉 塔原町の山地で 2009.4月 |
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たれ下がった幹から出た枝葉 大沢町シガ谷で 2011.6月 |
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葉の表 日照がよいので葉が厚い 塔原町モツ谷で 2010.3月 |
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幅が広い葉の表 深緑色 葉の表面にはじめ銀色の鱗状毛があるがのちに落ちて無毛になる 塔原町モツ谷で 2007.11月 |
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幅がせまい葉 塔原町モツ谷で 2007.11月 |
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葉の裏 大沢町シガ谷で 2007.11月 |
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葉の裏 ふつう赤褐色の鱗状毛が密生し赤くみえる やや光沢がある 塔原町モツ谷で 2010.3月 |
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葉の裏 ときに銀色にみえるものがある 大沢町シガ谷で 2007.11月 |
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交雑種かと思える個体 | |||
和泉市松尾寺境内で見る写真の個体は他の木にからみつく明らかなつる性である。しかし葉の質がやや薄く、裏面の鱗状毛が少なくツルグミらしくない。保育社 「原色日本植物図鑑・木本」にはツルグミの交雑種としてオオバツルグミ、マルバツルグミ、ウラギンツルグミが挙げられるが、他に詳しい資料もなくはっきりしたことはわからない。 |
ツルグミと思えるつる性のグミ 和泉市松尾寺で 2008.6月 |
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若い個体の枝葉 和泉市松尾寺で 2008.6月 |
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葉の表 和泉市松尾寺で 2008.6月 |
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葉の裏 和泉市松尾寺で 2011.11月 |
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葉の裏 裏面の鱗状毛が少ない 和泉市松尾寺で 2008.6月 |
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果実 核果のような偽果。 |
長さ1.5cmほどの長楕円形で、4〜5月に赤く熟す。 萼筒下部が多肉質となり果実を包む。 |
偽果とは−−がく筒の下部が肥厚して液質多肉となりここを食べることができる。内にある種子のような核が果実である。 |
若い果実 愛知県岡崎市で 2011.11月 |
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若い果実 塔原町モツ谷で 2010.3月 |
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若い果実 塔原町モツ谷で 2010.3月 |
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少し赤味がさしてきた果実 大沢町牛滝で 2011.5月 |
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果実 種子のようにみえるが、グミ類はこれが果実である。 | ||
長さ1cm余の紡錘形 外皮は木質でかたい 8個のたての溝がある |
( 画像 準備中 ) | |
樹皮 灰黒色。 |
丸い皮目がある。成木ではたてに浅くさける。 小枝は鈍い稜(紙の折り目のような線状の隆起)があり、赤褐色の鱗状毛が密生し濃赤褐色。 |
小枝の樹皮 11月 |
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樹皮 直径1.2cm | 樹皮 直径3.8cm | |
冬芽 |
冬芽 愛知県 岡崎市で 2011.11月 |
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同属の仲間の樹木 | 秋〜冬に開花し春〜夏に果実が熟す常緑の 仲間を下に挙げた |
ナワシログミ オオバグミ(マルバグミ) |
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