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マタタビ  木天蓼

マタタビ科マタタビ属
学名:Actinidia polygama
別名:ナツウメ 
雄花 白くなった葉
  属名のActinidiaは放射状のを意味し、両性花の多数の花柱が放射状にひろがるようすを指す。種小名のpolygamaは両性花と単性花の両方をもつの意。

  別名のナツウメは夏梅で、花が梅の花に似るからという。
  マタタビといえば「猫にまたたび」という言葉を思い出すが、猫だけでなくネコ科の動物のライオンなども同じように匂いに反応してマタタビを食べると陶酔状態になるという。これは揮発性成分であるアルカロイドの1種による麻酔作用だそうだが、果実だけでなく枝などでも同様の反応がみられるという。
  木天蓼の語は漢名で虫こぶを指しており、漢方薬として利用される。木天蓼は体を温める効果があり、鎮痛剤として腰痛などの薬になるという。虫こぶでない果実も同様の効果があり、これを乾燥したものは天木実という生薬である。
  果実には辛味と香りがあり塩漬けや果実酒にし、若芽も食用にするという。完熟した果実はおいしいらしい。以前長野県を訪れた時に八百屋の店先にマタタビの果実がおいてあるのを見たことがあるが、まだ緑色のものだったので果実酒にするのであろうか。
 
  岸和田市では和泉山脈の麓にあたる塔原町、大沢町の山地で見ることができる。開花時期の5〜7月頃は葉の一部が白くなっていて、遠目でもマタタビだとわかる。
  花を撮影したのは鳥取県大山だが、アップで撮ろうと花に顔を近づけるとよい匂いが漂っていた。花には芳香があるとされるように、強すぎない上品な香りであった。

  
  雌雄異株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉つる性。
他の樹木などにもたれかかったり、自身のつる同士でからみ合って伸び上がったり、たれ下がったりする。
樹形

大沢町
シガ谷で
2011.7月
樹形
樹形

和泉市父鬼町
白川谷で
2013.7月
樹形
花をつけた枝

鳥取県大山で
2010.7月
花をつけた枝
 環境  山地、丘陵の林縁。とくに谷に多い。
      雌雄異株について、図鑑によっては両性花をつける株、雌花をつける雌株、雄花をつける雄株があるとされるが、「花*花・flora」のサイト内マタタビのページに雌花、雄花についての考察が報告されているので参照されたい。
花期:6〜7月   
花は新枝の葉のわきに下向きにつく。直径2cmほど、芳香がある。両性花は1個、雄花は集散花序に1〜3個がつく。
雄花の枝
           ↑  花        鳥取県大山で  2010.7月

 
  両性花 花柱は線形で多数、属名が示すように放射状にひろがる。子房は長楕円形。
( 画像 準備中 )

   雄花  雄しべは多数。葯は黄色。
雄花

鳥取県大山で
2010.7月
雄花
雄花

鳥取県大山で
2010.7月
雄花
下から見る花
萼は5枚

鳥取県大山で
2010.7月
花の下部
花序をつけた枝

熊本県南小国町で
2012.6月
つぼみ
つぼみの花序

熊本県南小国町で
2012.6月
つぼみ
  互生。
葉身の長さは6〜15cm、楕円形〜卵形〜広卵形、質はうすい。先はするどくとがり、ふちにとがった小さい鋸歯がある。葉柄は長く、はじめ紅い。両面の脈上にかたい毛が散生する。
枝先の葉は花期に表面が白くなる。
枝葉
            枝葉      大沢町シガ谷で  2011.7月
枝葉
       枝葉         熊本県南小国町で   2012.6月
上半分が白くなった葉

これは昆虫を誘うためと考えられているそうだ
蝋のような物質でおおわれているのでこすると緑色が現れる

鳥取県大山で
2010.7月
白くなった葉
ほとんど全面が白くなった葉

鳥取県大山で
2010.7月
白くなった葉
全面が緑色の葉表

卵形の葉

鳥取県大山で
2010.7月
緑色の葉表
全面が緑色の葉表

広卵形の葉

熊本県南小国町で
2012.6月
緑色の葉表
裏面は淡緑色

はじめ脈わきに淡褐色の軟毛があるがのち落ちる

熊本県南小国町で
2012.6月
葉の裏
裏面脈上の毛

鳥取県大山で
2010.7月
葉の裏の毛
鋸歯

熊本県南小国町で
2012.6月
果実   液果。
長さ2.5cmほどの長楕円形、先はくちばし状にとがる。8〜10月に橙黄色〜黄緑色に熟す。小さな種子が多数入る。
   果実      奈良県明日香村芋が峠で  2020.8月
( 画像 準備中 )

種子
長さ1.5mmほど
卵形、淡褐色
網目文様がある
( 画像 準備中 )
樹皮  つるは紫黒色、楕円形や線状の皮目が多い。
若い枝ははじめ淡褐色で軟毛があるが、のち無毛。
若い枝

熊本県
南小国町で
2012.6月
若い枝の樹皮
前年のつる

熊本県
南小国町で
2012.6月
樹皮
虫こぶ 木天蓼(もくてんりょう)という漢方薬になる。
虫こぶ

和泉市父鬼町
白川谷で
2013.7月
虫こぶ
虫こぶ

和泉市父鬼町
白川谷で
2013.7月
虫こぶ
冬芽  半隠芽。隆起した葉枕に埋もれ、先端だけが見える。
( 画像 準備中 )
同属の仲間の樹木  
サルナシ    キウイフルーツ   ウラジロマタタビ
キウイフルーツ

鳥類によって種子が散布され最近は山地にはえているキウイを見ることも多い

和歌山県
紀の川市山地で
2008.11月
キウイ

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