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キブシ  木五倍子

キブシ科キブシ属
学名:Stachyurus praecox

別名:ズイ、ズイノキ   
果実はまるい 花は穂状につく
  属名のStachyurusは尾状の穂の意。種小名のpraecoxは早咲きの意。

  キブシは他の木々の新芽がようやく色づいてくる早春の林のなかで、淡い黄色の地味な花をつける。遠くからでは目立たないのだが、穂状のその花は近くで見ると可愛いものである。また、まるくぷっくりとしたその果実も愛らしい。
  木五倍子(きぶし)の名前は果実がタンニンを多く含むので五倍子(ふし、ヌルデの虫こぶ)の代用として黒色染料にしたためという。果実を粉にして鉄漿(お歯黒)に用いたという。
  別名のズイ、ズイノキは、電灯のない時代にキブシの髄が灯芯として広く利用されたところからの名であるという。

  岸和田市では塔原町モツ谷の林道ぞいや大沢町シガ谷でふつうに見ることができる。


  ふつう雌雄異株とされるが、福岡教育大学「福原先生のページ」に不完全雌雄異種で雄花に結実がみられる例としてキブシに関する記述がある。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉低木〜小高木。高さ4mになる。
樹形
低木では張り出した枝がたれ下がることが多い

大沢町で
2007.6月
樹形
春の樹形
淡黄色の花をつけた枝

塔原町の山地で
2009.4月
花期の樹形
花期の樹形

三重県鳥羽市で
2010.4月
花期の樹形
枝葉
葉はややうすく柔らかい感じがする

大沢町で
2007.6月
枝葉
果実をつけた枝

貝塚市木積で
2007.9月
果実をつけた枝
   環境  山地の沢ぞいや斜面などの湿潤な地
   ふつう雌雄異株。 花期:3〜4月    
早春、葉の展開前に開花する。前年枝の葉のわきに長さ約7cmの総状花序をたらす。雌花序は雄花序より短め。
ふくらんできた花芽

塔原町の山地で
2010.3月
ふくらんできた花芽
ふくらんできた花芽

塔原町の山地で
2010.3月
ふくらんできた花芽
花をつけた枝

新葉が展開しはじめている

塔原町の山地で
2009.4月  
花期の枝

    雌花    雌花は長さ約8mmの鐘形で淡黄緑色。
雌株の花芽

貝塚市木積で
2010.1月
雌花のつぼみ
花芽の拡大

1月
花芽
雌花序

相川町モツ谷で
2009.4月
雌花序
雌花序
まだ寒さが残る山でいち早く咲く

相川町モツ谷で
2009.4月
雌花
雌花
雌しべは花弁と同長か少し突き出る
柱頭は頭状
子房は大きい

4月上旬
雌花

    雄花
雄株の花時

三重県鳥羽市で
2010.4月
雄花序をつけた枝
雄花序

三重県鳥羽市で
2010.4月            
雄花序
赤みをおびた雄花序

三重県鳥羽市で
2010.4月
雄花序
雄花
雄しべは8本で花弁より長くならない

三重県鳥羽市で
2010.4月
雄花
雄花

三重県鳥羽市で
2010.4月
雄花
雄花の内部

この花は花のつくりからすると雄花になるようだが、これぐらい雌しべが発達しているタイプは、花序のうち一部の花が結実することがあるようだ。

三重県鳥羽市で
2010.4月
雄花
  互生。
葉身の長さは約9cm、卵状楕円形〜卵形。質はうすい。
先は長くとがり、ふちに鋭い鋸歯がある。葉柄の長さは約2cmで、赤味を帯びることがある。
新葉の展開
鋸歯が鋭い

4月
新葉の展開
葉の表
やや光沢があり無毛

6月
葉の表
葉の裏

淡緑色
脈上、脈ぞいに軟毛がみられることがある

6月
葉の裏
      鋸歯

      6月
鋸歯
果実   乾いたややかたい液果。
直径約1cmの広楕円形〜卵形〜球形。緑色で7〜10月に黄褐色に熟す。
果実をつけた枝

6月
果実
果実

塔原町モツ谷で
2009.5月
果実
   果実

   6月
果実
   種子
長さ約2mm
黄褐色

1個の果実に多数の種子が入る
種子
樹皮  紫褐色〜赤褐色。丸い皮目が多い。     
枝の樹皮

光沢がある
枝の樹皮
枝の樹皮 枝の樹皮

成木の樹皮 成木の樹皮
   成木の樹皮          成木の樹皮  
冬芽  
頂芽は葉芽で広卵形、側芽はやや扁平な卵形。
花芽は前年の秋から総状花序としてたれ下がる。
頂芽(葉芽)
少し動きだした

3月
頂芽
動きだした冬芽

3月
動きだした冬芽
短枝の先の葉芽

12月
短枝の冬芽
葉芽と花芽

1月
葉芽と花芽
前年の秋にはすでに花芽の準備ができている

塔原町の山地で
2010.10月
花芽
花芽
前年の秋から花序がたれ下がる

兵庫県篠山市で
2007.10月
前年の秋の花序
花芽(カーブしている)と葉芽(左の短いほう)

貝塚市木積で
2008.3月
冬芽
花芽の先の部分

貝塚市木積で
2010.1月
花芽の先端
花芽の日があたらないほうは緑色だった

貝塚市木積で
2010.1月
花芽の日陰の部分

        葉痕   半円形で維管束は3個。
    葉痕 葉痕
同属の仲間の樹木   キブシ属は国内ではキブシのみが知られる
地域的な変異があり、ナンバンキブシ、ハチジョウキブシ、エノシマキブシ、
ケキブシ、ナガバキブシ、コバノキブシ
などの変種がある。

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