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アオギリ 青桐 アオギリ科アオギリ属 (新しい分類体系APGVではアオイ科とされる) 学名:Firmiana simplex 別名:アオノキ |
学名のFirmianaはオーストリアの人名から。simplexは、単生の意。 中国から渡来。名前の由来は、葉が桐に似ていることと樹皮の色からという。中国の伝説上の鳥である鳳凰がとまるのが、この樹であるといわれる。そのためアオギリを英語でフェニックス ツリー(鳳凰の木)と呼ぶ。 アオギリといえば、被爆イチョウとともに広島市で被爆したのちに復活した被爆アオギリのことがある。広島市逓信局の中庭で被爆したアオギリは大きく傷ついたもののその後復活し、その姿は多くの人を勇気づけたといわれる。現在は平和記念公園に移されている。この被爆アオギリの実生の苗が2012年に「被爆アオギリ2世」として岸和田市役所来庁者用駐車場内花壇に植樹されている。(市ホームページの記事を参照) 種子散布は風による。ある時アオギリの近くで腰をおろしていて、枝を離れた果実が風に乗って回転しながらゆっくりと舞い降りてくるのを見た経験がある。風を利用して種子が親の樹から遠くに着地できるように、果皮は舟のような形をしているのである。 種子は蛋白質や脂肪に富み食用になるので、かつては救荒食物のひとつであったという。また第2次世界大戦中は種子を煎って粉とし、コーヒーの代用にしたという。また、室町時代の書物「尺素往来」には、種子を菓子としていたという記述がある。 材は柔らかいのであまり利用されないらしい。しかし、樹皮の繊維は強く布や縄として利用したという。樹皮や根からとれる粘液は、和紙製造におけるネリ剤にするという。 街路樹によく利用される樹であるが、岸和田市ではアオギリの街路樹をまだ見かけない。公園でも見かけることがなく、これまでに岸和田天神宮(別所町の沼天神)、春木小学校(春木宮川町)、上野町東にある法務局第2駐車場で見かけたぐらいである。 大沢町シガ谷で1株だけだが、野生の個体を見る。 雌雄同株。 |
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樹形 環境 花 葉 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木
樹形 落葉高木。高さ15mほどになる。 |
樹形 港緑町で 2016.8月 |
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山地の林縁にはえてきたアオギリ 大沢町シガ谷で 2010.6月 |
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花期の枝 別所町 岸和田天神宮で 2013.7月 |
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果期の枝 別所町 天神宮で 2011.10月 |
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環境 公園、街路樹 |
花 雌雄同株。 |
枝先に大きい円錐花序を出し、黄緑色の小さな花を多数つける。ひとつの花序に雌花と雄花がまじる。花期が長く、開花したものとつぼみがまじる。花弁のようにみえるのは萼片で、花弁はない。 |
花序は大きい まだつぼみだ 別所町 岸和田天神宮で 2013.6月 |
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花序の一部 つぼみの状態 別所町 岸和田天神宮で 2013.6月 |
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開花した花序 別所町 岸和田天神宮で 2013.7月 |
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雌花 |
雌花 別所町 岸和田天神宮で 2013.7月 |
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雌花 子房には柄がある 花弁はなく萼片がそり返る 別所町 岸和田天神宮で 2013.7月 |
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雄花 |
花序の一部 開花がはじまった 別所町 岸和田天神宮で 2013.6月 |
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花序の一部 別所町 岸和田天神宮で 2013.6月 |
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雄花 雌花のようにも見えるが雄花だ 花弁がなく萼片がそり返る 10本の花糸が合着して筒状になり先端で葯がかたまる 別所町 岸和田天神宮で 2013.6月 |
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葉 互生。 |
長さ、幅とも15〜25cmで、単葉または掌状に3〜7裂する。 10〜30cmの葉柄がある。 |
3裂の葉 | ||
5裂になるのか | ||
7裂の葉 |
果実 袋状の刮ハ。 |
果実は若いうちに3〜5片に割れ、各片(心皮)に種子をつける。 種子は直径4〜6mm、10月ごろ熟す。 |
↑ 果実 別所町天神宮で 2011.10月 | |
若い果実 別所町 天神宮で 2013.7月 |
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若い果実 別所町 天神宮で 2013.7月 |
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上の写真のものを手でひろげてみると 下から見た状態 7月 |
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心皮のひとつを内側から見ると 袋状であることがわかる 7月 |
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若い果実 別所町 岸和田天神宮で 2013.8月 |
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成熟した果実 10月 |
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裂開した果実を下から見るとチューリップの花が開いたようにみえる 10月 |
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上から見ると 別所町 岸和田天神宮で 2013.8月 |
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心皮の縁に種子がみえる 8月 |
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心皮のふちにつく種子 8月 |
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この心皮には4個の種子がつく 10月 |
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心皮のふちにつく種子 8月 |
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種子 |
右の2個はかたい皮を取り去った種子 | ||
樹皮 緑色で平滑。古くなると灰白色になる。 |
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冬芽 球形。赤褐色の毛が密生する。 |
冬芽 分厚いコートをはおっている 12月 |
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冬芽 3月 |
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葉痕 12月 |
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同属の仲間の樹木 |
ケナシアオギリ 公園などで見る中国渡来のアオギリは葉の裏に短毛が密生するが、日本に自生するものはケナシアオギリとよばれ、区別される。ケナシアオギリは、東海、紀伊半島、四国、九州の一部に自生するという。 |
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