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| ヤマザクラ 山桜 バラ科サクラ属 学名：Cerasus jamasakura 別名：なし |
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| 属名のCerasusはサクランボの意。属名として従来用いられたPrunusとCerasusのふた通りの標記があるが、明確な決まりはないらしくどちらで標記しても間違いではないようだ。種小名のjamasakuraは日本語のやまざくらから。 ヤマザクラと聞けば関西では奈良県吉野山の桜をまず思い浮かべるひとが多いであろう。吉野山の桜はヤマザクラがほとんどで、ソメイヨシノの花の風景とはまた色合いが異なり趣がある。ソメイヨシノは明治時代以降に多く植えられるようになった種類であるから、江戸時代までに愛でられたサクラはヤマザクラである。 万葉集にはつぎの歌をはじめ、40首余の歌がよまれている。 見わたせば 春日の野辺に霞立ち 咲きにほへるは 桜花かも よみびとしらず 10-1872 ソメイヨシノは長寿の個体でもせいぜい百年ほどだが、ヤマザクラは樹齢数百年の個体が各地で見られる。なかでも静岡県富士宮市の特別天然記念物 「狩宿の下馬ザクラ」は源頼朝にまつわる伝説が残り、樹齢800年を超えるとされる。 材は建築、版木、家具などに利用されるが、とくに美しい樹皮を利用した秋田県の樺細工が有名だ。樺といってもシラカバなどのカンバではなく、ヤマザクラのことである。 岸和田市では神於山のあたりから和泉山脈の麓にあたる塔原町、大沢町、相川町、河合町の山地で見ることができる。市街地では港緑町の港湾局の近くに1株が植えられている。 雌雄同株。 |
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| 樹形 落葉高木。高さ25ｍ、直径1ｍになる。 |
| 花期の樹形 貝塚市秬谷で 2015．4月 |
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| 若い木の樹形 左の木はオオシマザクラ 港緑町で 2015．4月 |
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| 樹幹のようす 和歌山市深山で 2014．4月 |
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| 満開の樹冠 貝塚市秬谷で 2015．4月 |
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| 環境 山地、公園樹、街路樹 |
| 花 雌雄同株。 花期：3月下旬〜4月上旬。 |
| 葉の展開とほぼ同時に開花する。前年枝のわきに花序をつける。花序はふつう散房状、1〜3個の花がつく。花序には柄がある。 花は白色〜淡紅色、直径3ｃｍ前後、小花柄の長さ2〜3ｃｍ。 |
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| ↑ 花期の枝 貝塚市秬谷で 2015．4月 | |
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| ↑ 花 港緑町で 2007．4月 | |
| 花序 港緑町で 2015．4月 |
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| 開花前 花序の柄がみえない 港緑町で 2015．3月 |
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| 花弁は5枚 先は切れ込む 港緑町で 2014．4月 |
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| 雌しべは1個で花柱の先は頭状になる おしべは40本ほど 港緑町で 2009．4月 |
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| 萼片は鋸歯がない 無毛 港緑町で 2013．4月 |
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| 萼片に一部鋸歯がみられることがある 港緑町で 2014．4月 |
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| 萼筒は細長い鐘形 港緑町で 2013．4月 |
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| 葉 互生。 |
| 葉身の長さは8〜12ｃｍ、長楕円形〜倒卵形。先は尾状に長く伸び。ふちはふつう短鋸歯があり、重鋸歯がみられることもある。鋸歯の先は腺になる。 葉柄はふつう無毛、赤味をおび、上部に2個の赤い密腺がある。 葉の表は無毛、幼木では有毛のことがある。 裏面は白色をおびる。無毛。 |
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| ↑ 新葉は赤みをおびることが多い 港緑町で 2013．4月 | |
| 新葉は赤みをおびることが多い 港緑町で 2014．4月 |
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| 赤みがぬけて緑色になった葉 港緑町で 2015．4月 |
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| 裏面は白っぽい 港緑町で 2015．5月 |
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| 葉柄上部に2個の赤い密腺がある 港緑町で 2014．4月 |
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| 托葉も赤みを帯びる はやく脱落する 港緑町で 2009．4月 |
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| ふちは単鋸歯で先は腺になる 港緑町で 2015．4月 |
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| 果実 核果。 |
| 直径約9ｍｍの球形。5〜6月に黒紫色に熟す。苦味がある。 |
| ごく若い果実 港緑町で 2015．4月 |
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| 若い果実 和歌山市深山で 2014．4月 |
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| 赤くなった果実 港緑町で 2015．5月 |
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| 果実 港緑町で 2015．5月 |
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| 果実 港緑町で 2015．5月 |
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| 核 | ||
| 扁平な卵形 オオシマザクラの核に比べると小さい 大きさは5×6mmだった |
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| 樹皮 | 若い木は紫褐色で光沢がある。老木では黒っぽくなりがさつく。 横に長い皮目が多い。 |
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| 若い木 直径8ｃｍ 2007年 |
左と同じ個体 直径13ｃｍ 2015年 |
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| 成木 直径40ｃｍ |
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| 冬芽 |
| 長さ8ｍｍほどの長卵形、無毛。芽鱗の先はやや外側に開く。 |
| （画像 準備中） | ||
| 同属の仲間の樹木 | サクラの種類は多いので岸和田市で目にすることが多いものを下に挙げた |
| オオシマザクラ オオヤマザクラ カスミザクラ ソメイヨシノ | |
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