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シラカシ 白樫 ブナ科コナラ属 学名:Quercus myrsinaefolia 別名:ヤナギガシ、ササガシ、クロガシ、 ホソバガシ |
属名のQuercusはナラの木を指す。種小名のmyrsinaefoliaはタイミンタチバナ属のような葉の意。 シラカシの名は葉の裏が白いからではなく、材がアカガシにくらべて色がうすいことからシラカシと呼ばれたのが名前の由来とされる。別名のヤナギガシ、ササガシは日照が少ない場所の葉が細長いところからついた名であり、クロガシは樹皮が黒っぽいからとされる。ホソガシはアラカシの葉にくらべて幅が狭いからの名であろう。 シラカシは「関東のカシ」と呼ばれることがある。関東地方に多く、生け垣に利用されるのはシラカシだという。これに対して関西で生け垣を観察してみるとアラカシがほとんどである。アラカシは「関西のカシ」と呼ばれるそうだ。 シラカシのどんぐりは図鑑によっては食料になるとあるが、アラカシと同じぐらいのタンニンを含んでおり、生でも食べられるスダジイ、マテバシイとくらべると10倍ちかくのタンニン量があるのであく抜きをしないと食用にすることができない。 岸和田市では大沢町牛滝のシラカシ林が国土交通省により特定植物群落に指定されており、相川町、塔原町、河合町、内畑町の山地でも自生のものをふつうに見ることができる。市街地では西之内町中央公園、別所町宮の池公園などで植裁のものを見ることができる。 雌雄同株。 |
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樹形 環境 花 葉 果実 樹皮 冬芽 仲間の樹木
葉の裏面によるシラカシとアラカシの区別
葉によるシラカシとウラジロガシの区別
堅果(どんぐり)の先端によるシラカシとアラカシの区別
樹形 常緑高木。高さ20m、直径80cmになる。 |
樹形 樹高は10mを越えると思われる 相川町で 2007.11月 |
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枝のようす (上の写真の個体) 相川町で 2008.3月 |
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若い木の樹形 林道牛滝線で 2008.2月 |
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枝葉 (植裁種) 12月 |
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幼木 大沢町牛滝で 2011.3月 |
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環境 山地、公園樹、街路樹、庭木、生け垣 |
花 雌雄同株。 花期:5月 |
雌花序は新枝の上部に直立し、3〜4個の雌花をつける。雄花序は新枝の下部および前年枝の葉のわきから長さ約8cmの花序をたらす。 |
雌花 |
↑ 雌花序 春木川緑道(下野町)で 2010.5月 |
雌花序 扇形の花柱は3個 果期までのこる 下野町 春木川緑道で 2010.5月 |
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雄花 |
若い雄花序 別所町宮ノ池で 2014.5月 |
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雄花序 下野町 春木川緑道で 2010.5月 |
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雄花は1〜3個ずつつく 流木墓地公園で 2009 5月 |
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葉 互生。 |
葉身の長さは約10cmで狭長楕円形。革質。先は鋭くとがり、上半部のふちに低く鋭い鋸歯がある。葉柄の長さは1〜2cm。 |
↑ 新葉の展開 港緑町で 2016.5月 | |
新葉は赤味をおびる 新葉が展開するのはアラカシに比べて1か月ほど遅い 港緑町で 2008.6月 |
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新葉の裏面 港緑町で 2009.5月 |
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枝葉 和泉市 大野町の山地で 2010.1月 |
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葉の表 光沢があり無毛 (自生種) 11月 |
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葉の表 (栽培種) 12月 |
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葉の裏 灰緑色、はじめ絹毛があるがのち無毛 (自生種) 11月 |
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鋸歯は低い 12月 |
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鋸歯 2月 |
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鋸歯と葉脈 太陽光で透視すると細脈がよくみえる 3月 |
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葉の裏面によるシラカシとアラカシの区別 |
シラカシの新葉の裏は絹毛が散生するがのち無毛 |
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アラカシの新葉の裏は絹毛が密生し遅くまで残る |
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葉によるシラカシとウラジロガシの区別 シラカシとウラジロガシの葉は細いところが似ているので見わけにくい こともあるが、葉の裏を見れば区別できる。 ウラジロガシの葉裏が白くないこともあるが、その他の区別点でも見わ けることができる。 |
・葉裏はろう物質で 白い ・長く伸びた葉先が ねじれることが多 い ・鋭い鋸歯が目立 つ ・葉裏は灰緑色 ・葉先はねじれない ・鋸歯は低く目立た ない |
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果実 堅果(どんぐり)。 |
長さ約1.6cmの卵形〜楕円形でその年の秋に褐色に熟す。 |
↑ 果実 宮の池公園で 2007.10月 | |
若い果実 6月 |
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若い果実 7月 |
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大きくなった果実 10月 |
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成熟した果実 10月 |
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楕円形の果実 11月 |
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ドングリの先には 毛がみられる 11月 |
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どんぐりの特徴 先端に段がある 11月 |
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殻斗(どんぐりの帽子) | ||
殻斗(総苞、帽子)は半球形で 鱗片(総苞片)が合着した環が 6〜8個並ぶ 灰白色の微細毛が密生する |
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別の個体の殻斗 | ||
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堅果(どんぐり)の先端によるシラカシとアラカシの区別 | ||
シラカシのどんぐりの先には段がありとび出る |
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アラカシのどんぐりの先はなで肩で段がない |
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樹皮 灰黒色、皮目がたてに並ぶ。裂けない。 |
新枝の樹皮 まるい皮目が多い 2月 |
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新枝 鈍い稜(紙の折り目のような線状の隆起)がある 2月 |
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植裁の若い木 | 自生の老木 | |
冬芽 卵形〜長楕円形、芽鱗は5列に並ぶ。 |
冬芽 12月 |
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冬芽 芽鱗のふちに白い毛がある 1月 |
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同属の仲間の樹木 | ドングリの殻斗に同心円状の環がある仲間(アカガシ亜属)を下に挙げた |
アカガシ ツクバネガシ アラカシ ウラジロガシ イチイガシ |
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