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ヒマラヤスギ  ひまらや杉

マツ科ヒマラヤスギ属
学名:Cedrus deodara
別名:ヒマラヤシーダ   
枝は水平にひろがる 短枝に束生する葉
  属名のCedrusはシーダー類を指すラテン語。種小名のdeodaraは神聖なを意味する。

  ヒマラヤ杉という名前からはスギの仲間と思いがちだが実際はれっきとしたマツの仲間である。葉のつきかたはカラマツに似ており、1本、1本の葉はたしかにマツの葉だ。マツの仲間なのになぜ杉の名がついたのか・・・・英語のHimalayan Cedarを日本語に訳すときにCedarを杉としたらしいのだが、英語のcedarの語が植物学的な分類と一致しない使われ方をしていることが原因で実際はマツの仲間であるにもかかわらずスギの名前がついてしまったようなのだ。中近東に分布するレバノンスギもこの例で、杉ではなくマツの1種なのだ。

  原産地はヒマラヤ北西部〜アフガニスタンといわれ、日本へは明治時代初期にイギリス人が種子を導入しその実生苗を栽培したのがはじまりとされる。その辺のことが新宿御苑のホームページに書かれている。
  日本では材を利用することはないらしいが、原産地ではすぐれた建築材として有用だそうである。ニューヨークのビル屋上のまるい貯水タンクは知る人ぞ知るニューヨーク名物だが、タンクはヒマラヤ杉の材で作られており、水もれしない、気候による温度差に耐えるという利点があるそうだ。
  油分には薬効があり、アロマセラピーで利用される。

  岸和田市では三ヶ山町とんぼ池公園管理事務所手前の入口に成木があり、晩秋には枝の上に果実が並んでいる姿を見ることができる。流木墓地公園にも自然樹形に近いものが数株植えられている。市街地では野田町野田公園に数株がある。岸城町自泉会館、土生町小南病院の敷地で数株が見られるものの強剪定された姿からはヒマラヤスギとはわかりにくい。市内でヒマラヤスギを見ることは以外に少ない。


  雌雄同株、雌雄異花。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑高木。
幹は直立し、太い枝は水平にひろがる。
円錐形の整った樹冠をつくる。自生地では高さ50mになる。
樹形

高石市高砂公園で
2010.4月
樹形は円錐形
樹形

流木墓地公園で
2012.3月
樹形
地面近くの低い枝も枯れずに葉が茂る

高石市高砂公園で
2010.4月
低いところにも枝葉が茂る
果実をつけた枝

三ヶ山町
とんぼ池公園で
2010.11月
果実をつけた枝
   環境  公園樹、街路樹
   雌雄同株、雌雄異花。 花期:10〜11月    
雌花も雄花も短枝につく。
雄花
          ↑  雄花       高石市高砂公園で   2010.4月 
    雌花    松かさの形。
    雌花

    岬町みさき公園で
    2007.10月
雌花

  雄花     短枝に頂生する。
長さ数cmの長楕円形、多数の雄しべがらせん状につく。
花粉を出し終えて変色した雄花

高石市高砂公園で
2010.4月
雄花
地面に落ちた雄花

忠岡町
忠岡神社で
2008.1月
地面に落ちた雄花
雄花

忠岡町
忠岡神社で
2008.1月
雄花
  長枝にはらせん状につき、短枝には数十本が束生する。
葉身は長さ4cmほどの針形。
若い時は明るい緑色で、のち青緑色〜緑白色に変化する。
枝葉
         ↑  枝葉        大阪市住吉区で  2007.1月
短枝につく葉

岬町みさき公園で
2007.10月
短枝につく葉は束生する
長枝には葉はらせん状につく

港緑町で
2009.8月
長枝につく葉

アカマツ、クロマツの葉によく似ている

流木墓地公園で
2012.3月
葉
果実    球果。
ヒマラヤスギの名前だが杉の1種ではなく、実際はマツ科なのでクロマツ、アカマツと同じように松かさになる。
長さ約6〜13cmの卵形〜長卵形、枝の上に直立する。
開花後、2年かけて成熟し、果軸を残して種鱗と種子は落ちる。
果実
↑ 熟した球果が枝の上に直立する   三ヶ山町とんぼ池公園で 2010.11月
球果
大きさは65mm×75mm

時間がたつと下の写真のようになる
球果
球果は乾燥すると種鱗が開いて種子の翼が見えてくる 乾燥してきた球果
上の写真の一部をアップにすると 球果が乾燥してくると
先端部
種鱗と種鱗がすき間なくくっついている

時間が経過すると下の写真のようになる
球果の先
球果が乾燥して種鱗が開いてくると、バラの花にたとえられシーダー・ローズと呼ばれる。 シーダー・ローズ
1個の種鱗に2個の種子がつく

下部の三角形のものが種子だ
種鱗と種子
左の種子を取り除いた状態 種鱗と種子
種子を取り除いた種鱗
種鱗は大きいものでは幅が5cmほどある

下部のへこんだ部分が種子の位置を表す
種鱗
種鱗の背部は粒状の褐色短毛が密生する
下部のへこんだ部分が種子の位置を表す
種鱗の背部
下部の三角形のものが種子だ

膜状の翼は種子の2倍ほどの長さがある
種子には翼がある

種子   倒卵状三角形        
この種子の大きさは5×12mm 種子
樹皮  
暗灰色〜灰褐色。古くなると鱗片状にはがれる。
若い枝は短毛を密生し淡褐色。
若い木の樹皮 成木の樹皮
       若い木の樹皮         成木の樹皮
冬芽   卵形。
冬芽

大阪市
住吉区で
2007.1月
冬芽
同属の仲間の樹木    日本には自生種はない
レバノンスギ、アトラスシーダーが新宿御苑で栽培される。

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