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ツクバネウツギ  衝羽根空木

スイカズラ科ツクバネウツギ属
学名:Abelia spathulata

別名:コツクバネ、ウサギカクシ   
橙色の網状紋が目立つ花 葉は対生、萼片は5枚
  属名のAbeliaはイギリス人の名から。種小名のspathulataはスプーン形のを意味する。

  ツクバネウツギの名は、花冠が落ちたあとの5枚の萼が羽根つきの衝羽根(つくばね)に似ていることからついたものとされるが、あるいはビャクダン科ツクバネの果実にそっくりのようすからついたものかもわからない。
  別名のウサギカクシは、本種が低木で小枝が多く藪のような樹形なので、兎が逃げ込めば見つけにくいということだろう。また小鳥のメジロが実際に営巣するということも本種の樹形の特徴を示していると思える。

  ウツギという名は中が空洞であることを指すが、ユキノシタ科のウツギが中空であるのに対しツクバネウツギの幹は中心が空洞ではない。ではなぜウツギの名がつけられたかであるが、私見ではユキノシタ科のウツギの葉に似ていたからではないだろうか。葉が対生する点と葉のようすが似ているように思える。
  コツクバネウツギとよく似るが、花、果実の萼片の数で区別することができる。ツクバネウツギは萼片の数が5であるのに対し、コツクバネウツギは2〜3である。

  岸和田市では和泉山脈の麓にあたる相川町、塔原町、大沢町の山地でふつうに見ることができる。この山域で見るものは、葉柄、葉、枝、果実に毛が多く萼片も幅がせまいのでツクバネウツギの品種であるケツクバネウツギ Abelia spathulata f. pilosa のようであるが、ここでは区別せずに扱った。


  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  落葉低木。
高さ2mになる。よく分枝して茂る。
樹形

幹は細く小枝が多い

相川町の山地で
2007.10月
幹は細くしなやかな樹形
花をつけた枝

枝が細く枝先は垂れ気味になる

塔原町モツ谷で
200510月  
枝は細い
   環境  丘陵地〜山地
   雌雄同株。 花期:5〜6月    
新枝の先にふつう2個ずつ花をつける。花は白色〜黄色〜淡紫色。花冠は長さ約2cmの筒状鐘形で、細い花筒部から急に広がり鐘状になる。先は唇状で上唇は2裂、下唇は3裂する。
萼は基部まで5裂する
萼片は緑色のものから紅紫色をおびるものまで変化がある

相川町の山地で
2007.5月
花はふつう2個ずつつく
下唇の内側に橙色の網状紋と長毛がある
画像では見えないが花筒基部の内側に密腺がある

相川町の山地で
2007.5月
花は橙色の網状紋が目立つ
  対生。
葉身の長さは2〜6cmで、広卵形〜長楕円状卵形。先はしだいに細くなり鈍端。ふちに不規則なあらい鋸歯があり、紫色をおびることがある。葉柄はごく短い。両面に毛が散生する。
葉は対生する

和泉市父鬼町の山地で
2007.6月
対生の葉
葉の表はほとんど光沢がない

葉の裏は脈上に白い毛が多い
左ー葉の表、右ー葉の裏
葉柄にも白い開出毛が多い

和泉市父鬼町の山地で
2007.6月
葉柄の開出毛
果実   そう果。
長さ1cmほどの線形で、秋に熟す。縦に稜(紙の折り目のような線状の隆起)がある。
果実

萼のしたにつく細長くみえるものが果実

和泉市父鬼町の山地で
2007.8月
果実にも毛が多い

種子
( 画像 準備中 )
樹皮  灰白色〜灰色。
縦にはがれて落ちる。若い枝は赤褐色。
( 画像 準備中 )
冬芽  長さ約2mmの卵形。
冬芽はごく小さい

1月
冬芽は肉眼では見にくいほど小さい
同属の仲間の樹木  
オオツクバネウツギ   コツクバネウツギ
園芸品種のハナゾノツクバネウツギはアベリアの名で園芸店で売られているもので、公園や緑地帯などによく植えられている。

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