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アセビ     馬酔木 

ツツジ科アセビ属
学名:Pieris japonica

別名:アシビ、アセボ、ドクシバ、ヒササキ、
    ウマ(ウシ)コロシ、ウジハライ
花は白い 枝葉

  学名のPierisは、ギリシァ神話の詩の女神の名から。japonicaは日本産の意。

  アセビは学名にあるように日本特産の木である。漢字で馬酔木と書くのはこの類の中国での総称で、牛馬がこの木の葉を食べると酔っぱらったようになるからといわれる。それは数種類の有毒成分を含むからで、葉をかむと苦いそうだがためしてみたことはない。奈良公園にアセビの純林がみられるのは鹿がこの木を食べなかったからと言われる。
  万葉人に愛された木で、「わが夫子にわが恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛りなり」(巻10-1903)など、万葉集にはアセビをよんだ歌が10首ある。しかし、時代が下ると呪いの祈祷で焚かれたり、室町時代の池坊流立花では禁花とされた時代もあった。一方、長野県などにおいては稲穂のように白い花をつけることからアセビをイナボと呼び、伊勢地方では今も正月の門飾りにするという。このように時代によってアセビをめでたい木とする一方で、反対に不吉な木とするふたつのとらえかたがあったようだ。

  有毒ゆえに、農作では葉を煎じて殺虫剤としたり牛馬の皮膚の虫殺しに利用したという。また土葬の時代にはシキミと同様に墓地に植えられたという。
 有毒であるアセビの葉を食べる虫もいる。シャクガ科ヒョウモンエダシャクの幼虫である。有毒成分をためこんで鳥に食べられるのを防いでいるという。
  材は固く、薪炭、細工物に利用される。

  奈良県の山地ではアセビはふつうに見るが、岸和田市の山地ではまだ出会ったことがなく、公園や緑地、民家の庭先などで見かけるぐらいである。
  市街地では古城川緑道のらんかん橋より臨海線寄りの場所、港緑町ホームセンター横の遊歩道に多数植えられている。
 

雌雄同株。


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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑低木。
高さは3mになり、直径10cmになる。
新芽は赤色を帯びることが多い。
樹形
樹高1.5mほど

兵庫県
八鹿町の山地で
2010.10月
自生のアセビ
植栽種の樹形

魚屋町
古城川緑地で
2008.2月         
樹形
花期の樹形

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月
花期の樹形
花序を上から見ると

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月
花序を上から見ると
つぼみをつけた枝

魚屋町
古城川緑地で
2008.2月  
つぼみをつけた枝
  環境    主に照葉樹林にはえる。庭木、公園樹。
 雌雄同株。 花期:3〜5月   
葉のわきから円錐花序を出し白色の小さい花を多数つける。
花は長さ約7mmのつぼ形で、先は浅く5裂する。萼は5裂し、緑色や赤など変化がある。
          花をつけた枝

香川県高松市で
2006.4月
花をつけた枝
つぼみをつけた枝
この個体の萼は紅い

魚屋町
古城川緑地で
2009.2月
つぼみをつけた枝
つぼみ

魚屋町
古城川緑地で
2009.2月
つぼみ
花は花序の基部
から順に開花する

魚屋町
古城川緑地で
2009.2月
花序
花序

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月   
花序
この個体の花序はたれ下がる

香川県高松市で
2006.4月         
たれ下がる花序
先は浅く5裂する
この個体の萼は緑色

魚屋町
古城川緑地で
2009.2月
花
花を下からのぞくと
赤茶色の雄しべは10本

魚屋町
古城川緑地で
2009.2月
花のなか
緑色の雌しべがみえる

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月  
萼は5裂する
花の内部がなかば透けてみえる

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月  
萼は5裂する
  互生。枝先に集まってつく。
葉身の長さは約7cmで倒披針形〜長楕円形。質は革質。
先はとがり、ふちの上半部に浅い鋸歯があり、少し波打つ。          
枝葉

魚屋町
古城川緑地で
2008.2月
葉は枝先に集まる
葉の表は光沢があり主脈上に短毛がある

魚屋町
古城川緑地で
2008.2月
葉の表
葉の裏は無毛
両面に網の目がよく見える


魚屋町
古城川緑地で
2008.2月            
葉の裏
新葉の展開

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月
新葉の展開
果実  刮ハ。
直径約5mmの扁球形。花は下を向くが果実は上向きになる。9〜10月に褐色に熟し、5裂する。先端に長い花柱がのこる。
若い果実
長い花柱が残る

魚屋町
古城川緑地で
2010.3月
若い果実
果実

神戸市
布引ハーブ園で
2015.12月
年を越した果実
先端の花柱はとれている

魚屋町
古城川緑地で
2009.2月
果実
種子を出したあとの果殻

種子
種子は長さ約2mmだ
樹皮  灰褐色。縦に裂け、ねじれる。
樹皮 樹皮
 ネジキに似た樹皮  はがれる樹皮 直径3cm
冬芽  卵形。
      ( 画像 準備中 )
同属の仲間の樹木  
リュウキュウアセビが沖縄県に自生するが、盗掘などで個体数が減少し絶滅危惧種に指定されている。
花が淡紅色のアケボノアセビは品種
屋久島に分布するヤクシマアセビは変種

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