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ウバメガシ 姥芽樫

ブナ科コナラ属
学名:Quercus phillyraeoides

別名:ウバメ、(ウ)バベ、イマメガシ、
    ウマメ(ガシ)   
葉は枝先に集まってつく どんぐりは2年かけて成熟する

  属名のQuercusは良質の材の意。種小名のphillyraeoidesはモクセイ科に似たの意。

  ウバメガシは備長炭の材料としてよく知られる。備長炭が和歌山の特産であったことは、ウバメガシが紀伊半島に多かったということであろう。和歌山県で小さな岬に「ばべ鼻」の名があるのは、岬がウバメガシの樹で覆われているのだろう。
  海岸の乾燥地に多い樹であるが、岸和田市では標高400mほどの葛城登山道でも見ることができる。
  姥芽樫の名は、昔新芽を五倍子
(ふし)の代用としてお歯黒に用いたところからの名とされる。枝葉がよく茂り刈り込みに耐えるので、生け垣にされる。材は非常に堅く割れにくいので、昔は舟の艪を固定する部分に用いたという。備長炭も堅く澄んだ音を出すので炭琴にすることができる。材は、他のカシ類に比べても比重が大きいことが有名である。

  岸和田市では前述の葛城登山道のほかに、和泉山脈の麓にあたる相川町、塔原町、大沢町、河合町の山地、丘陵でふつうに見る。市街地では公園、施設の緑地、民家の生け垣などでもよく見かける。
 

 雌雄同株。


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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑低木〜中高木。
山地や公園では高さ10mほどになるものを見る。
樹形

三ヶ山町
とんぼ池公園で
2007.4月
樹形
独立樹の樹形

和泉市で
2009.2月
樹形
葛城登山道はウバメガシのトンネル

2005.8月
ウバメガシのトンネル
幼木

大沢町の山地で
2010.3月
幼木
   環境   暖地の海岸、山野、公園樹、生け垣
   雌雄同株。 花期:4〜5月    
雌花は新枝の上部に1〜2個つく。花柱は3個。
雄花序は長さ約2cmで、新枝の下部に多数たれ下がる。
   雌花
        雌花

眼を近づけないと わからないほど小さい

別所町宮ノ池で
2014.4月 
雌花
雌花

別所町宮ノ池で
2014.4月 
雌花
受精後の雌花

5月
受精後の雌花

   雄花
雄花序

5月はじめ
雄花序
雄花序

別所町宮ノ池で
2014.4月 
雄花序
雄花

4月なかば   
雄花
  互生。
葉身の長さは3〜6cmで、楕円形〜倒卵形。革質で、先は鈍くとがるか、円頭。上半部のふちに低い鋸歯がある。葉柄は長さ約5mm。カシ類のなかでは葉がもっとも小さい。
葉の表
標準的な楕円形の葉

3月
葉の表
  葉の表
  倒卵形の葉

  3月
葉の表
    葉の裏
    淡緑色

    3月
葉の裏
葉の裏
裏面に毛が密生するタイプはケウバメガシとして区別されることがある

3月
裏面に毛が密生するタイプ
透かしてみると網状脈がはっきり見える

3月
葉の透視
葉のふちは半透明

3月
葉のふちは半透明
若い葉のふちも
半透明

5月
若い葉のふちも透明
果実  堅果(どんぐり)。
長さ約2cmで楕円形、先端に毛がはえる。1年目はほとんど成長せずに小さいまま年を越し、2年目の秋に成熟する。
殻斗は浅い杯形で、総苞片はアラカシのように環にならず瓦を重ねたような形になる。
年を越した果実

5月
年を越した果実
2回目の夏を迎えた果実
このあとぐんぐん大きくなる

7月
2回目の夏を迎えた果実
かなり大きくなった

10月
成熟した果実
成熟した果実

10月下旬
成熟した果実
落ちていたどんぐり

11月
どんぐり
落ちていたどんぐり

1月
どんぐり
ドングリの先には毛が多い

3月
ドングリの先には毛が多い
先端の毛 ドングリの先には毛が多い
基部は他のどんぐりに比べると小さい

基部のほかに底、底部などの呼び方がある
少し専門的にはへそとも呼ぶらしい
どんぐりの基部
殻斗の比較

左−ウバメガシ 
中−シラカシ 
右−アラカシ

9月
殻斗の比較
    ドングリを部屋に置いていたら
     いつの間にか発根していた
ドングリの先から根が出た
樹皮  黒褐色。老木ではたてに浅く裂ける。
若い木の樹皮 成木では縦に裂け目ができる
        若い木の樹皮     たてに裂け目ができてきた
成木の樹皮
       山地の成木の樹皮
冬芽  芽鱗が美しい。
芽鱗のふちには
毛がみえる

12月
    冬芽
冬芽は枝先に集
まる

 3月
冬芽
同属の仲間の樹木   コナラ属のなかで、総苞の鱗片が瓦重ね状に並ぶコナラ亜属を下に挙げた。
アベマキ   クヌギ   コナラ   
ナラガシワ、カシワ、ミズナラ
(下の画像参照)
カシワ、ミズナラ
は冷涼地の樹木だが、ミズナラは最近とんぼ池公園内の花木園に植えられたようだ。(2008.8月)

チリメンガシはウバメガシの園芸品種(下の画像参照)
ナラガシワ

奈良県宇陀市で
2006年6月
ナラガシワ
カシワ

岡山県蒜山高原で
2010.7月
カシワ
ミズナラ

鳥取県江府町
奥大山で
2010.7月
ミズナラ
ミズナラの葉柄はごく短い

岸和田市三ヶ山町
とんぼ池公園で
2010.11月
ミズナラの葉柄はごく短い
チリメンガシはウバメガシの園芸品種

葉脈が葉の表面でへこみ裏面で突出する

堺市
大阪府立大学で
2010.11月
チリメンガシ

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