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イチジク   無花果

クワ科イチジク属
学名:Ficus carica

別名:ホウライガキ、トウガキ、ナンバンガキ   
葉のようす 美味しそうなイチジクの果実
  属名のFicusはイチジクのラテン古名。種小名のcaricaはイチジクのような葉をもつ木を指すギリシア語から。

 イチジクは漢字で無花果と書くので花が咲かないのに果実がなるように見えるが、実際は花は外からは見えないだけで花嚢の内側にちゃんとある。花嚢とは花軸が肥大して袋状になり、その内側に小さい花をたくさんつけたものだ。この花嚢が成熟して果嚢と呼び方が変わったものがわれわれが食べているものだ。ある人が花嚢内の花を数えたところ、約2000個あったという。イチジク、イタビカズラオオイタビなどのイチジク属の果実をとくにイチジク状果と言う。

 イチジクは人類がはじめて栽培した植物ではないかという研究がある。(2006 科学誌サイエンス)また世界の各地で、知恵の木、生命の木と言われる。わが国には江戸時代に渡来し、蓬莱柿の名で栽培され現在でもホウライガキの品種として残る。

  岸和田市では、山直や阿間河滝町などの丘陵で栽培されていて(岸和田市ホームページを参照)、その他市街地でも畑のわきや民家の庭などにも植えられているのを見る。
  利用はほとんどが生食で、ジャム、ワインなどに加工もされる。薬用には果実、葉などを利用するという。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉小高木。
高さ8mになるが、栽培種では管理しやすくするために低く仕立てる。
     ( 画像 準備中 )
    環境  水分の多い地
   イチジク状花序。
雌雄異株だがわが国で栽培されるものは雌株だけで、繁殖は挿し木によるという。春〜秋に葉のわきに花嚢をつけ、その内部に小さい花をたくさんつける。イチジク状花序である。
雌雄異花で本来はひとつの花嚢に両方の花をつける。花嚢内部の上部に雄花、下部に雌花がつくが、日本には雌株だけが導入されたので雌花のみをつけるとされる。このタイプは受粉を必要としない単為結実をするという。
本来はイチジクの受粉にはイチジクコバチという昆虫の存在が不可欠だが、日本では寒さのためイチジクコバチが生息できないので、栽培には単為結実する品種が導入されている。
花嚢を割ると

花嚢の表面には毛が散生する

花柱は長く先は2裂する

4月     
花嚢の断面
花嚢の上部の
内側

4月
花嚢の上部の内部
  互生。
葉身の長さは20〜30cmで、掌状に3〜7裂する。葉の切れ込みは品種により浅いものと深いものがある。前述のホウライガキの品種は切れ込みが浅く、明治時代以降に入ってきた品種は切れ込みが深いという。
 この葉は7裂かな 葉
    
果実   偽果。
偽果で、イチジク属の場合はイチジク状果とも言う。果嚢は夏〜秋に熟す。長さ約6cmで、生食できる。色は品種により黄、緑、紫、褐色などいろいろある。
熟した果実を食べると種子のような食感があるが、これは内部が空の粃(しいな)(殻だけで中身が空の果実のこと)で播種しても発芽しないという。
食べ頃の果嚢

9月 
果実は食べられる
果嚢を割ると 果嚢の内部
果嚢の内部   果嚢の内部
樹皮  灰白色、丸い小さな皮目がある。
枝を一周する托葉痕(ハチマキ) 樹皮
葉痕の上部に枝を一周する托葉痕がありハチマキと呼ばれる           樹皮

冬芽  葉芽は円錐形、花芽は半球形。
葉芽 葉芽
       葉芽  2月        葉芽  1月
花芽と葉痕 花芽
       花芽  1月         花芽  1月

    葉痕
葉痕 葉痕
         1月        1月
同属の仲間の樹木 
イヌビワ   アコウ   ガジュマル  イタビカズラ    オオイタビ

ヒメイタビ

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