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ツルコウジ  蔓柑子

ヤブコウジ科ヤブコウジ属
(新しい分類体系APGVではサクラソウ科とされる)
学名:Ardisia pusilla   
  属名のArdisiaは槍の先に似るの意味で、雄しべの葯の形とされる。種小名のpusillaは細かいの意。

  ツルコウジは土生滝町意賀美神社の社叢に見られるが、府下でも珍しい植物とされる。大阪府野生生物目録(2000)によれば本種が確認されているのは泉南地区だけである。意賀美神社社叢には他に ホルトノキミミズバイタイミンタチバナなどが見られ、大阪府自然環境保全地域に指定されている。
  その意賀美神社のツルコウジは観察したことがないまま、あるとき相川町の山地で見慣れぬ植物に出会った。茎は緑色で柔らかく草とも木とも判別できなかったが、試しに根から引き抜くと大きな種子の痕跡がついていたので木本だとわかった。ふかふかの腐葉土に生えていたので引き抜いても根を傷めることもなく、すぐに埋め戻したので活着していることと思う。
  さて木本らしいことはわかったが、図鑑にあたってもなかなか正体がわからない。それで 「このきなんのき掲示板」 に投稿して尋ねると、すぐにツルコウジだと教えてくださるかたがあった。

  岸和田市では上述の土生滝町意賀美神社の社叢に見られるが、それ以外では相川町の山地でしか出会ったことがない。宮崎県などではふつうに見られる樹木のようだが、大阪府ではやはり珍しい樹木かもわからない。


  雌雄同株。

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樹形 環境 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木

樹形  常緑小低木。
茎は横に長く伸び、先は立ち上がって高さ10cmほどになる。
樹形

相川町の山地で
2010.1月
樹形
   環境  常緑樹林の林床
   雌雄同株。 花期:6〜8月    
全体に毛が多い。花序は長さ2〜3cmの散状、2〜4個の白い花が下向きに咲く。花柄には長い軟毛と粒状の毛がある。花冠は直径6mmほど、5深裂し腺点がある。
( 画像 準備中 )
  互生。葉の上部に3〜5個が輪生状につく。
葉身の長さは2〜6cm、卵形〜長楕円形。質は紙質。先はややとがり、ふちに粗い鋸歯がある。側脈は約7対、脈の先は鋸歯に終わる。両面とも軟毛があり、葉柄にも軟毛が密生する。葉柄の長さは5〜10mm。
枝葉

相川町の山地で
2010.1月
枝葉
葉の表

相川町の山地で
2010.1月
葉の表
葉の裏
側脈の先は鋸歯に終わる

相川町の山地で
2010.1月
葉の裏
葉の表
両面とも軟毛がある

相川町の山地で
2010.1月
葉の表面の軟毛
鋸歯

相川町の山地で
2010.1月
鋸歯
果実   核果。
直径約5mmの球形。12月頃に赤く熟す。
( 画像 準備中 )

種子
( 画像 準備中 )
樹皮  開出する赤褐色の長軟毛を密生する。
枝に密生する軟毛

相川町の山地で
2010.1月
枝の軟毛
冬芽
( 画像 準備中 )
同属の仲間の樹木  
ヤブコウジ   マンリョウ   カラタチバナ   
オオツルコウジ
は葉が大きく萼片は無毛
シナヤブコウジ、モクタチバナ、シシアクチは近畿には分布しない

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