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アケビ     木通、通草

アケビ科アケビ属
学名:Akebia quinata 

別名:なし   
葉は5枚の小葉からなる ぱっくり口を開いた果実

  属名のAkebiaは日本語のアケビから。種小名のquinataは5小葉の意で、英名もFive leaf akebiaである。

  10月ごろ谷沿いの道を歩くと赤紫のアケビの皮が地面に落ちていることがある。見あげると手の届かない所にアケビの果実がなっている。ひと頃まではアケビの甘い果実はこどもたちがおやつとしてねらったものであろうが、今ではそんな山の恵みにふりむくこどもは滅多にないであろう。 
 つるは、右上のほうへ巻く
上から見て左巻き)。アケビの小葉は5枚であるが、小葉が3枚のものはミツバアケビといい別種である。
  アケビの幼木の葉は波打つことがあり、別の種であるゴヨウアケビ(下記の
仲間の樹木の項を参照)と間違いやすい。

  流木町の今池の近くで、3月に早くもアケビの花を見つけ撮影していて気づいたのだが、花序に雌花が見あたらず雄花ばかりなのである。どの花序を見てもやはり雄花ばかりで、枝には去年の果実の名残もあるのに不思議に思っていた。4月中旬に同じ個体を観察すると、今度はひとつの花序にちゃんと雌花、雄花がそろっていた。春まず最初に開花する花序は雄花ばかりなのかもしれない。そういえば兵庫県淡路島で撮った萼が色白の花序の写真でも雌花が見あたらない。これについては今後複数の個体を観察していきたいと思う。

  果肉や暑い果皮を食用にし、つるをあけび細工にする。長野県の工芸品である鳩車はアケビのつるで編んだものである。新葉を「木の芽」と呼び食用にするところもあるというが、かなり苦く美味しく食べるにはあく抜きが重要らしい。
  木通は漢名である。ミツバアケビとともに太い茎の部分をモクツウ(木通)と呼び、薬用にする。

  岸和田市では山地、丘陵地でふつうに見ることができる。

  雌雄同株、雌雄異花。


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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  つる性落葉樹。他の樹木に巻き付いて登る。
       つるは、右上のほうへ巻く(上から見て左巻き)
登りついたところからたれ下がった樹形

三ヶ山町
とんぼ池公園で
7月
たれ下がる樹形
冬の樹形

落葉樹だが真冬でも緑の葉をつけている個体

流木町で
2013.2月
真冬でも落葉しない個体
  環境    山野、空き地
  雌雄同株、雌雄異花。 花期:4〜5月    
葉のわきから散房または総状の花序がたれ下がる。
花序の基部に雌花が1〜3個、先の方に雄花が数個つく。
花は花弁がなく、花弁状の萼が3枚ある
花序
手前の大きい花が雌花で直径約2.5cm

奥の小さい花が雄花で直径約1.5cm

島根県で
2004.5月
花序

   雌花
雌花
直径約2.5cm

雌しべは円柱形
雌しべの先にオレンジ色のものがついているが、粘性がある柱頭に飛んできたなにかがくっついたものである
雌花
 雌花

 萼の色が白っぽ
 いタイプ
雌花
花弁状の萼が落ちた後の雌しべ

雌しべの下面に腹縫線(心皮の合着線)が
みえる
果実が熟すと果皮はこの線で裂開する

雌しべが6本あるが
このうちいくつかが果実として成熟する
雌しべ
花弁状の萼が落ちた後の雌しべ

萼があると気づかないが小さい雄しべの痕跡がみえる
雌花にある雄しべの痕跡

   雄花
雄花
萼の色が白っぽいタイプ

兵庫県淡路島で
2007.4月
雄花
   雄しべ

   おしべは6本
雄しべ
雄しべ

上の写真のものとは異なる個体
雄しべ
萼を上からみると 雄花の萼
  互生。
掌状複葉で、小葉は5個。葉柄は長い。小葉は長楕円形で、鋸歯はなく先はくぼむ。中央の小葉は外側のものよりやや大きい。


7月
小葉は5枚
この葉は小葉が6枚あった 小葉が6枚の葉
果実  袋状の液果。
紫色を帯びる。ミツバアケビの果実に比べて色がうすい。
9〜10月に熟して裂開する。果実の内容は甘く、食べられる。
直径3〜4cmの楕円形で、ミツバアケビの果実よりやや細い。
果皮が心皮の合着線(腹縫線)で裂開する
食用にする部分は植物学では胎座という
この胎座が鳥獣に食べられ種子が散布される
        ( 画像 準備中 )

    種子
長さ5〜7mm
褐色〜黒褐色
( 画像 準備中 )
樹皮  暗褐色。
浅い割れ目が入り、うろこ状になる。枝に円形の皮目がある。
樹皮

太いほうの直径が
約1cm   

牛滝で
2月
樹皮
  
冬芽  長さ3〜4mmの卵形。
                    ( 画像 準備中 )
同属の仲間の樹木              
ミツバアケビ
ゴヨウアケビ
はアケビとミツバアケビの雑種と考えられ、小葉は3〜5枚で縁に波状の鋸歯がある。花はミツバアケビに似るが、色は淡くやや大きい。

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