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ヒサカキ

ツバキ科ヒサカキ属
(新しい分類体系APGVではサカキ科とされる)
学名:Eurya japonica

別名:ビシャシャキ、シャシャキ、ビシャコ    
枝を神仏用に使う 果実は黒い
  属名のEuryaは広い、大きいの意。種小名のjaponicaは日本のを意味する。

  ヒサカキは関西ではビシャコの名でサカキの代用として日常的に神事に用いたり仏檀に供えたりするが、関東でもサカキの木が分布しないのでヒサカキを同様に用いるという。岸和田市の山地ではサカキはふつうに見る。
  ヒサカキの名前については私がまだ高校生の頃だったか 「非さかき」 だと考えたが、その後あれこれと樹木の本を読むうちに自分と同じように考えた人もいることがわかった。しかし、なぜヒサカキと呼ぶのかは定説はないようで、最近知った 「姫さかき
(ひめさかき)」 ではないかという説に共感している。サカキに似て小型であるから姫サカキなのだ。

  まだ他の木々のつぼみがかたい早春に多数の小さい花が開くが、この花は独特の臭いがする。この臭いを感じない人も少なくないらしいが、お世辞にもよい香りとはいえない。この臭いは昆虫が少ない早春にハエ類が好む発酵した匂いを出して虫を惹き寄せるためだとされる。
  雌雄異株であるが、伐採などの攪乱があると性転換することがあるといわれている。

  岸和田市では丘陵から山地でふつうに見ることができる。


  雌雄異株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑低木〜小高木。
高さ10m、直径30cmほどになる。よく分枝する。
枝葉

内畑町の山地で
2010.1月
枝葉
   環境  丘陵〜山地にふつう、生け垣
   雌雄異株。 花期:3〜4月    
葉のわきに1〜3個の花が束生して下向きに咲く。花冠は直径4mmほどの鐘形または壺形で、白色、または淡黄色、淡紫色。花弁は5枚、萼は暗紫色。花柄は短い。
つぼみ

流木町の里山で
2006.1月
つぼみ
つぼみ

10月
つぼみは葉のわきにつく

   雌花    直径3mmほどで雄花より小さい。
雌株の花芽

流木町の里山で
2006.1月
雌花のつぼみ
雌花
花柱の先は深く3裂してそり返る
雄しべは退化する

兵庫県の丘陵地で
2006.3月
雌花

   雄花    直径5mmほど
雄しべは12〜15本で花弁より短い
雌しべは退化する

香川県高松市で
2006.4月
下から見る雄花
紅紫色の雄花

内畑町の山地で
2008.3月
紅紫色の雄花
やさしい色合いの
雄花

内畑町の山地で
2008.3月
下から見る雄花
  互生。
葉身の長さは約5cm、楕円形〜倒披針形。革質。先は鈍くとがり、先端はわずかにくぼむ。ふちは基部を除いて浅い鋸歯がある。両面無毛。
枝葉

内畑町の山地で
2010.1月
 
枝葉
   葉の表

   9月
倒披針形の葉の表
   葉の表

   9月
楕円形の葉の表
   葉の裏

   9月
楕円形の葉の裏
   鋸歯

   9月
鋸歯
葉の先はわずかにくぼむ 葉の先はへこむ
果実   液果。
直径約4mmの球形で、秋に黒紫色に熟す。基部に萼が残る。
多数の種子が入る。
若い果実

富田林市の山地で
2005.10月
若い果実
熟した果実
上のほうにつぼみがみえる

内畑町の山地で
2010.1月
果実
熟した果実
右の小さいものは花芽

流木町の里山で
2006.1月
熟した果実
果実

福岡県
北九州市の山地で
2012.11月
果実
果実

福岡県
北九州市の山地で
2012.11月
果実

種子     長さ2mmほどで赤褐色
やや角ばり表面に網目模様がある

この種子は長さ1mm強だった
種子
樹皮  暗褐色〜灰褐色でなめらか。しわが多い。
新枝は淡緑色〜褐緑色で、ふつう無毛。葉柄が枝に流れて低い稜(紙の折り目のような線状の隆起)になる。
なめらかな樹皮 しわが多い樹皮
      なめらかな樹皮        しわが多い樹皮
葉柄は枝に流れて低い稜になる

9月
葉柄は稜になる
2年枝の樹皮

10月
2年枝の樹皮
新枝はふつう緑色だがこれは黒紫色だ
冬芽   裸芽。
葉芽は狭披針形、鎌状に曲がる。花芽はまるい。
葉芽
赤味を帯びることが多い

1月
葉芽は鎌のようにカーブする
カーブしない葉芽

1月
カーブしない葉芽
緑色の葉芽

3月
緑色の葉芽
花芽はまるく小さい
左下は熟した果実

1月
花芽はまるく小さい
同属の仲間の樹木  
ハマヒサカキ
南西諸島にはアマミヒサカキ、クニガミヒサカキなどの固有種がある

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